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競売になってしまうまえにしておくべきこと

 

一生懸命働く!だけが対応策ではない

競売は融資を受けている人にとって最悪の事態です。そうならないため、少しでも滞納する予兆を感じたら、できること・考えられることは何でもするべきです。

「一生懸命働いて返済するしかない!」

と考え、身を粉にして朝も夜も休みなく働き、必死に返済する人もいます。なんとか滞納しないよう、返済を続けようとする気持ちは尊いですが、いつまでそのような生活を続けられるでしょうか?

一時的にはそのような生活を続けられるかもしれませんが、そのような無茶な生活を何年も続けていくことは不可能です。こうした生活が体を壊し、かえって返済が滞ってしまうことはよくあるケースです。

「がんばって働いて滞納しないように返済する」

ということ以外に、できることはあるのです。

返済期間を猶予してもらう

「給与が大幅に減った」

「共働きだったがそうではなくなった」

など、借り入れ当初とは、長い返済生活の中では、収入状況が大きく変動してしまうこともあります。一過性のもので、すぐに元に戻るのであれば、貯金に手を付けるなど、多少のやりくりで過ごすことは出来るでしょう。

しかし、復旧の目途が立っていないのであれば、それは滞納の予兆です。

「転ばぬ先の杖」ではないですが、金融機関に返済計画の見直しを依頼してみましょう。

金融機関としては、今の返済がキツイがために滞納され、競売になってしまうより、長く長期に渡って返済してもらった方が良いのです。

もちろん、返済計画の見直しが必ずしも認められるわけではありません。ただ、何もせずに手をこまねいて状況が悪化してしまうより良いでしょう。

相談できる内容は?

返済計画の見直しで相談できる内容は、以下の4点があります。

  1. 月の返済額を軽減
  2. ボーナス払いの中止もしくは減額
  3. 返済期間の延長
  4. 返済猶予

1.と4.の違いは、返済を減らす(1.)か、返済を一定期間止めるか(4.)の違いです。

ただし、返済を止めるといっても、利息だけは支払わなくてはいけません。利息をいくら支払っていても、それは返済ではないため、元金は全く減りません。十分ご注意しましょう。

任意売却を検討

返済を続けていくことが難しいので売却したい。が、

借入残高 > 売却金額

だと売ることはできません。

しかし、金融機関と交渉することで売却が認められることがあります。

競売になる前段階で、「任意に」売却することから「任意売却」と呼びます。

市場価格よりも大幅に安い金額で取引される競売と違い、任意売却は市場価格に近い金額で売却が可能です。

普通の売主が当然持つ、販売価格や金額交渉に応じるか否かの決定権が任意売却にはありません。しかし、競売と違って、あくまでも売主としての立場で不動産を売却することができます。

競売は最悪の場合、不法占拠者として強制的に追い出されてしまうこともありますが、その立場の違いは雲泥の差です。

競売に比べて金融機関にとっても回収できる額が多くなるので、金融機関、滞納者双方にとって非常にメリットのある方法です。

競売と任意売却の違いについて

まとめ

以上、競売になってしまうまえにできることについてでした。

返済が滞ってしまうことは、誰にでも起こり得ることです。しかし、そうなってしまったときに、

「休みなく働いて返済すること」

以外に対応策があるのを知っているか知らないとでは、その後の行動に大きな違いをもたらします。

まずは金融機関に現在の状況を説明し、返済プランの見直しをお願いしてみる。少しの見直しで数か月やりすごしたことで、状況が改善するかもしれません。

見直したにもかかわらず、状況は改善せず、結果滞納をしてしまったのであれば、任意売却を検討する。

まだまだこの段階でも諦めてしまうのは早すぎます。できることはあるのです。

諦めたらそこで試合終了です。

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全ての人がそうではありませんが、返済するのがキツクなってしまうのは、最初から無理な返済計画の元、マイホーム・自宅を購入してしまっているのかもしれません。

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競売と任意売却の違いについて

競売の前に任意売却を検討する

競売は、住宅ローンを利用して不動産を購入した人にとっては、最悪の結末です。ただ、滞納してしまったし、今後の返済を続けていくことができないと、そこで諦めてしまうのは早すぎます。まだその段階でも打てる手立てはあります。

競売になってしまうまえにしておくべきこと

例えば競売の前の段階で、任意売却という方法で切り抜ける方法があります。任意売却で終わるか競売で終わるかでは、心理的な負担を含め、全く異なります。

任意売却と競売の違いについて、今回は解説していきます。

任意売却

任意売却は、通常の不動産流通市場で取引されます。つまり不動産会社に売却を依頼し、物件情報がレインズやポータルサイトに掲載され、広く購入者を募ることができます。

任意売却という売却理由を嫌う購入者もいることから、周辺相場よりは多少安くなる傾向はありますが、それに近い価格で売却が可能です。

競売よりも高く売れる分、その分残債は減りますが、滞納者の独断で任意売却をすることはできません。任意売却を行うには、債権者(金融機関)と交渉し、その許可を得ないといけません。債権者にとっても、回収できる金額が競売よりも多いので、競売の手続きがまだ進んでいない状況であれば、比較的すんなりと任意売却を認めてもらえます。

任意売却は、売却理由が債務整理という、あくまでも普通の不動産売却として成り立つ前向きな売却です。競売に比べ、心労も少なく新生活をスタートすることができます。

競売

任意売却とは異なり、通常の不動産流通市場では取引されません。入札期間中に、一番高い金額を入札した人が、落札・購入する仕組みです。

物件にもよりますが、競売の価格は、市場価格の6割から7割となります。競売だと、融資している債権者の回収額は任意売却と比べ少なくなります。ですからいつでも任意売却へ変更が可能だと思ってしまいがちです。

しかし、競売の手続きが進んでしまっていると、回収できる金額が任意売却よりも少ないとしても、そこから任意売却へ引き戻すことは困難です。

まとめ

以上、任意売却と競売の違いについてでした。

一般不動産市場で売却できる任意売却と、そうではない競売とでは、そのプロセスと結果に大きな違いが生じます。

滞納が続いてしまうと

「もうどうにもならない」

「どうにでもなれ!」

と緊張の糸がぷっつりと切れ、思考停止してしまい、開き直ってしまう人が多いです。しかし、可能性がある限り任意売却を目指してください。

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全ての人がそうではありませんが、競売に陥ってしまう要因の1つは、最初から無理な返済計画の元、マイホーム・自宅を購入してしまっているからです。

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空家対策特別措置法とは?

空家を是正するための法案

近年、社会問題化しつつある、「放置空き家」問題を、是正するための法案です。法案の内容は以下、「NHK NEWS WEB」の記事から引用します。

市町村が固定資産税の情報を利用して空き家の所有者を迅速に把握できるようにすることや、所有者が分からない場合でも、倒壊のおそれなどがある空き家に立ち入り、危険性などを調査できることなどが盛り込まれています。

さらに、市町村が必要と判断した場合、空き家の除去や修繕を所有者に命令できるほか、命令に従わなかったり、所有者が分からなかったりする場合は、市町村が強制的に除去できるとしています。(引用元:NHK NEWS WEB)

特措法の簡単な概要

つまり空き家をほったらかしにしておくと、行政が所有者を特定し、所有者に対して建物を撤去するよう指導したり勧告したりして、それでも従わない場合に初めて強制撤去が可能となるそうです。

空家ならどんなものでもいきなり撤去されるというわけではありません。「特定空家等」に該当される場合に限られるということです。

特措法の問題点

この特別措置法が可決されるより前に、行政による強制執行を可能とする条例を定めた自治体もいくつかあるようですが、実際に強制執行まで行った例はあまりないようです。各自治体は、

「憲法で認められた財産権の侵害に当たるのではないか」

との危惧を持っていて、訴訟リスクを恐れているからだといいます。

また、解体となると、その費用を税金で賄うことになりますが、所有者からその解体費用を回収することが出来るのか?などと考える自自体もあります。

解体費用を所有者に請求しても払わない場合、競売もしくは任意売却で解体費用を回収するしかないのでしょうが、すべての空き家が「売れる・売却できる」空き家ばかりとは限りません。

行政からの是正勧告に、空き家所有者がすんなりと従ってくれることが一番簡単です。しかし、そうした所有者ばかりではありません。解体しようにも費用の問題や、個々の事情で従えない所有者も当然出てくるでしょう。

まとめ

法律が施行されたとはいえ、行政が特定空家等にあたる空き家を、手当たり次第に解体していくことは不可能です。行政・自治体としては、競売や任意売却にで対応できる空き家にのみ適用していくのではないでしょうか。

つまり「売れる」空き家のみが、行政代執行の対象となってくるのではないかと予想します。地域格差の拡大に、より一層拍車がかかりそうな事態を、しばし注視していきたいと思います。

任意売却の流れと注意点

 

任意売却したい旨を金融機関に伝える

任意売却で不動産を売却しようと思ったら、まずは融資を受けている金融機関の同意を得なければいけません。

任意売却ではなく、通常の不動産売却であれば、販売価格をいくらにするかの判断は売主にあります。

ですから、不動産会社が査定した価格が3,000万だとしても、その査定価格に従う必要はなく、極端な話、4,500万で価格設定し、市場に出して欲しいとも言えます。それで販売活動をしてくれる不動産会社があるかは別の話としてですが。

任意売却の場合、売主に決定権はありません

任意売却の場合、売主は売却金額など、販売諸条件について希望は言うことはできません。

例えば残債が3,000万ある物件があったとします。しかし、そのエリアの相場を考えると2,000万でしか売れません。3,000万で売れる可能性は限りなく低いですが、万が一3,000万以上で売ることができれば、金融機関に全額返済できるということです。

それを期待して、

「可能性は少ないけれど3,500万で売りに出してほしい」

というような、希望や要望を、任意売却の場合言うことはできません。

「いくらで売りに出すか」

「入ってきた金額交渉に応じるか」

「金額を見直すか」

など、本来であれば売主持つこうした決定権を、任意売却は一切のもちません。すべては金融機関が決定します。

不動産会社に任意売却を依頼

金融機関と交渉した結果、任意売却が認められれば、不動産会社に「任意売却」の旨を伝え、売却の依頼をします。

競売の手続きが進み、競売開始決定がなされると、裁判所で競売情報が公開されます。その情報をもとに、任意売却を専門に扱う不動産会社から手紙が届くようになります。

住宅ローンが滞納。競売になってしまった場合の流れ

不動産会社としては、任意売却は商売につながることが多いため、積極的に依頼を受けようとします。

「私も過去に競売になりそうだったことがあり、任意売却という方法を取ることで競売を回避することが出来ました。今の私の使命は、過去の私と同じ境遇の人を少しでも救うことです。ぜひ、お電話ください。きっとお力になれると思います!」

というような、嘘かホントか分からない自筆の手紙を送ってくるところもあります。

もちろん、そのような任意売却を専門に扱う不動産会社ではなく、街にある普通の不動産会社にも相談し、依頼することも可能です。

ただ、通常の売却と任意売却は、手続きが少し異なります。依頼するのであれば、任意売却を取り扱ったことがある不動産会社に依頼しましょう。

売却活動開始

任意売却の依頼を受けた不動産会社は、債権者と売却希望金額を打ち合わせ、通常の物件と同じように販売活動を行います。任意売却だからといって、特別な売却活動があるわけではなりません。

売主は、内見希望があれば積極的に協力し、少しでも早く成約に至るよう努力しなければなりません。任意売却には期限があります。自分の都合ばかり優先し、内見に非協力的だと、期限内に売却することができず、結局は競売になってしまいます。

まとめ

任意売却の流れと注意点についてでした。

任意売却で売却しなければならないのは不本意かもしれません。しかし、競売になってしまうまえに、任意売却で切り抜けることができたのは、不幸中の幸いです。

任意売却は、売却理由こそ「債務整理」ですが、あくまでも「売主」として、不動産売買の当事者として、すべての取引を終えることができます。

しかし競売の場合、自分がかつてさまざまな思いや願いを込めて購入した物件が、いつのまにか自分の知らないところで、全く知らない人のものとなってしまっています。そして「不法占拠者」として立ち退きを要求される立場となってしまいます。

家を失うという結果は同じですが、終わり方には雲泥の差がありますし、その後の人生にも、大きな影響を与えるはずです。

競売は、何が何でも避けてもらいたいというのが、私の切なる願いです。

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競売で競り落とされた後の流れについて

 

新しい所有者との間で立ち退き交渉が始まる

競売にかけられ、いままで自宅として使用していた不動産が第三者のものになってしまうと、不法占拠者となります。落札した新しい所有者から立ち退きを求められます。

落札者は、占有者との立ち退き交渉を穏便に済ませたいと願うことがほとんどです。一方的に「出ていけ!」といわれることはなく、引っ越し先の手配をはじめ、新しい住居を契約するための契約金や引っ越し代を出してくれることが多いというのが現状です。

一昔前は競売に参加する人というのは、「怖い人」というイメージがありますが、今はそうではありません。

不動産買い取りを専門に行う不動産業者や、個人投資家から依頼を受けた競売の代行業者などがほとんどです。お互いに協力する立場で臨めば問題ないでしょう。

立ち退きをゴネてはいけない

しかし紳士的に対応してくれるのをいいことに、

「ゴネて少しでも多く立ち退き料を出させよう」

など、自分の立場を考えず、欲を出しすぎてはいけません。

立ち退き交渉が不調に終わると、最終的には強制執行となり、引っ越し代、新居の契約金はおろか、着の身着のままで追い出されることにもなりかねません。

事情があって競売になったとはいえ、不法に占有している立場になってしまったのはこちらです。本来であれば、お願いされる立場ではないということを、忘れないでおきましょう。

金融機関への返済義務がなくなるわけではない

競売になり、落札者との間で立ち退き交渉も済み、引っ越しが終われば晴れて新生活のスタートとなります。

しかし、これで一件落着、という訳ではありません。金融機関への返済義務がなくなるわけではありません。

金融機関は、競売によってある程度の貸付金は回収できましたが、100%取り戻せたわけではありません。返済しきれなかった分の返済義務が債務者には残ります。借金を踏み倒せるわけではないのです。

とはいえ、金融機関が引っ越し先の住所を把握することは困難ですし、不動産も売ってしまった今、差し押さえる資産もありません。返済義務は確かに残りますが、実際にどこまで金融機関が追跡し、督促してくるかは不透明です。

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全ての人がそうではありませんが、競売に陥ってしまう要因の1つは、最初から無理な返済計画の元、マイホーム・自宅を購入してしまっているからです。

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任意売却(にんいばいきゃく)

任意売却とは?

売却しても借入金を完済できない場合、本来は売却することができません。売却価格が、残債を上回るまで返済を続けなければなりません。それが原則です。

しかし、それが叶わず途中で力尽き、滞納してしまう人もいます。放っておけば競売になってしまいますが、その段階で金融機関と協議をし、認められれば、残債が残っていても売却することが可能となります。

これを任意売却といいます。

任意売却の特徴

競売は入札です。一番高い「札(購入価格」)を入れた人が落札する仕組みです。

通常、競売だと市場で取引される価格よりもかなり安くなってしまうため、落札されたとしてもお金を貸している債権者(*銀行などの金融機関)の回収額も少なくなります。

ところが任意売却は、通常の売却物件と同じような売却活動を行っていくため、市場で取引される近い金額で売却も可能です。回収額が多くなるので債権者はもちろん、債務者(売主)にとってもメリットのある話です。

売却の主導権は金融機関となるので、売主は売却金額などについて希望を言うことはできません。本来であれば物件の売却に主体的に関わることになる売主が全く関われません。

売主が本来負担しなければならない費用がかからない

売却したお金は、全額債権者が回収し、売却にかかる諸経費(仲介手数料、印紙代、登記抹消費用)負担は基本はありません。

引っ越し費用を高く見積もり、売主に再スタートのためのお金を少しでも多く残してあげることができたこともありましたが、今ではそうした小細工も通用しなくなっています。

ちなみに固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金などの滞納金は、負担してもらえません。これだけは自力で捻出しなければいけません。

競売(けいばい・きょうばい)

競売になってしまう流れ

  1. 金融機関から融資を受けてマイホームを購入してみたものの、月々の返済が苦しくなってきた。
  2. マイホームは諦めて一時的にでも賃貸に避難しようと思っても、ローンの残高が多すぎて売っただけでは返済できない(*例えば借入金額が3,000万あるのに、2,000万でしか売れない場合)
  3. やむなく滞納を続けていると、金融機関からやさしい文面の手紙で督促してくる

「あれ?返済しなくてもたいしたことにはならないじゃん?」

とホッと一息ついてしまうのは、都合の良い現実しか見ようとしない人間の性(さが)です。しかし、

「借りたものは返さないといけない」

という原則は必ず守らされます。

競売とは?

金融機関は穏やかに、なだめすかしながら督促を行いますが、らちがあかないと判断すると、物件を差し押さえ、貸したお金を回収する為に強制的に売却する、という行為に至ります。これを「競売」と言います。

ちなみに競売になるのはローンを滞納した場合だけではありません。行政の税金を滞納し続けても、差し押さえられ、競売となってしまうこともあります。

競売の特徴

「強制的」なので売却金額について、所有者が意見を言うことは出来ません。不特定多数の人(一般の消費者から不動産業者まで)が入札をして、一番高い金額を入れた人が落札します。

周辺相場で売れることはほとんどなく、市場価格の7割から8割くらい、物件によってはもっと安くなってしまいます。

変わらず住んでいるのに、いつのまにか所有者ではなくなっていて、落札した人から不法占拠者扱いにされることになります。競売は不動産を購入した人にとって最悪の事態です。

競売になる人の特徴

競売になる人の特徴は、

「誰にも相談できない・しない」

ということです。

相談を受けても、もう手の施しようがない、ということが良くあります。

「もっと早いうちに相談してもらえれば・・・」

といつも思います。

まとめ

お金のことなので、なかなかおおっぴらには言いにくいことかもしれません。

しかし、「返済が滞り始めた」、「今の返済を続けていくことが難しそう」など、予兆を少しでも感じたら、とりあえず声に出して相談してみることです。

病気でもなんでもそうですが、初期症状で対処するのが一番効果的です。親戚縁者や、信頼出来る人から紹介してもらった弁護士や、不動産業者などがこの場合一番の相談相手だと思います。

競売・任意売却になる前の買い替え。その効果とは?

 

買い替えで住み替える

住宅ローンの返済がきつく感じるようになり、このままだと滞納が続いてしまいそうだと感じたら、いっそのこと売却してしまおうと考えるかもしれません。

ところが不動産会社に査定をしてもらったところ、どう好意的にみても3,000万中盤でしか売れそうにになかったとします。

ローン残高が3,500万だとすると、仮に査定通り3,000万で売れたとしても、500万不足します。

この500万を別途、用意できるのであれば売却は可能です。しかし、用意できなければ、買い替えという方法以外では売却することは出来ません。

借入金額を少なくするための買い替え

以下の借り入れ条件で住宅を購入していたとします。残債は3,500万で、現時点の査定価格は3,000万前後だとします。

  • 当初借り入れ金額:4,000万
  • 金利:0.875%
  • 期間:25年
  • 返済額/月:148,496円
  • 現時点の残高:3,500万

単独で売却することは残債の関係で出来ませんが、売却損500万を上乗せし、新規に物件を購入、新しいローンを組みなおすことで借入金額を減らし、以下のように月の返済額を抑えることができます。

  • 新規購入物件:2,000万
  • 借り入れ金額:2,500万(*残債500万含む)
  • 金利:0.875%
  • 期間:30年
  • 返済額/月:63,186円

今までの物件よりも、広さや築年数、立地など物件としての条件は悪くなりますが、いまのままでは競売任意売却になってしまうことを考えれば検討すべきでしょう。

借入金額と併せて、返済期間も伸ばすことで、返済額が半分以下となりました。これが買い替えの効果です。

買い替えの注意点

すでに滞納を繰り返しており、金融機関から督促状が届いている状態では買い替えは不可能です。滞納履歴があることで、融資審査が否決されるからです。買い替えを考えるなら、滞納の予兆を感じた最初の段階です。

こうした早め早めの対応が、競売という最悪の結末を避けるのです。

まとめ

返済がきつくなった場合、最適な対応は・・・

買い替え > 任意売却 > 競売

です。

買い替えをアドバイスできるのは、住宅ローンと不動産売買の知識、双方を兼ね備えた人でなければできません。常日頃から、助言してもらえる不動産の専門家を見つけておきましょう。

住宅ローンのしくみを理解する

購入の初期段階から、住宅ローンのしくみを理解し、自分にとって無理のない物件を購入することが、滞納しない最大の予防策です。

転ばぬ先のつえではないですが、自分を助けるのは自ら蓄えた知識がもたらす「知恵」です。

住宅ローンが滞納。競売になってしまった場合の流れ

 

はじめに

住宅ローンの返済が出来ず、そのまま放置しておけば、強制的に売却される「競売」になってしまいます。

住宅ローンが返済できないとこうなる

競売になることで、滞納者がどのような対応をしなければならないか、どういう影響が出るのかを解説しています。

督促状が届く

数か月滞納してしまっても、金融機関からは優しい文面のハガキで督促してくるだけです。

「あれ?返済しなくてもたいしたことにはならないのでは?」

とホッと一息ついてしまってはいけません。

いままで滞納しないよう、一生懸命返済してきた緊張の糸が、1度2度の滞納で「プツッ」と切れてしまったのかもしれません。

しかし、厳しく督促されなかったことを都合よく解釈してしまうのは、見たいと願う現実しか見ようとしない人間の性(さが)なのかもしれません。

結局は

「借りたものは返さないといけない」

という原則は必ず守らされることになります。

期限の利益の喪失

簡単にいうと

「分割で借入金を支払う権利」

がなくなります。住宅ローンの滞納から3ヶ月から6ヶ月でこうした内容の通知が届きます。

いままで借りたお金を分割で支払うことができたのは、そうしてもよい権利があったからです。その権利を失ったことを意味します。これ以降ローンの分割払いが不可能となることを意味しています。

競売開始決定

「競売することに決まりました」

という内容の競売開始決定通知書が届きます。

この段階であれば、

任意売却

に切り替えられる可能性も残っています。任意売却にすべく動きましょう。

この通知書が届いて後に、競売にかけるため、物件の必要な情報を得るため執行官と不動産評価をするための不動産鑑定士がやってきます。

なんの遠慮もなく、いままで自宅だった自宅にずかずか踏み込まれるのは、どう考えてみても愉快な経験ではないことくらい、容易に想像できると思います。

競売入札期間の通知

「この期間まで入札しますよ」

という内容の告知が届きます。

「任意売却」に切り替えるとしたら、ここが最後のタイミングとなります。仮に希望しても認められないこともあります。このタイミングを逃すと、もはや競売以外の手段はありません。

立ち退き

自分の知らない間に、落札者に所有権が移っており、他人の物件に無断で住み続けている、ただの占有者となってしまっています。

落札者から立ち退き交渉がありますが、当然のことながらあまり多くは望めません。引っ越しにかかる費用と新しい住宅の契約金を出してもらえればよい方でしょう。

提示された立ち退き条件をゴネて得することはありません。万が一、交渉がまとまらなければ、最悪の場合、強制執行で行く当てもない状態で放り出されてしまいます。

競売で競り落とされた後の流れについて

まとめ

競売になってしまう原因の多くは、あがく努力をしなかったことです。返済できなくなってしまうのは、自分の努力ではどうにもならないこともあるでしょう。

しかし、競売になるのを分かっているのに、開き直って何もしないのは、その人が取れるわずかな責任さえも放棄したということです。

そのような態度では、競売になりいくらみじめな思いをしても仕方がありません。まずは

どうにかしようとする努力

を忘れないでおくこと。これが一番大事です。

住宅ローンのしくみを理解する

さらにベストな方法は、最初から無理な返済計画の元、マイホーム・自宅を購入しない!ということです。そのためには住宅ローンのしくみを理解しておく必要があります。

転ばぬ先の杖ではないですが、自分を助けるのは自ら蓄えた知識がもたらす「知恵」です。

住宅ローンが返済できないとこうなる

 

返済できなくなる人が一定数いる

最初から返済しないつもりで、住宅ローンを利用して、マイホーム購入をする人などいません。

しかし、残念ながら住宅ローンを利用してマイホームを購入してみたものの、さまざまな理由で返済が苦しくなってしまう人は一定数います。

返済が苦しければ、せっかく買ったマイホームとはいえ、それを一旦諦め売却。そして一時的にでも賃貸に避難すれば良いのではないかと思うかもしれません。

売却しても完済できないケース

ただ、そうしたくとも、ローンの残高が多すぎると、物件を売却しただけでは完済できないことがもあります。借入金残高が3,500万あるのに、どう高く査定したとしても3,000万でしか売れないというようなケースです。

この場合、完済に必要な500万を準備できれば問題ありませんが、そもそもそれだけのまとまった資金があれば、滞納してしまうこともないでしょう。

【補足:売却できる方法はあります】

仮に売却損が出たとしても、売却は可能です。詳しい方法については以下の記事をご覧ください。

売却損が出る住宅ローン利用中の不動産売却3つの方法

抵当権が実行され競売になる

このように、返済を続けることも売却も出来ない最悪の事態になってしまった場合どうなるかというと、融資を受けるときに物件に設定された抵当権が実行され、競売となってしまいます。

金融機関のビジネスモデルは利息を得ることです。しかし、万が一返済してくれなくなったときのために、金融機関は融資をする際に保全措置を取っています。

その保全措置を実行できる権利を

「抵当権」

といいます。

抵当権とは?

ものすごく簡単に説明すると、

「強制的に抵当権者が売却できる権利」

と考えておきましょう。この場合の抵当権者はもちろん融資をしている金融機関です。

つまり貸したお金が返ってこなければ、金融機関は抵当権を「実行」、強制的に不動産を売却し、売ったお金から貸付金を回収しようとします。

このように

「抵当権を実行し、強制的に売却すること」

を競売と言います。

競売とは?

競売とは、金融機関が強制的に売却し、売却代金から貸付金を回収することをいいます。

「強制的」

ですから、所有者が売却金額の希望や意見を言うことは一切出来ません。

競売になると、不特定多数の人(一般の消費者から不動産業者まで)が入札をし、一番高い札(金額)を入れた人が落札します。競売は不動産を購入した人にとって最悪の事態です。

まとめ

返済できなくなってしまっても、いきなり競売になることはありません。まだできることはあります。ベストは、返済が滞りそうな兆候を少しでも感じたら、少しでも早くSOSの声をあげるようにしましょう。滞納してしまうと、選択肢は限られてしまいますが、まだであれば選択肢の余地は残されています。

諦めたらそこで試合終了です。

住宅ローンのしくみを理解する

さらにベストな方法は、最初から無理な返済計画の元、マイホーム・自宅を購入しない!ということです。そのためには住宅ローンのしくみを理解しておく必要があります。

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5/16 新刊「住宅ローンのしくみがわかる本」発売です!!

売却損が出る住宅ローン利用中の不動産売却3つの方法

住宅ローン利用中でも不動産を売却することは可能です。

住宅ローン返済中に不動産を売る方法

しかし、

残債 > 売却金額

の場合、つまり売却損が出る状態で売却するためには、以下の3パターンしかありません。

 

不足分を別途用意

上図のように不足分を調達・準備できるのであれば非常にシンプルな売却となります。

買い替える

不足分を別途準備できなければ、新規に購入する物件の住宅ローンに、不足分を上乗せしまとめて返済していくことができます。以下の図は返済がキツイため、今までよりも安い物件に買い換えた場合です。物件の条件は従来よりも劣ってしまうかもしれませんが、月の返済額を大幅に圧縮することができます。

逆に以下の図は今までよりもより条件の良い物件に住み替えたケースです。

以下は買い替えの記事をまとめたものです。併せてどうぞ。

自宅の買い替え(まとめ)

任意売却

上で説明した買い替えをするためには、現在の住宅ローンを滞納していないことが条件です。滞納実績が個人信用情報の履歴に残りますので、新規の住宅ローンを組む際の審査が通らないからです。早急に金融機関に連絡をし、任意売却の手続きを始めて下さい。開き直って放っておくと、競売になってしまいます。競売は住宅ローンを利用して不動産を購入した人にとっては最悪の結末です。

ちなみに、滞納をしていなければ、いくら希望しても任意売却にはなりません。

まとめ

以上、売却損があったとしても、不動産を売却をすることは可能です。返済がきつくなり滞納の予兆を感じたら、任意売却に行く前の段階で、一刻も早く買い替えを検討するようにしてください。

5/16発売の新刊の中でも詳細を解説しています。

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住宅ローンの残債が残っている不動産を売却する上で最も重要なこと

住宅ローン返済中であっても、不動産を売却することは可能です。しかし、入り口の段階で誤った情報をインプットしてしまうと、すべてがうまくいかなくなってしまいます。この場合で言う

「入り口の段階」

が何を意味するかというと、それは「査定」です。以下フローチャートをご覧ください。

 

①残債を確認

返済予定表から残債を確認することから始まります。

②査定を依頼

ここが最も重要な「入り口」の部分です。不動産の売却査定というのは、車の買取査定や引っ越し業者の見積もりとは別物です。過去の成約事例や、現在の売り出し事情を踏まえて、

「この位であれば売れるはず」

というただの予想です。査定した金額で100%売れるわけではありません。そのことを理解していないと、売却の依頼欲しさに相場より高い金額を提示する不動産会社の査定金額に惑わされてしまいます。高い金額を査定されて嬉しくない売主さんはいません。

しかし、耳障りの良い高い金額を聞いて喜ぶことが査定の目的ではありません。がっかりしてしまうかもしれないけれど、少なくとも3か月以内に高い確率で売れるであろう正確な金額を把握することが、査定の本来の目的です。

正確な査定金額を聞いていなかったことが原因で、以下の計画がすべて違ってきてしまいます。充分注意しましょう。以上のことをまとめると・・・

  • 不動産の査定はただの予想で100%売れる価格ではない
  • 売却依頼欲しさに高く査定する不動産会社がある
  • 査定の目的は3か月以内に高い確率(7割8割)で売れるであろう金額を把握すること

上記3点は最低限、理解しておくようにしましょう。以下は詳細記事となりますので、併せてお読みください。

不動産の査定を受ける時の注意点

ちなみに私は以下↓の理由で一括査定システムには懐疑的ですから、参加はしていません。

不動産の一括査定をおススメしない理由

あまりおススメできることではありませんが、いくつかの不動産会社の査定を聞いて、その平均値を取ってみるというのも、ある程度信憑性の高い査定金額を把握できる一つの方法でしょう。依頼する気はなくとも、そこで偶然出会ったフィーリングが合う、実力のある担当者と出会える一つのきっかけになるかもしれません。

一括査定サイトの使い方

③残債 ≦ 査定金額

残債よりも査定金額が高ければ、単純に売却することができます(→④)。

しかし逆の場合は違った対応が必要となります(→⑤)

⑤不足分を用意できる?

残債 ― 査定金額 = 売却損(予定)

ですが、この損の部分を別途用意できるのであれば売却は可能です(→⑥)。図にするとこういうことです。

用意できない場合は、⑦へいくことになります。

⑦返済がきついか?

特に返済がきつくなく、良い金額で売却できるなら売ろうという、切羽詰まった売却理由がなければ売るタイミングではないということですし、売れません。不足分を貯金するか、繰り上げ返済をするなりして、元金を減らしながら待機してください。

返済がキツイ場合は早々に対応策を考えなければなりません(→⑧)。

⑧滞納していない?

滞納はしていなくとも、状況はかなり切羽詰まっていて、少しでも早く月の返済を軽くしたいのであれば、安い物件へ買い替えすることを検討してください(→⑩)。

自宅の買い替え(まとめ)

既に滞納してしまっている場合、放っておくと競売になってしまいます。住宅ローンを利用して不動産を購入した人にとって、競売は最悪の結末です。そうなってしまわないうちに、早急に任意売却を目指してください(→⑪)。

まとめ

以下の記事も関連する内容となります。この機会にご覧になってください。

住宅ローン返済中に不動産を売る方法

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担保評価(たんぽひょうか)~住宅ローン利用時~

担保評価とは?

金融機関が住宅ローンでお金を貸す際、借入希望者の審査を行います。勤務先や年収、借入金額やその人の個人信用情報などを踏まえて総合的に融資可否を判断します。

*審査については以下記事をご覧ください。

住宅ローンの審査について~まとめ~

返済が滞った時に、任意売却競売で貸付金を回収できるよう、購入する物件に抵当権を設定します。その辺りの詳細については以下記事をご参考に。

住宅ローンを利用すると抵当権が設定される

担保評価とは、

「抵当権を設定する物件(*担保提供される物件)にどれだけの価値があるか」

のことです。

不動産会社の査定とは別物

不動産を売却する際、不動産会社はその物件がいくらで市場で売れるかを査定しますが、それとは別物です。つまり市場で5,000万位で売れると査定した物件が、金融機関の調査で同様の担保評価が出るわけではありません。どのような基準で算定しているかは正直分かりません。

担保評価が出ないと

当然、融資してくれません。審査の際は、さまざまな側面から審査を行います。借入人に問題があって融資できないこともあれば、物件に問題があって融資できない場合があります。

再建築不可の物件や、建築基準法に違反している物件などは、流通性が低いため担保評価が出ず、都市銀行などでの融資は厳しくなります。

住宅ローン、借りられないのはこんなとき

まとめ

以上、担保評価についてでした。まとめると・・・

  • 融資可否を判断するための物件評価
  • 査定金額とは別物
  • 担保評価が出ないと融資は不可

ということです。

とはいえ、再建築不可や建築基準法違反物件でない限り、あまり担保評価が出ないというのは気にせずともいい問題です。

5/16発売の新刊「住宅ローンのしくみがわかる本」で住宅ローンの知識を身につけて下さい

今回のような記事が全編に渡って収録されている、住宅ローンの決定版!(自分で言うのもなんですが。。。)。私の持つ住宅ローンに関する全てを注ぎ込みました。これ一冊あれば長期に渡る返済生活も安全です。ぜひこの機会にお手元に。

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住宅ローンを利用すると抵当権が設定される

融資を受けるとは?

住宅ローンを利用して、住宅を購入するということは、金融機関の顧客になることであり、長期に渡る返済生活の始まりを意味します。融資を利用すると、売り手から買い手へ所有権の移転が行われますが、それと同時に購入した不動産には抵当権が設定されます。

抵当権が設定される=担保に取られる

ということを意味します。

抵当権とは?

詳しく解説しようとすると複雑になりすぎるし、弁護士が一冊本をかけてしまうほどなので、詳細は避けますが、簡単に言うと

「(*抵当権を付けた人が)強制的に売却できる権利」

と考えておけば良いでしょう。

抵当権を付けた人=融資を行った金融機関(*抵当権者)

ということです。

色々と例外(*差し押さえとか後見。今回は無視)はありますが、基本は所有権者の意思なくして不動産の売却はできません。例えば夫婦共有の場合、夫(持ち分10分の9)が売却しようとしても、妻(持ち分10分の1)が売却に同意しなければ売ることが出来ません。持ち分の多さ、少なさは関係ありません。

しかし、お金を貸した金融機関(*つまり抵当権者)は抵当権を実行することで、所有者の同意なくして勝手に売却することが出来るのです。これを「競売(けいばい)」といいます。

共有名義の弊害

思いっきり余談ですが、離婚の際、財産処分でもめるのは、夫婦共有のケースが多いです。結婚当初、

「2人はずっと一緒だよ。だから不動産も共有財産で当然。共有にしよう!」

と、アツアツの2人の住まいは文字通り愛の住処となります。

しかし、いつまでも愛の住処であり続けられるわけではないことは、この手の案件を弁護士経由で引き受けることが多い私が、僭越ながら当事者たちよりもよくわかっています。

数年後、きみ〇ろ風にいうと2人の間にも

「すきま風」

が吹き始め、やがて持ち分をめぐっての突風に早変わり。お互いの関係が氷河期ほど冷え込んでしまって、顔を合わせることもままならなければ、弁護士を通しての話し合いにまで発展します。

どちらかの単独名義であれば、所有者本人の意向でことは簡単に進みます。しかし、ヘタに持ち分を持ち合ってしまうことで、新婚当初の愛の結晶だったはずのものが、ドロドロの愛憎劇の要因の一つとなってしまうのです。

新婚当初から有事(*離婚)のことを踏まえ、愛の巣購入意欲に少し前に世界中で流行したアイスバケツチャレンジのごとく冷水をぶっかけるようなアドバイスで大変恐縮ですが、物事はできるだけシンプル(単独)がいい、ということです。不動産の名義にしても同様です。

とはいえ、互いの両親が援助なども絡んでくるので、シンプルにしたくともできないこともあるのですが。

まとめ

金融機関から融資を受けてマイホームを購入した人は、確かに所有権を持っている法的な権利者となります。しかし、借りたお金を返せなくなれば、抵当権者(*融資した金融機関)は抵当権を実行し、競売で物件を売却、強制的に貸したお金を回収するのです。金融機関はお金を貸す代わりに、いつでも売却できる強い権利を手にすることになるのです。言いかたを逆にすると、

「返済義務を果たさないと、いつでも売却されてしまう強い権利を金融機関に握られる」

とも言えます。

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空家対策特別措置法(あきやたいさくとくべつそちほう)

空家を是正するための法案

近年、社会問題化しつつある、「放置空き家」問題を、是正するための法案です。法案の内容は以下、「NHK NEWS WEB」の記事から引用します。

市町村が固定資産税の情報を利用して空き家の所有者を迅速に把握できるようにすることや、所有者が分からない場合でも、倒壊のおそれなどがある空き家に立ち入り、危険性などを調査できることなどが盛り込まれています。

さらに、市町村が必要と判断した場合、空き家の除去や修繕を所有者に命令できるほか、命令に従わなかったり、所有者が分からなかったりする場合は、市町村が強制的に除去できるとしています。(引用元:NHK NEWS WEB)

特措法の簡単な概要

つまり空き家をほったらかしにしておくと、行政が所有者を特定し、所有者に対して建物を撤去するよう指導したり勧告したりして、それでも従わない場合に初めて強制撤去が可能となるそうです。

空家ならどんなものでもいきなり撤去されるというわけではありません。「特定空家等」に該当される場合に限られるということです。

特措法の問題点

この特別措置法が可決されるより前に、行政による強制執行を可能とする条例を定めた自治体もいくつかあるようですが、実際に強制執行まで行った例はあまりないようです。各自治体は、

「憲法で認められた財産権の侵害に当たるのではないか」

との危惧を持っていて、訴訟リスクを恐れているからだといいます。

また、解体となると、その費用を税金で賄うことになりますが、所有者からその解体費用を回収することが出来るのか?などと考える自自体もあります。

解体費用を所有者に請求しても払わない場合、競売もしくは任意売却で解体費用を回収するしかないのでしょうが、すべての空き家が「売れる・売却できる」空き家ばかりとは限りません。

行政からの是正勧告に、空き家所有者がすんなりと従ってくれることが一番簡単です。しかし、そうした所有者ばかりではありません。解体しようにも費用の問題や、個々の事情で従えない所有者も当然出てくるでしょう。

まとめ

法律が施行されたとはいえ、行政が特定空家等にあたる空き家を、手当たり次第に解体していくことは不可能です。行政・自治体としては、競売や任意売却にで対応できる空き家にのみ適用していくのではないでしょうか。

つまり「売れる」空き家のみが、行政代執行の対象となってくるのではないかと予想します。地域格差の拡大に、より一層拍車がかかりそうな事態を、しばし注視していきたいと思います。