『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』読了した

先日書いたユニクロ関連の記事が、

ブログ記事を扱うサイト、

 

All About News

 

に転載された。

タイトルは書き換えられるのだが、

 

“ブラック企業”ユニクロ柳井さんの揺るがぬ信念と、野心を持たないボクの反論

 

さすが洗練された秀逸なものになっていた。

 

それに気をよくしたので、

2匹目のどじょうを狙って、

今回もボクの著書の内容と、

ユニクロ話を絡めた内容を書いていきたいと思う。

 

先日、

【 私たち「ユニクロ154番店」で働いていました 】

という本を読み終わった。

著者はボクと同い年の1976年生まれ。

就職氷河期を乗り越えて就職・・・という流れは共通しているがそこだけだ。

著者は一橋大学卒業と、

ボクの学歴では彼の足元にも及ばない。

 

そんな著者が新卒で入った会社は、

フリースブームが到来する前のファーストリテイリング。

わずか7か月で耐えきれず辞めてしまったため、

会社に対しての愛着は全くなく、

基本、うらみつらみが多い。


ただ、わずかの間、

勤務していた町田店(154番目に出来たお店ということらしい)での日々は、

著者にとっては素晴らしいものだったらしく、

仕事は忙しかったが、

人間関係も良く、

辞めることが決まった後でも、

なんの用もないのに事務所に顔を出したりしていたらしい。

それほど居心地の良いところだったようだ。

 

本の内容は、

そんな著者が、

当時の町田店で一緒に働いていた元・従業員を訪ね歩き、

インタビューを行い、

ユニクロでの働き方や、

過酷な労働環境について書かれた、

良い意味での「ユニクロ暴露本」だ。

 

著者自身、ユニクロでの過酷な労働に耐えられず辞めたしまったので、

基本的にユニクロの体制については辛らつだ。

以下抜粋すると、

 

「売れることだけがユニクロにおける唯一の正解」

「きれいごとを言っているが店全体から感じるコンセプトは、

『売れるものをたくさん売りたい、儲けたい』だ」

「キャリアに応じない人事」

「基本的に上層部からの一方的なトップダウン」

 

著者はそんな感じなのだが、

インタビューを受ける元従業員からは、

著者のような辛らつな意見はあまり聞こえてこない。

 

「楽しかった!」

「大企業の看板を使って月商数千万円にもなる店舗を、

自分たちで運営する経験なんて、普通はできないでしょ?」

「良い経験だった」

 

と、著者ほどユニクロに対して、

悪い印象を抱いている人は少ない。

 

著者の持論は、

 

「ユニクロ=労働状況が劣悪なひどい会社」

 

なんだろうが、

そうした自分の意見をごり押ししたりせず、

元同僚からユニクロの良い面、

悪い面を聞きだし、

客観的な文章にしているところに好感が持てる。

良い意味での暴露本と書いたのはそこが要因だ。

 

「あそこの会社はこんなにひどい会社なんだぜ~」

 

と耐え切れず辞めた人間が糾弾することほど、

かっこ悪いことはない。

ボクの本のタイトルではないが、

それこそ「負け犬」の遠吠えだ。

著者も、人によっては色々と学べる環境だということが、

分かっているのではないか。

 

本の中で、

今もユニクロでバリバリと働く社員が

 

「頑張れる人だけ頑張れば良い」

「頑張れない人はさっさと辞めるべき」

 

と語っているが、

それについてはボクも賛成だ。

 

ボクの本でも書いているが、

何も学べないと思う会社で居続ける必要はないし、

心身を壊してまで頑張って働く価値のある会社はない!

と思っているからだ。

元気があるからこそ頑張れるのだから、

頑張る元気がなくなってまで働くのは本末転倒だ。

 

本のなかで著者は

 

「やる気が空回ってしまうダメ社員でも、

一定の居場所が与えられるべきだと思う。

それが出来ない会社は、

どんなに利益を上げていても、

人間の組織としての資格がない」

 

たぶん、これが著者の心の叫びなんだろうけど、

会社員と経営者、

両方を経験しているボクにとっては、

全面的に賛成しかねる。

 

会社員としてはそう考えてくれる会社があることはありがたいだろう。

しかし日本の8割から9割を占めるのは中小零細企業だ。

そんな企業の経営者としては、

なんらかの結果も出してくれない社員を雇い続けるだけの余裕なんて、

持ち合わせていないはずだ。

そう考えると、ボクの会社も十分ブラック企業なのかもな。

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