「フェルマーの最終定理(著:サイモンシン)」を読んで学んだ圧倒的な実績作りの重要性

 

数学に対する認識が180度転換される良書

サイエンスライターのサイモンシンが、350年間解決できなかった世紀の難問、

「フェルマーの最終定理」

に挑んでは砕け散って来た多くの数学者や、解決した人の苦悩を、数学のさまざまなトピックを交えながらドラマ仕立てで描いた傑作です。

数学嫌いの私が、なぜこの本を手に取ったかは覚えていないのですが、数学に対する認識が180度ガラッと変えられ、いままで知ることがなかった人類の英知に出会うきっかけをくれた素晴らしい一冊です。

フェルマーの最終定理とは?

「フェルマーの最終定理」は、350年前のアマチュア数学者だった、フェルマーが証明した一つの定理(公式)です。

フェルマーの死後に見つかったノートの端に書かれていたことが、世紀の難問の発端でした。

「この公式を証明しました。が、ノートにその証明を書くスペースがないから、省略します」

と。たったこれだけなのに、世の数学者たちは大騒ぎ。普通に考えたら、

「証明もないのに証明したって言われても・・・」

っとなってもよいのに、みな、フェルマーの残した公式が本当に証明できるものだと信じ切りました。現に証明されたわけですが。

プロをもしのぐ圧倒的な実績を持っていた

なぜ揃いも揃って、フェルマーの言ったことを信じてしまったのかというと、それはフェルマーはプロではなくアマチュアの数学者でしたが、当時プロをもしのぐ圧倒的な実績を持っていたからです。

趣味で数学をやっていたフェルマーは、たまにプロの数学者に、

「私はこんな定理・公式見つけました。あなたはそれを証明できますか?」

と、面白おかしく挑発する手紙を送りつけていたそうです。

フェルマーの提示した質問に挑むプロの数学者達でしたが、一向に解けません。

問題を出したフェルマーが、証明できていなければ、ただの口先だけの男ですが、しばらくすると、

「解けなかったようですね。正解を送ります」

と回答が送りつけられ、それがことごとく正解していました。

このようなことを繰り返していたため、アマチュアにもかかわらずフェルマーの数学界での悪評はすさまじかったようですが、圧倒的な実力も認められていきました。

そんなフェルマーが証明した定理なのだから、証明が書かれていなかった書き残した公式も、

「きっと本当に存在するに違いない!」

と信じられ、350年間、何人もの数学者がその未解決の難問の解決に挑み、砕け散ってきました。きっとフェルマーにとんでもない実績があったからこそでしょうが凄すぎます。

圧倒的な実績が信頼の証

この本で学んだこと、それは

「圧倒的な実績が信頼の証」

ということです。積み重ねてきた実績があるからこそ、その人の一挙手一投足に重みが生じるのです。

  • やりたい仕事をやらせてもらえない
  • やりたい仕事はこんなことじゃない!

と、働き方や仕事に対する取り組み方で悩む人は多くいますが、まずは自分に与えられた仕事、職場、領域で、圧倒的な実力、実績を積みかさねることが、自分の本来やりたい仕事にたどりつくための最短距離なのではないでしょうか。

まとめ

実績がなかったがために、思うような仕事をすることが出来なかった時期が、私にもあります。自分のやりたい仕事、働き方、お客さんに対する接し方。色々理想は持っていましたが、叶わずもやもやし、ふてくされて仕事をしていた時代がありました。

しかし、今になって思うと、たいした実績もないのに、理想の仕事なんてできっこないし、任せられもしません。

いまも理想と現実のギャップで悩むことはありますが、それは自分の理想を実現するために、圧倒的な実力と実績を積むために努力の過程だと思うようにしていますし、当時かかげる理想と、今の理想はレベルが違います。

自分の理想を設定し、現実とのギャップを埋めるために実績を積み上げていくことが、成長につながるはずです。

あたりまえのことだけど、忘れがちな大切なことを、天才数学者たちの苦闘の歴史を通して実感できる必読の書です。

 

この本を読む前に、予行練習・肩慣らしで1,2冊目を読んでみてください。面白い!と思えたら、きっと大満足できる本です、フェルマーの最終定理。

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