住宅ローン利用時の決済は、融資を受ける金融機関の最寄りの支店で行うことがほとんどです。仲介業者や登記を担当する司法書士は慣れてますが、買い手・売り手双方にとっては初めてのことで戸惑うかもしれません。なんてことはないのですが、決済当日の流れは以下の通りです。
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その他、「不動産売買の決済とは?」という記事でも決済について解説しておりますので、よろしかったらご覧ください。
売主の本人確認(書類の確認)
売主持参の登記識別情報(*権利証)、印鑑証明書、写真付きの身分証明書、評価証明書(*通常、仲介業者が準備)などを回収し、
「売主が今回売却する物件の所有者である」
ことの確認を司法書士が行います。確認を怠り、取引には全く関係ない、第三者の不動産の所有権を移転したとあっては、司法書士の責任となってしまいます。細心の注意で行われます。万が一書類に不備があったとしたら(*例え忘れ物だとしても)、書類が揃わない限り先には進めません。
司法書士の委任状に買主の署名・捺印
買主に代わって司法書士が所有権移転登記を行います。司法書士には
「売主から買主への所有権移転登記手続きを行う」
旨の代理権を与えなければなりません。所有権移転登記に伴う委任状に、売主・買主が署名・押印を行います。
振込伝票などの記入
本人確認と委任状への署名・捺印が済めば、買主は支払明細に基づき、振込伝票や支払伝票への記入を行います。通常、買主側の仲介業者がサポートします。支払伝票には、買主の口座届け出印の押印が必要です。
融資実行
振込伝票、支払伝票が用意できれば、いよいよ融資実行となります。伝票と併せて、買主の通帳と身分証明書を添えて、融資担当者へ渡します。振り込みが完了するまで早ければ10分、20分。金融機関が混んでいると、1時間2時間かかることもあります。
支払い、着金確認
振込みが完了すると、振込伝票の写しと、支払伝票に基づいた現金が運ばれてきます。売主の口座へ着金したのを確認できれば、売主は物件のカギを渡し売買代金の領収書を発行します。また、買主は支払い伝票に基づいて出金された現金で支払い(*仲介手数料や登記費用)を済ませ、取引完了となります。
まとめ
住宅ローン利用時の決済当日の流れについての記事でしたが、いかがだったでしょうか?
終わってみるとなんてことないただの流れ作業にすぎません。しかし、不動産売買のクライマックスであり、事前準備や段取りでスムーズにすすむケースもあれば、ドタバタで終わるケースもあります。
後になって、
「結局最後みんなで集まったのはなんだったんだ?」
と、ことの重要性を認識していなかったとしても、なんら影響はありませんが、最後の最後ですからできれば思い出の残るものにしておきたいですよね。
そのためにも、予め決済当日の流れをざっくりでも知っておくことはよいのではないでしょうか。