分譲されたばかりの新築マンションを募集することになりまして、どのくらいの賃料で貸し出したらいいのかを査定し、オーナーさまにご提案しました。
その際、どのように賃料査定を行ったかを書いていきます。非常に簡単で、インターネットが使えれば誰でもできるので、ぜひこの機会に覚えて、機会があればどんどん自身で賃料査定してみてください。
「投資用マンションなんて持ってもないし、買う予定もない」
かもしれませんが、「既にマンションを所有している」 or 「これから購入予定」の場合にも有効ですよ。将来、貸すときになったとき、どれだけの賃料で貸せるかを知っておくことは非常に有意義ですから。
たまにはこうした専門家的な記事も書かなければ、なにをやっている人間なのかを忘れられてしまいます。麻婆豆腐の記事を書いてばかりいてはいけませんからね。
同一マンションで募集物件があるか確認
まずは募集するマンション内で、現在募集中の物件があるのかを確認します。新築の分譲賃貸であれば、まず間違いなく同一マンション内での募集物件が多数見つけられるはずです。
検索してみると、予想通りたくさん(?)出てきました。我々のような不動産業者は、レインズで募集中の物件を検索しますが、誰でも見られるポータルサイトで探しても問題ありません。
物件その①
物件その②
物件その③
物件その④
物件その⑤
物件その⑥
物件その⑦
図面がどれも代わり映えありませんが、すべて別のお部屋でオーナーさんもそれぞれ別人です。分譲会社の子会社である管理会社がそのまま募集をしているようです。
坪単価を算出
賃料を坪単価で割ると1坪あたりの単価が出てくるので、すべての部屋の坪単価を算出します。結果、
17,000~18,000円/月額
計算するとざっくりこの辺りの単価で賃料設定されています。どこで差が出ているかは、所在階だとか室内の広さが影響しています。
ちなみに今回募集するお部屋の広さは約7.78坪の5階です。単価を18,000円とすると・・・
140,040円
となります。
14万前後ですが、他の部屋を見てみると、13万台のお部屋は低層階となっています。
と考え、その後はもう完全に感覚ですが、144,000円はどうだろう?と予測を立てます。
そして144,000円を部屋の広さ(約7.78坪)で割って坪単価を算出してみると、
18,508円/坪
となります。
この辺の単価だと、部屋によってはそのくらい付けているところもあります。
と思い、オーナーに提案したところ、この賃料でひとまず募集することに決まりました。
他の部屋に先んじて成約するためには?
今回は他のお部屋の条件に揃えて募集に出すことにしました。しかし、他物件よりも賃料を低めに設定すれば、他の部屋にさきがえて成約させることが可能です。
例えば低層階の部屋は13万台でしたが、5階の部屋を13万台で出せばお得感が出て、低層階よりも早く成約に至る確率が大きくなります。
いま出している賃料で決まる保証はありません。他の部屋と比べて少し割安になってしまうかもしれませんが、賃料にすると数千円です。少しでも高く貸したい気持ちは理解できますが、場合によっては競合があるうちに割安感を出して、さっさと決めてしまうというのも一つの戦略です。
注意点
今回は既に募集されている同マンションの賃料を参考にしました。最初に賃料設定された物件を目安にして、後に続く物件は値付けされていくことになります。こうしてこのマンションの相場は作られていきます。
最初に賃料設定された物件はなにを参考にして値付けしたかというと、現在募集されている近隣の類似物件の条件を参考にしています。
万が一、そこの査定が間違っていると、あとに続く他の部屋全体に影響が出てしまうので注意が必要です。念のため、周辺の類似物件も確認してみました。同地域の多物件と比較すると新築なのでやはり割高感はありますが許容範囲内かなと。
ぼんやりした物言いになってしまいますが、こればかりは実際に募集をしてみないと分からない部分です。安くすればそりゃ早々に決まるかもしれませんが、他の部屋と比べて大きく安くしてしまうのも問題ですからね。
決まるから決まらないかの微妙な、ギリギリのラインを狙うのが難しいところでもあるし、楽しいところでもあります。
ですから募集に出してすぐに決まってしまうと、オーナーさまには感謝はされますが、
と思ってしまったりします。
個人的にもっとも満足感が高いのは、募集に出して1ヵ月半くらいで決まった時に
とひとり悦に入って喜んでいます。ま、完全に自己満足の世界ですが。早く決まる越したことはありませんよ。