終身雇用が前提の長期ローン
先日、経団連の中西会長が、企業が今後終身雇用を続けていくことは難しいと発言しています。
正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので
人生100年時代に、一生一つの会社で働き続けるという考えから企業も学生も変わってきている
(引用元:日テレNEWS24)
35年ローンを利用しての住宅購入は、終身雇用を前提にした購入方法です。企業が何十年というスパンで従業員に給料を支払い続けることが難しくなっているのであれば、住宅購入者が長期に渡る35年ローンを利用する際には、よく検討しなければなりません。
3,500万の物件を15年ローンで借りた場合と、35年ローンで借りた場合を絡めて、長期返済と短期返済のメリット・デメリットについて解説していきます。金利は三菱UFJ銀行の変動金利2.475%から1.85%の金利優遇が適用された、0.625%で算出します。
*2019年5月現在。借入希望者の内容によって、金利は変わることがあります。
長期返済(35年ローン)の場合のシミュレーション
- 92,801円/月額
- 返済総額:38,976,658円
- 利息:3,976,658円
長期返済のメリット
月の返済額が少ない
15年ローンと比べると、半分以下の返済で済みます。その分、生活費を他の部分に回すことができます。
より条件の良い物件を購入できる
返済比率により限度はありますが、単純計算で月の返済を2倍で考えると、7,000万までの融資を受けることが可能となります。
長期返済のデメリット
短期返済(15年ローン)と比べると、約230万多く返済することになります。
短期返済(15年ローン)の場合のシミュレーション
- 203,752円/月額
- 返済総額:36,675,363円
- 利息:1,675,363円
短期返済のメリット
返済総額が少ない
上記の通り、長期返済に比べて借入期間が短い分、利息の支払いが少なく返済総額が約230万少なくなります。
早期に物件を資産化できる
返済中の物件は、本当の意味で資産とは呼べません。しかし、ローンを完済してしまえば立派な不動産資産となり、さまざまな方法で活用し収益化することができます。関連記事は以下↓をご覧ください。
短期返済のデメリット
月の返済額が長期返済に比べると多いので、余裕のある返済計画を組んでおかないと、生活に余裕がなくなってしまいます。
とはいえ短期で完済できるので、最終的にメリットにつながります。ですからデメリットなのかと言われたらちょっと違うのかなとは思いますが。
まとめ
長期返済と短期返済の場合のシミュレーションと、それぞれのメリットとデメリットを解説してきましたが、どちらが良くてどちらが悪いという単純な話ではありません。
長く組んだローンを、繰り上げ返済を利用して短期で返済することはできますが、短期で組んだローンを伸ばすことは原則できません(*金融機関に相談することで可能)。
そのため柔軟に返済計画を考えるため、短期で完済するつもりでもひとまず長期でローンを組んでおくという選択肢もあるからです。
危険なのは、より条件の良い物件を購入しようと、目の前の返済額だけで判断してしまい、何の考えもなしに35年ローンを組んでしまうことです。
住宅ローンは、住宅購入をする人のほとんどが利用します。しかし、借金であることに違いはありません。人生において、借金が少なければ少ないほどよいということに異論をはさむ人はいないでしょう。
1億の豪邸を9,000万ローンで買った人より、2,000万の完済済み物件を一つ持っている人の方が、資産を持っているといえるのです。
住宅ローンのしくみを学びましょう
発売して約1年です。住宅ローンのしくみを理解して、主体的に利用していきましょう。