その1.「物件を探す前に予算を決める」と知っておく
予算を決めずに探し出す人はいないように思えますが、実は結構います。
正確に言うと、決めたつもりになっていますが、それはあいまいな情報をもとに考えられた予算であって、本来の意味での予算とはいえない、ということです。
例えば、自宅のポストに入ってくる物件チラシには、返済ケースが記載されていることがありますが、その情報を鵜呑みにしてしまっている場合。
また、銀行のホームページにあるローンシミュレーターで、現在支払っている家賃並みの返済額をサクッと算出した場合などがそれにあたります。
このようなあいまいな情報を鵜呑みにして物件探しをスタートしてしまうと、いざ購入したい物件が見つかり、融資の審査をしてみたら、そもそも借りることができる条件ではなく、物件探しに費やした時間が全て無駄になってしまいます。
ですから物件を探し始める前に、時間をかけて正確な予算を決めておかなければなりません。
その2.「借りることができる金額が『予算』ではない」と知っておく
予算を決める際には、金融機関の設定する融資条件である「返済比率」に収まるかどうかを試算しなければなりません。
返済比率とは
「年収に占める年間総支払総額の割合」
をいいます。金融機関によって、設定されている返済比率は若干異なりますが、35~40%を上限としていることが多いです。
理論上は、返済比率の上限までであれば、その範囲内の融資は可能だということです。しかし収まっているから、その額が予算かというと、そうではありません。
クレジットカードの借入限度額と同じで、ただ借入可能な枠を持っているということに過ぎません。
その3.「住宅購入に全力を出すべきではない」と知っておく
物件購入、特にマイホーム購入となると、みなさん前のめりになってしまいます。その時点で購入できるベストな物件に、惜しげもなく資金を投下してしまいます。
恐らく
「一生に一度のお買い物」
という意識が、
よりベストなものを!より資産価値の高いものを!!
と、物件に求めるレベルがどんどん上がっていってしまうのです。当初決めた予算も、平気でオーバーしてしまいます。
10年程度で返済する予定で購入するのなら問題ないでしょう。しかし、35年ローンを組んで初めて成り立つ資金計画の下で購入する場合、いくら資産価値が高くとも、本当の意味で「資産」となるのは、35年後です。
35年後にようやく「資産」となる不動産を、全力で購入するより、10年程度でサクッと返済できるちょっと難アリ(*古い、変形地形など)の手ごろな物件を購入することをおススメします。
「不動産は一生に一度のお買い物」
との固定観念を捨て去ってしまえば、そのような買い方も検討できるでしょう。
まとめ
まずは予算を決めること。それも返済比率に基づいた正確な予算をです。そして借り入れ可能額が予算ではないということを、しっかりと理解しましょう。
ここまでして、初めて物件探しがスタートします。何事も準備が大切です。この段階を飛ばして物件探しを始めることは、なんの準備もせずキャンプに出掛けるようなものです。
知っておきましょう。