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事務手数料(じむてすうりょう)~住宅ローン利用時~

事務手数料とは?

金融機関から融資を受ける際に、金融機関に支払う手数料です。

都市銀行などの事務手数料は3万円+税ですが、ネット系の金融機関では、高額な保証料がない代わりに、事務手数料が高額となります。金融機関によって率は異なりますが、

「融資金額の〇%」

と定めているところがほとんどです。

保証料と比較

例:3,000万を25年で借りる場合/事務手数料2%

  • 保証料:517,620円
  • 事務手数料:600,000円

以下記事に保証料の表がありますので、ご確認ください。

保証料(ほしょうりょう)~住宅ローン利用時における~

融資代行手数料ではありません

「融資代行手数料」や「融資あっせん手数料」という名目で、費用を取ろうとする不動産仲介業者があります。金融機関に支払う事務手数料とは別物です。融資関連で不動産仲介業者に支払う費用は本来はありませんので、勘違いしないようにしてください。

まとめ

保証料無料を売りにする金融機関は多いですが、借入年数や事務手数料の利率によっては逆に高くつく場合もあります。また、事務手数料は金融機関に支払うもので、不動産仲介業者に支払う報酬は、原則仲介手数料のみです。十分注意が必要です。

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不動産売却の流れ

不動産を売却しようとしたら、以下の順番で進んでいきます。

  1. 査定
  2. 媒介契約
  3. 販売活動
  4. 条件交渉
  5. 売買契約
  6. (*住宅ローン利用中なら)金融機関に一括返済の申し出
  7. 決済

査定

まず最初に査定を受けてください。自分の不動産がどのくらいで売れるのかを把握しておく必要があります。以下に査定に関する記事をまとめてあります。査定を受ける前には必ず読んでおきましょう。

ポイントは・・・

  • 一括査定はお勧めしない
  • 不動産の売却査定は、車の買取査定や引っ越し業者の見積もり査定とは別物
  • ↑だから高く査定されたとしても喜ばない

ということです。査定で最も重要なことは、正確な査定金額を把握することです。正確な査定金額というのは、3か月以内に7割8割の確率で売却できる金額のことです。

この金額を把握することが出来、販売期間に時間をかけられるのであれば、

「最初は少し高めに出して様子をみる。売れればラッキー」

という戦略を取ることができます。

不動産の売却査定に関する記事~まとめ~

媒介契約

査定を受けた不動産会社の中から、実際に販売を依頼する不動産会社を選び媒介契約を結びます。

媒介契約とは?

媒介契約を交わすときには、媒介契約書に署名・捺印をします。仰々しく「契約書」とありますが、売却の依頼申し込みという認識で問題ありません。契約期間の記載もありますが、期間中でも契約を破棄することも可能です。

媒介契約書とは?

媒介契約の期間

媒介契約の解除

媒介契約には

という3種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、以下の記事をご覧になって、最適なものを選ぶようにしてください。

媒介契約の種類とその説明

専属専任媒介・専任媒介・一般媒介契約のまとめ

専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?

また、査定にも言えることですが、不動産会社の規模で選ばないようにすることです。

不動産会社の規模で依頼先を決めてはいけません

大手であれば間違いないと考えるかもしれませんが、必ずしも実力のある担当者かどうかは分かりません。かといって規模の小さい不動産会社がいいのかといったら、それもそうとはいえません。あくまでも売却業務を実行してくれる担当者をベースに考えましょう。

販売活動

媒介契約を結んだら、次は実際に販売をしていくことになります。既にお住まいでなければ問題はないですが、売却の場合、賃貸と違って居住中でも内見をしてもらいます。どんなに良い物件だったとしても、内見してもらわないことには成約に至りません。内見希望があれば、予定が合う限り積極的に内見に協力するようにしてください。

Q 不動産会社に売却を依頼後、売主が出来ることは何かありますか?

Q 売主が売却中にやってはいけないことはなんですか?

条件交渉

内見の結果、買い手に購入の意思があれば、購入申込書を出してもらいます。条件交渉など、ないに越したことはないですが、金額含め交渉が入ってくることが大半です。販売活動を開始して1週間後で入ってきた交渉と、半年販売した結果の交渉とでは全く違います。

金額だけが交渉ではないですが、多くの人の関心は金額です。では、入って来た金額交渉に応じるか否かの判断はどうつけたらいいでしょう?

その答えは、査定の段階で正確な査定金額を把握しているかどうかにかかっています。その金額が分かっていれば、入って来た条件交渉が良い金額なのかどうなのか?を判断することができます。

だから査定は重要なのです。

売却中に金額交渉があった場合の考え方

売買契約

売買金額含め引き渡し日の条件などがまとまれば、実際に不動産会社で契約を行います。通常は売却の依頼を受けた不動産会社の事務所で、売り手・買い手・仲介業者が集まって、重要事項説明書、契約書の読み合わせを行います。

その後、署名捺印し、手付金を受け取って領収書を発行し売買契約は終了となります。

(*住宅ローン利用中なら)金融機関に一括返済の申し出

住宅ローンを利用中ならば、引き渡し日に全額返済する旨を、金融機関に連絡します。金融機関によっては、手続き時に時間がかかることもあります。引き渡し日(決済日)が確定したらすぐに金融機関に連絡をしておきましょう。

また、確定していなくとも、何日前までに連絡をすれば良いのかを、予め確認しておくとよいでしょう。

決済

引き渡し日、決済日ともいいます。買い手が住宅ローンなど、ローンを利用する際には、通常融資を受ける金融機関の支店で行います。

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

住宅ローン利用時の決済について

所有権移転登記に必要な書類を司法書士に手渡し、残代金を受け取り領収書とすべてのカギを買い手に発行し、終了です。基本的にこの時をもって今まで自分のものだった不動産は、他人のものとなり、当然のことながら自由に出入りすることはできません。荷物などは前日までにすべて搬出しておかなければなりません。

以上、不動産売却の流れでした。

物件の申し込みの順番について

賃貸、売買に関係なく、気に入った物件があれば申し込みをします。その申し込みの順番ですが、誰よりも最初に申し込みを入れた1番手だから、必ず借りられる、または買えるかといったらそうではありません。あくまでも優先交渉権がある、ということです。

例えばAさんが条件交渉ありの申し込みを入れて1番手となりました。しかし同じタイミングで内見していたBさんは条件交渉なしの申し込みを2番手で入れてきました。オーナーにとってAさんよりも条件の良いBさんからも申し込みが入ってきているのに、Aさんと必ず契約しないといけないのか?といったら、そうではありません。

この場合、Aさんには1番手として優先交渉権があるので、Bさんから条件交渉なしの申し込みが入ってきている旨を、オーナーもしくは仲介業者から伝えられます。

「2番手(Bさん)から条件なしの申し込みが入ってきてますが、どうしますか?」

と。

これを聞いて、AさんがBさんと同じ条件まで上げてくれば、(*絶対ではないですが)Aさんが優先されます。しかし上げてこなければBさんの順番が繰り上がります。

以下はよくある申し込みに関するあるあるです。

『何度も内見して、どうにも踏ん切りがつかなかったお客様Cさんがいました。迷った結果、条件交渉して申し込みをしました。

Cさん同様、以前から内見していて迷っていたDさんがいました。自分が検討していたお気に入りの物件に、1番手の申し込みが入ったと知ったDさんは、あわてて申し込みを入れることにしました。しかし、1番手の申し込みをひっくり返すには、Dさんは条件なしの申し込みを入れるしかありません。

Cさんも1番手でいるためにはDさんと同条件まで上げる必要が出てきました』

Cさん、Dさん、結局どちらが契約まで進むかは分かりません。しかし、他に申し込みが入ってきていない状態であれば交渉が出来たかもしれないのに、申し込みが入ってきてしまったがために交渉ができなくなってしまいました。

迷うのはよく分かりますが、決断の時はバシッ!と判断することが、申し込みを入れる側にとっては良い結果になることが多いですよ、という教訓でもあります。

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

住宅ローン利用時の決済は、融資を受ける金融機関の最寄りの支店で行うことがほとんどです。仲介業者や登記を担当する司法書士は慣れてますが、買い手・売り手双方にとっては初めてのことで戸惑うかもしれません。なんてことはないのですが、決済当日の流れは以下の通りです。

【関連記事】

住宅ローン利用時の決済について

 

売主の本人確認(書類の確認)

売主持参の登記識別情報(*権利証)、印鑑証明書、写真付きの身分証明書、評価証明書(*通常、仲介業者が準備)などを回収し、

「売主が今回売却する物件の所有者である」

ことの確認を司法書士が行います。確認を怠り、取引には全く関係ない、第三者の不動産の所有権を移転したとあっては、司法書士の責任となってしまいます。細心の注意で行われます。万が一書類に不備があったとしたら(*例え忘れ物だとしても)、書類が揃わない限り先には進めません。

司法書士の委任状に買主の署名・捺印

買主に代わって司法書士が所有権移転登記を行います。司法書士には

「売主から買主への所有権移転登記手続きを行う」

旨の代理権を与えなければなりません。所有権移転登記に伴う委任状に、売主・買主が署名・押印を行います。

振込伝票などの記入

本人確認と委任状への署名・捺印が済めば、買主は支払明細に基づき、振込伝票や支払伝票への記入を行います。通常、買主側の仲介業者がサポートします。支払伝票には、買主の口座届け出印の押印が必要です。

融資実行

振込伝票、支払伝票が用意できれば、いよいよ融資実行となります。伝票と併せて、買主の通帳と身分証明書を添えて、融資担当者へ渡します。振り込みが完了するまで早ければ10分、20分。金融機関が混んでいると、1時間2時間かかることもあります。

支払い、着金確認

振込みが完了すると、振込伝票の写しと、支払伝票に基づいた現金が運ばれてきます。売主の口座へ着金したのを確認できれば、売主は物件のカギを渡し売買代金の領収書を発行します。また、買主は支払い伝票に基づいて出金された現金で支払い(*仲介手数料や登記費用)を済ませ、取引完了となります。

まとめ

住宅ローン利用時の決済当日の流れについての記事でしたが、いかがだったでしょうか?終わってみるとなんてことないただの流れ作業にすぎません。しかし、不動産売買のクライマックスであり、事前準備や段取りでスムーズにすすむケースもあれば、ドタバタで終わるケースもあります。

後になって、

「結局最後みんなで集まったのはなんだったんだ?」

と、ことの重要性を認識していなかったとしても、なんら影響はありませんが、最後の最後ですからできれば思い出の残るものにしておきたいですよね。そのためにも、予め決済当日の流れをざっくりでも知っておくことはよいのではないでしょうか。

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住宅ローン利用時の決済について

金消契約が終われば、次はいよいよ融資実行日、つまり不動産の決済日(引き渡し日)です。不動産売買的には

  • 引き渡し日
  • 決済
  • 本契約

は全て同じ意味です。

【関連記事】

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

 

決済とは何をする日か?

決済とは

  • 残代金の支払い
  • 仲介手数料など諸経費の支払い
  • 所有権移転登記に必要な書類への署名・押印
  • 固定資産税精算
  • (マンションであれば)管理費・修繕積立金の精算
  • 鍵の引き渡し

を行います。実際に何千万もの現金を目にすることはないですが、不動産売買のクライマックスです。

売主の持ち物

  • 印鑑証明書
  • 登記識別情報(*昔でいう権利証)
  • 身分証明書
  • 振込先の分かるもの

上記が基本的な持ち物で、その他物件の種別(マンション、土地、戸建て)によって、引き渡すものや書類が増えます。

買主の持ち物

  • 認印(実印でなくても可)
  • 通帳
  • 通帳印
  • 身分証明書

出席者は?

  • 売主
  • 買主
  • 仲介業者
  • 金融機関の融資担当者
  • 司法書士

決済場所は?

融資を受ける金融機関です。通常は最寄りの支店で行うことが多いです。

何時から?所要時間はどのくらい?

金融機関営業日である平日の、遅くとも13時までに行うことがほとんどです。所要時間は平均して1時間前後見ておけば問題ありませんが、5日と10日、25日など「5」や「10」などが付くいわゆる「ゴトー日(*含む15日、25日など)」は金融機関が混雑するため、手続き完了までにかなり時間がかかることもあります。月末や年末、年度末は出来るだけ避けましょう。

決済の注意点

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売主・買主含めて、スケジュール調整が重要です。仕事などの調整をつけ、全員がその日のために日程を合わせます。

しかし、これだけ調整したところで、売主・買主に何か一つでも忘れ物があると、その場で決済はできず、全員の予定を再調整の上、仕切り直しとなってしまいます。

まとめ

住宅ローン利用時の決済についてまとめた記事でしたが、いかがだったでしょうか?新人の頃、最も理解できなかったのが決済のお金の流れです。

「売主が支払うお金」「買主が支払うお金」を互いに相殺したり、残代金の一部を諸経費にあてたりするので、お金の流れが分かりづらかったのです。冷静になって考えればなんてことないのですが、不動産取引のクライマックスということもあり、舞い上がってしまうのも理由の一つです。

不慣れな新人とはいえ、日常的に決済を行う仲介業者もこんな感じなので、当日(*事前に説明することも)お金の流れを説明されて即座に理解できる人はあまりいないと思います。

実際、払うお金が増えたり減ったりするミスを犯すことはないので、理解できなかったとしてもなんら問題はないのですが、分かりづらいのは確かです。なんとも気持ち悪いと感じるようなら、決済当日ではなく、事前に解説してもらうようにしましょう。

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住宅ローンの本審査に落ちたらどうなる?

売買契約後、融資の本審査(*=本申し込み)を行います。事前審査を行ったうえで契約締結しているわけですから、通常であれば問題なく通ります。

しかし、事前審査に通れば100%本審査が通るのかといえば、決してそうではありません。少ない可能性ですが、否決になってしまう可能性もあります。万が一、否決になってしまった場合、売買契約はどうなってしまうのでしょうか?今回はそんな誰もが避けた事態についての解説です。

 

本審査が落ちる理由は?

事前審査が通っているにも関わらず、本審査で落ちてしまうのはイレギュラーなケースです。落ちる理由として

主なものとして上記2点が考えられます。住宅ローンを利用するためには、団体信用生命保険加入が条件となります(*フラット35は任意)。「生命保険」とある通り、基本は保険です。申し込むにあたり、現在の健康状態や過去の病歴、手術歴、既往症、継続的に服用している薬など、告知を行わなければなりません。それが原因で落ちてしまう場合。

もう一つは、事前審査通過にすっかり安心してしまい、新規に借り入れをしてしまった場合などです。

売買契約は白紙解約が一般的

「融資が万が一否決となった場合、その契約は白紙解約となる」

といった内容の特約が、通常の売買契約には付いています。これを

「ローン特約」

と言います。白紙解約なので、文字通り契約自体そもそもなかったとみなされます。支払っていた手付金や、仲介業者に支払い済みの仲介手数料は返金され、ペナルティもありません。売り手にとってはたまったものじゃないですが、契約に費やした時間と労力はさておき、買い手に物理的ダメージはありません。

不動産の売買契約時には、売買契約書と重要事項説明書、二つの重要書類がありますが、その両方にローン特約についての記載があります。契約書の裏面には、細かい約款で条項が書かれていますが、両書面ともに、ローンが出なかった場合の措置については、表面の見逃すはずがない箇所に記載があります。

ローン特約に期限がある理由

しかし、いつまでもローン特約による白紙解約が認められているわけではありません。例えば引き渡し予定日(*=決済)前日に、

「ローンが出ないから白紙解約したい」

と言われても、引き渡すつもりでいた準備していた売り手にとって、

「はいそうですか」

と言えるはずありません。当然、ローン特約が適用される日程の期限があります。ローン特約による白紙解約が認められるのは、

決められた期日までにローンが否決された場合のみ

です。決められた期限にローン可否を取ることができなければ、ローン特約による白紙解約は認められず、買い手都合の解除とみなされ、一転、違約解除とされペナルティも発生してしまいます。

まとめ

「住宅ローンの本審査に落ちたらどうなる?」

について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

  • 事前審査に通っていれば基本は本審査も通る
  • ローン特約があるので万が一否決されてもダメージはない
  • ローン特約による白紙解除が認められる期限がある

万が一のためのローン特約ですから、万が一の時にもちゃんと適用されるよう、契約締結後には早々に金融機関の本申し込み手続きは行っておくことをお勧めします。

住宅ローンのしくみが分かります!

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住宅ローンの本審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査(*住宅ローンの事前審査とは?
  2. 本審査

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は事前審査後に行う本審査について解説していきます。

 

住宅ローンの本審査とは?

事前審査が通過し、無事売買契約が済めば、次は融資の本申込みです。通常、契約から決済までは、売主・買主の引き渡し希望日に特殊な事情がなければ、1か月から長くても1か月半となることが通常です。

1か月もあるので、時間があるように思えますが、意外にそうではありません。印鑑証明書や課税証明書など、行政で取得しなければならない書類があり、融資承認を取らなければいけない期日もあります。いつまででもよいというわけではないのです。意外にのんびりしている暇はありません。

  1. 物件を内見
  2. 購入物件が決まり仲介業者を通して売主と条件交渉
  3. 事前審査
  4. 売買契約

と、バタバタしてきたでしょうから、ホッと一息付きたくなる気持ちは十分わかります。しかし、そのままの勢いで、一気に動いてさっさとローンの承認を取ってしまった方が、結果的に楽です。

本申込み時に必要な書類

融資本申込み時に必要な書類は次の通りです。下記は一般的なもので、借入希望者の内容によって、若干の差異はあります。

住民票や印鑑証明書は、金融機関とのお金を借りる契約である

金銭消費貸借契約

時にも必要となります。まとめて取ってしまえれば手間が一度で済んで楽なのですが、金銭消費貸借契約時には、通常新住所での住民票、印鑑証明書が必要です。ですから別々に取得しなければなりません。

事前審査の金額を減らしても大丈夫

5,000万融資希望の事前審査の内諾を取ったからといって、本審査の際、必ず5,000万の融資を申し込まなければならないわけではありません。返済計画が変わり、借入金を500万減らして、4,500万の融資で本申込みを行っても、内諾を取った5,000万の枠内であれば、減額する分にはなんら問題ありません。ところが、

「返済計画が狂ってしまって、追加であと300万追加して、5,300万で申し込みたい」

となると話は違ってきます。その際には、事前審査から改めて申し込みしなおさなくてはなりません。返済計画がまだ固まり切っていないのであれば、実際に借りる・借りないは別にして、希望融資額より少し多めに事前審査を通しておくのが良いでしょう。

まとめ

住宅ローンの本審査についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?基本的には事前審査を通しておけば、審査通過後に新規の借り入れを行うなどしなければ、そのまますんなり通るのが通常です。我々不動産会社も、事前審査が通るまでは、購入申込書を書いてもらっていても安心できませんが、事前審査が通過し、契約日が設定できれば、ひとまずは安心です。

ただ、健康状態などを聞かれる団体信用生命保険の内容によっては、否決になる可能性もあります。事前審査の段階では、借入希望者の健康状態までは把握しませんし、仲介業者もそこまで聞くことはありません。持病や、継続して服用している薬がある場合。また、大病の経験や直近の手術歴などがある場合は、十分ご注意ください。

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住宅ローンの事前審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査
  2. 本審査(*住宅ローンの本審査とは?

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は住宅ローンの事前審査について解説していきます。

 

事前審査とは?

事前審査は仮審査とも呼ばれています。

「住宅ローンを申し込んだ場合、融資可能かどうかを事前に審査する」

といった認識で概ねOKです。

仲介業者が審査に出す金融機関は、ほとんどが

  • 三菱東京UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行

などの大手メガバンクで、その他、お客様の内容によっては横浜銀行やりそな銀行などに事前審査を出します。事前の審査とはいえ、これら金融機関の審査精度は非常に高く、事前審査で通ったものが、本審査で否決になるということは、よほどのことがない限りありません。事前審査の結果が出てくるのも早く、遅くとも2,3営業日後です。

また、Aという物件の事前審査を通した人が、物件Bに変えて再度申し込む際には、最初からやりなおさなくてはいけません。一度通しているとはいえ、直接本審査(*本申し込み)をすることはできません。

事前審査は完全ではない

事前審査で通ったものが、本審査で一転否決されることは、基本的にはあまりないと上記で書きましたが、かといって100%本審査が通るというわけでもありません。

例えば、本審査時には本申込書と一緒に、団体信用生命保険「団信」への申込も行います。一種の生命保険ですから、自身の健康状態や手術歴の告知が必要です。告知事項によっては団信に入れないこともあります。団信加入が必須の金融機関としては、融資をするわけにはいかないため、結果として否決されてしまいます。

また、事前審査の段階ではなかった借り入れが、新規の借り入れ時に発覚した場合は、否決になることもあります。

事前審査時に必要な書類

事前審査時に必要な書類は次の通りです。

  1. 源泉徴収票
  2. 健康保険証の裏表コピー
  3. 免許証などの身分証明書
  4. 仮審査申込書
  5. 同意書

となります。その他、購入する物件の登記簿謄本や公図などの物件資料が必要となりますが、そうした資料は仲介業者が用意してくれます。

事前審査実施のタイミング

契約前に行うことが多いです。しかし、仲介業者や買い手の考え方によって見解は異なりますが、個人的には購入申込書(*買い付け)を出す際には、事前審査の承認を取っておくべきだと思います。

なぜかというと、住宅ローンを利用して購入する場合、審査が通るまでは本当に購入できる人かどうかは分かりません。契約後融資が通らなかった場合、契約締結までに費やした時間や労力は全て無駄になってしまいますし、言いかたを変えるとその間、売り手の物件は塩漬けにされてしまうのです。

そのような売り手側のリスクもあるので、以前は事前審査が通っていなくとも、契約の段取りは出来ることが多かったのですが、最近は審査を通してからでないと、契約日の設定や交渉さえしないところが増えました。

「金額交渉含め、契約の段取りは事前審査が通ってから」

がスタンダードになっています。

審査結果が否決された場合

審査結果が残念ながら否決となった場合、

「今回は総合的判断で」

という理由で断られます。なぜ否決になったかの理由は教えてくれません。仲介業者と融資担当者の関係性によっては、

「他に借り入れはありませんか?」

などと、ぼんやりと聞かされることはあります。他にも

「希望した5,000万は無理だけれど、4,000万なら・・・」

と、条件を変えて回答してくれるところもあり、金融機関によって回答方法は違います。

事前審査の出しすぎに注意

「どこかの金融機関にひっかかればいい」

など、審査が通りにくいと認識している人や、

「一番融資条件の良い金融機関を探しましょう」

など知識のない仲介業者の誤ったすすめなどによって、一度に複数の金融機関に審査を依頼する人がいますが注意が必要です。なぜなら事前審査時に金融機関は、借入希望者の個人信用情報を開示します。個人信用情報には

「金融機関が個人信用情報を開示した」

という履歴が残ります。以前ほどではないですが、個人信用情報の開示履歴がありすぎると、審査にマイナスに働く可能性があるからです。

まとめ

住宅ローンの事前審査についての解説でしたが、いかがだったでしょうか?事前審査は住宅ローンを利用する人は必ず行わなければなりません。契約前、事前審査に出して初めて、自分が融資を受けられるかどうかが分かります。するとそれまで物件探しに費やした時間や労力は全て無駄になってしまいます。

ですからまずは物件を探し始めた初期段階で、仮の物件で事前審査を出して、融資が出るのかどうかを確かめてみるのがいいでしょう。

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住宅ローン返済時の買い替えメリットとデメリット

住宅ローン返済時の買い替えとは?

様々なパターンの買い替えがありますが、ここで解説する買い替えは、

売却価格 < 残債

を想定しています。このケースの買い替えが、最も手続き的に煩雑で、仲介業者の力量が問われる難しい買い替えです。

住宅ローン返済時の買い替えメリット

どのような買い替えを行うかによって、メリットは異なります。以下の二通りが想定できます。まず一つ目。

安めの手ごろな不動産に買い替えることで・・・

  • 借入金の圧縮
  • 月の支払額が軽減

上記2点のメリットが想定できます。次に二つ目のケース。

家族が増えたり、手狭になった際に、今より広い物件に住み替えるケースです。

住宅ローン返済時の買い替えデメリット

デメリットしては、売却と購入、二つの取引を同時進行、同時完了させる必要があるため、単独取引と比べて引き渡し日など制限がかかります。また、購入と売却、どちらを先行させるかによっても異なります。

まとめ

「住宅ローン返済時の買い替えメリットとデメリット」

についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?今回は売却損が出た場合の買い替えでしたが、

売却価格 ≧ 残債

のケースもあります。売却することで残債は完済、もしくは売却益が出るので、取引の複雑さは今回解説した内容とは比べ物になりません。以下の図のようなイメージです。

売った不動産 → 購入した不動産

↑のように、直接移転にこだわらなければ、さらに簡単になります。

売った不動産 → 賃貸 → 購入した不動産

間に賃貸を挟むことで、じっくりと購入物件を探せたり、購入時期を検討することができます。もちろん、賃貸時にかかる家賃や引っ越し代などは、予め考えておかなければなりませんが。

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夫婦・親子で住宅ローンを組む場合

住宅ローンは通常、単独で借りることがほとんです。しかし、借りる人の年収や勤務先などの事情によって、単独で借りられない場合もあります。そのような場合、夫婦・親子連名、または収入合算という方法で、融資を受けることができます。

 

連名で融資を受けるとは?

各自が主債務者となり、それぞれが各共有持ち分に応じて別々に借りることをいいます。一般的にはペアローンと呼ぶことが多いようです。必然的に購入する不動産は共有名義となります。どちらがどれだけの融資を組むかは、持ち分に合わせる必要があります。

例えば5,000万の物件を2,500万ずつ融資を受けて購入する場合、

  • 夫・・・2,500万(持ち分2分の1)
  • 妻・・・2,500万(持ち分2分の1)

このようになります。図にすると以下のようなイメージです。

  • 夫・・・4,000万(持ち分2分の1)
  • 妻・・・1,000万(持ち分2分の1)

負担額と持ち分が上記のようにかい離してしまうのは、現実に即していないので基本NGです。

「なんで5分の1しかお金出してないのに、半分も持ち分持ってんの!?」

ってことです。

連名で融資を受けるメリットとデメリットとは?

メリット

  • 各自が住宅ローン減税を受けることができる
  • 単独では購入できない不動産を購入することが出来る

デメリット

1件の不動産購入に対し、2件の融資を受けることになるので、単純に融資にかかる費用が2倍になります。

  1. 融資にかかる費用(*事務手数料保証料、登記費用)が2倍
  2. 団体信用生命保険にそれぞれが加入しなければならない

2.について補足。どちらかに万が一のこと(*死亡、働けなくなった)があっても、全額完済されることはありません。

例えば夫婦共有で、夫2,500万、妻2,500万、合計5,000万のペアローンを組んでいた場合。夫が死亡したら2,500万は完済されますが、妻の2,500万は払い続けなくてはなりません。図にするとこういうことです。

収入合算とは?

夫婦の場合の収入合算について考えます。夫の収入に妻の収入を合算することで、ローンが通しやすくなります。ただ、単純に収入を合計できるわけではありません。金融機関によって基準は異なりますが、以下のような制限があることがほとんどです。

  1. 夫の年収10倍までの融資額が上限
  2. 夫の年収の半分までしか合算できない

1.に関して言うと、夫の年収が400万とすると、借り入れ上限は4,000万までになるということです。また、妻の年収が250万だとしても、夫の年収(*400万)の半分、つまり200万までしか合算することができません。

ペアローンと収入合算の違い

ペアローンは夫婦それぞれが持ち分に応じて融資を組みます。従ってそれぞれが主債務者になります。

収入合算の主債務者は1人です。夫が主債務者で妻が収入合算者とすると、妻は夫の連帯保証人になるということです。夫が返済できなくなっても、妻が連帯して返済義務を負うことになります。分かりやすく図にするとこうなります。

ただし、団体信用生命保険は主債務者である夫が加入者です。主債務者に万が一のことがあった場合、連帯保証人の返済義務も免除されます。

ローンはなくなります。

収入合算のメリットとデメリットとは?

メリット

  • 単独では購入できない不動産を購入することが出来る

デメリット

  • 収入合算者は主債務者の連帯保証人となるので、支払い義務はある

まとめ

個人的な見解としては、単独ローンで買えない不動産は、その人が買うべき不動産ではないと考えています。もちろん、

「生活費も半分ずつだから家も半分ずつね」

というスタンスの元、ペアローンをあえて組む人もいれば、

「個人事業主で妻を連帯保証に入れなければならない」

などやむにやまれる事情で収入合算を選ばざるを得ない人もいるでしょう。全てのケースで避けるべきというわけではありません。

しかし、よりよい物件、単独では買い切れない金額の不動産購入をするために、ペアローン・収入合算を利用することはお勧めしません。どうしても欲しい物件なのかもしれませんが、単独で融資が下りないということは、そもそも身の丈に合っていない物件ともいえます。

不動産仲介業者の仕事は、

「欲しいと思ってる物件を買ってもらうこと」

です。買ってもらうために、ペアローンや収入合算を提案してくるかもしれません。その物件を欲しいと願う人からすると、購入できる方法を模索してくれる仲介業者の姿は頼もしく映るかもしれません。しかし、不動産会社にとって、買ってもらうまでが仕事であり、購入後の返済生活がどうなるかに興味はありません。

結局は自身でペアローンや収入合算についての知識やリスクを学び判断しなければならないのです。

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住宅ローンの元金均等方式のメリットとデメリット

毎月返済する「元金」が決まっています。元利均等のように、返済額の内訳が上下することはありません。

 

元金均等方式のメリット

元金均等方式のメリットは以下の通りです。

  • 返済する元金は毎月一定
  • 元利均等よりも早く元金が減る
  • 元利均等よりも返済総額が少なくて済む

メリットだけみると元金均等が良さそうに思えますね?しかしデメリットがなによりデメリットなんですよ。

元金均等方式のデメリット

元金に利息がプラスされた額が月の返済額となるので、

  • 返済開始当初ほど月の返済額が多くなる

これがデメリットです。返済生活に慣れていない返済初期の支払いが、生活を圧迫する可能性があります。事前のシミュレーションでは、十分生活をやっていけたとしても、理想と現実のギャップに悩まされることは返済生活においては往々にしてあります。デメリットにも十分すぎるほど気を向けることにしましょう。

図にするとこういうことです。

【関連記事】住宅ローンの元利均等方式のメリットとデメリット

125%ルールが適用されない

メリットでもデメリットでもないので、扱いに困るのですが、元金均等には、金利上昇による、急激な返済額アップを避ける「5年ルール」「125%ルール」が適用されません。

【関連記事】住宅ローンの125%ルールとは?

つまり金利変動の影響をもろに受けることになるため、元利均等返済よりも一層余裕のある計画を立てることが重要となります。それがデメリットかと言われたら、デメリットになるのかなあ・・・?

まとめ

元利均等を選ぶ人が多いのは、

「元利均等の方が返しやすいと思う人が多いから」

と言い換えることができます。どちらがおススメとかどちらが悪いとかそういう話ではないのです。借りる人の懐事情、人生設計事情によって選択肢は異なります。ローンのあっせんを行う不動産仲介業者のお兄ちゃんたちにそこまでのアドバイスを求めるのは酷です。彼らは不動産を買った人が、買った後どのように返済していくかに興味はないのですから。かといって金融機関に求める話かと言えば、やはりそこまではしません。

結局は自分たちのことは自分たちが一番よく分かっているのです。どのように返していくのかを、

「どの不動産を買うのか?」

と同じような熱量で話し合ってもらえればいいのではないかな?

ベストの選択肢はあるかもしれません。しかし仮にベストな選択肢を選ばなかったとしても、

失敗!

ということではありませんから。

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住宅ローンの元利均等方式のメリットとデメリット

住宅ローンの返済方法には元利均等方式と元金均等方式の2種類があります。住宅ローンのあっせん、取次を行う仲介業者も、詳細がよくわかっていないので、ろくな説明をせずに元利均等で申し込んでしまいます。

また、銀行などの金融機関も、元利均等で借りる人が多いため、元利均等ありきで話をしてきます。元利均等方式のメリットとデメリットについて解説していきます。

 

元利均等方式のメリット

なぜ元利均等を選ぶ人が多いのかは、以下のような分かりやすいメリットがあるからです。

  1. 毎月の返済額(元金+利息)が一定
  2. そのため支払い計画が考えやすい
  3. 支払当初の負担が少ない

しかしメリットある所にデメリットあり。

元利均等方式のデメリット

支払い開始直後は支払額の半分以上が利息となるため、

  1. 支払い当初の返済はほとんどが利息
  2. そのため想像以上に元金は減っていかない
  3. 元金均等に比べ支払総額が多くなる

【関連記事】住宅ローンの元金均等方式のメリットとデメリット

まとめ

元利均等方式を分かりやすく図にするとこんな感じです。

元利均等方式で借りる人が多いのは確かです。しかし世間の当たり前が、自分にとっての当たり前ではないこともあります。元利均等、元金均等、その仕組みをぼんやりとでも理解することで、より主体的に不動産購入プランを描き出すことができるのです。

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事前審査(じぜんしんさ)

「これだけ借りてこの物件を購入したいのだが、この内容で申し込んだら希望通りに借りることは出来ますか?」

ということを、融資本申し込みの前に金融機関に審査してもらうことです。売買契約締結前に行うのが通常で、事前審査を通した金融機関で絶対借りなければいけないわけでも、その物件を絶対買わなければいけないわけでもありません。

「融資OK!」

と金融機関からの承認が得られ、売買契約後の本申し込みで結果がひっくり返ることは余程のことがない限りありませんが、まったくのゼロではないので注意が必要です。

 

事前審査はどこを審査しているのか?

事前審査は以下の3つの側面から審査を行います。

  • 物件の内容(*担保評価)
  • 借り主の内容(*年収や勤務先)
  • 借り主の個人信用情報(*過去の借り入れ事故歴等)

そのため、金融機関によって事前審査に必要な書類は若干異なりますが概ね以下の通りです。

  • 事前審査の申込書
  • 物件の登記簿謄本
  • 源泉徴収票の写し
  • 健康保険証の写し
  • 身分証明証の写し

その他、別の借り入れ(*キャッシングや車のローン)がある場合などは、借り入れ明細や支払明細、残高証明書。勤続年数が3年未満の場合は簡単な職歴書が必要となります。

事前審査は最初の入り口

不動産購入希望者が物件を探し、気に入ったものが見つかったとします。誰か他の人に取られたくないので、そうなる前に契約したいと考えました。ところが、

「金融機関がお金貸してくれるかはまだ分からないけどこの物件が欲しい!契約したい!!」

と言ったとしても、融資を受けられるかどうかはまだ不確定です。そんな状況で、仲介業者も売り手も取引を前に進めることはできません。不動産会社が今以上にイケイケだった一昔前は、契約ベースで売上計上するところが多いため、月のノルマをどうにか達成させるため、

「融資が通るかどうか分からないけど、とりあえず契約じゃあ~~!!」

というところが多く、契約後、融資が通らないことが原因であっさり解約なんてことが良くありました。しかし、現在は契約前に事前審査を通してから契約、というところが多いです。

事前審査をするためには、上記に上げた源泉徴収や健康保険証などの公的な書類を提出する必要があります。購入前で何も話が進んでいないにも関わらず、こうした公的書類を提出することに抵抗を感じる人がいますが、事前審査は物件を購入するための第一歩です。これをしないことには何も始まりません。

事前審査の承認を取っておくことが武器になることも

物件購入は基本的に早いもの勝ちの世界です。一つの物件に同じタイミングで購入希望者が購入申込書を出すこともあります。事前審査の通しておけば、資金面の裏付けが取れている(*購入資金を借りられることが内定している)ことなので、(*条件次第ではありますが)競合した場合、優先して話が進むこともあります。

また、一度事前審査を通しておけば、借入金額が変わらなければ、物件が変わったとしても、(*例外はもちろんありますが)審査はほぼ通ります。

「一度審査を通した」

というのは、大きな武器にもなるのです。

「融資手続き代行手数料」なんてありません

事前審査を通しておくのはよいことです。ほとんどのケースで仲介業者が営業の一環として事前審査申し込み手続きをしますが、代行手数料などというものは一切かかりません。事前審査をA社経由で通したとしても、本当にA社を通して不動産を購入するかどうかまでは分かりませんし、A社で購入しなければいけないというわけでもありません。あとから出てきたB社経由で購入することはできるのです。

しかし、事前審査を通したにも関わらず、A社ではなくB社で購入されてしまうと、A社はタダ働きとなってしまいます。

「それは嫌だ、少なくとも代行した分の費用だけは取りたい」

という仲介業者の思惑から、代行手数料なんてものが出てきたのではないかと思います。

もしそうした手数料を請求されたとしても、払う必要はないですし、いくら担当者が良い人であっても、そのような仲介手数料以外の費用を請求する会社とのお付き合いは避けた方がよいでしょう。全力で逃げて下さい。

仲介手数料割引会社に依頼する時の注意点

仲介手数料が無料、もしくは半額にする不動産仲介業者が増えてきています。大手不動産会社が仲介手数料を値引きすることは、よほどのことがないかぎりありません。なので、非・大手の不動産会社としては、身を削る形となりますが、大手不動産会社にはない、大きな武器を手にした形です。

仲介手数料が安くなるという認識を持つお客さんも増えてきました。選択肢(*不動産会社の)が増えたのは一般消費者にとっては良いことだと思いますが、この仲介手数料無料or半額の不動産会社を選ぶ際には注意も必要です。以下にその2点を解説します。

1.不動産会社の乗り換えはタブー!!

例えばこんなケースです。

例) Aさんというお客さんが、大手不動産会社BでCという物件を紹介してもらいとっても気に入りました。そこでAさん、仲介手数料が無料(半額)にしてくれる不動産会社Dがあることを耳にし、案内してくれたBではなくDを通して購入しようとしました。

気持ちは分からないでもないですが、この行為は基本的にタブーです。BがCの物元不動産会社だったとしたら、そもそも受け付けてくれません。どこからがタブーかというと、明確に決まりがある訳ではありませんが、以下の3点は特に気にする必要はないでしょう。

  1. 不動産会社を訪問し相談に乗ってもらった
  2. 物件を紹介してもらった
  3. 案内をしてもらったが気に入った物件はなかった

NGなのは上記、例)のような、案内をしてもらい、なおかつその物件が気に入り、購入をしようとした場合です。別にこうした行為が法律で禁止されているわけでもなんでもありません。不動産仲介のマナー・礼儀のようなもので強制力はありません。なかにはマナー知らずの行儀の悪い不動産会社も存在します。

「気に入った物件があれば当社までご連絡ください。必ず手数料半額以下でお手伝い致します」

と謳ってあるような会社です。要するに、

「他社で見た物件でも、当社にご連絡頂ければその後の手続きは当社が安く請け負います」

ということで、つまり「横取り」です。こうなってくるともう不動産会社ではなく、はたして何屋さんになるのでしょうか?最近では

「他社で案内を受けた物件は受け付けかねます」

とサイトに但し書きの記載があるところが多いです。仲介手数料を安く済ませたい、という希望を持つことはなんらおかしなことではありません。ただ、少なくとも案内からそうした会社に依頼するようにしましょう。

2.欲しい物件が取られてしまう可能性がある

基本的に、仲介手数料値引き会社は、客付(買い手側の仲介会社)の不動産会社であることがほとんどです。売り手と媒介契約を結んだ、物元(売主側の仲介会社)の不動産会社ではありません。物元の不動産会社は、両手取引を目指すのが通常です。

これはどんなケースでも言えることですが、例えば客付の不動産会社Aと、物元の不動産会社Bが同じタイミングで物件Cを案内し、双方のお客さんが気に入った場合、当然Bは自社のお客さんを優先する、ということです。仲介手数料が安くなることは確かに大きなメリットですが、上記のようなデメリットもあるという認識は持っておくべきです。

一番言いたいこと

結局何が言いたいかというと、

「正規手数料を払っても惜しくない!」

と思える不動産会社に出会えること、思ってもらえる不動産会社が増えることが、誰にとってもハッピーな結果になるということです。

仲介手数料が無料or半額になる理由

結構語り尽くされたテーマなので、記事にするまでもないかと思っていたのですが、ここ最近立て続けに、

「手数料安く出来るってホント?」

「手数料半額とか無料になる会社があるらしいんだけど・・・」

と聞かれることがありました。意外に知らない人が多いんだなあと実感したということもあり、今回改めて記事にしてみようと思った次第です(*売買仲介に関してですが、基本は賃貸でも同じです)。

仲介手数料半額に敏感な人たちは、物件購入を考えている買い手側に多いです。サイトなどでも、どちらかというと、購入を検討している向けのものが多いように見受けられます。そうした背景には、購入の際の仲介手数料は、売却時と比べ

「自分の懐・お財布からお金が出ていく」

ものになるので、

「購入の諸経費を少しでも節約したい!」

との意識がより働きやすいというのが理由にあるのだと思います。売却の場合(*売却理由により例外はありますが)、仲介手数料は、売れた金額から差し引かれる形で支払うのが一般的なため、自分のお財布の中身が減る感覚は持ちにくいのです。現在の仲介手数料無料(半額)サイトが、どちらかというと購入を検討中のお客様向けに作られているのには、こうした理由がありそうです。

 

なぜ手数料が無料、もしくは半額に出来るのか?

まずは不動産仲介会社の収益構造を理解するところから始めましょう。不動産会社が、取引をまとめた成功報酬として請求できるのが仲介手数料です。仲介手数料には、売り手・買い手、どちらか一方にしか請求できない「片手」と、売り手・買い手双方に請求できる「両手」という2種類があります。以下にひとつずつ解説していきます。

 

なぜ

 

片手の場合

結論から言うと、片手の時に不動産会社が仲介手数料を無料にすることはありません。なぜなら、片手の場合に仲介手数料を無料にしてしまうと、仲介業務をこなした不動産会社の報酬はゼロになってしまいます。タダで仲介業務を行うお人よしの不動産会社などこの世に存在しません。なので片手取引の場合、手数料が無料になることはありえないと思って頂いて結構です。

また半額にすると、手数料が10万、20万にしかならない、1,000万とか2,000万クラスの物件は、割引対象になっていない場合が多いです。サイトのどこかに但し書きとして

「物件価格が2,000万以上のものに限る」

と書いてあるはずです。仲介業務は、物件の金額が安くても高くても、こなす業務にあまり違いはありません。

「10万、20万では売買の仲介業務はやってられない」

という判断が、こうした足切ラインを設定させているのでしょう。

両手の場合

両手の場合、売り手からの正規手数料(*成約価格の3%+6万円に消費税)が確保できているので、買い手に手数料を請求せずとも商売として成り立ちます。ちなみにこの場合の「売り手」というのは、売却依頼を受けている(*媒介契約を結んでいる)物件だけに限りません。

実は不動産市場には、特定の不動産会社に売却の依頼をせず、売り物件情報を流している、「売主物件」というのが存在するのです。一般の売り手がそのようなことを行うことはなく、基本的に事業として不動産の売買を行っている買取業者などの不動産会社が売り出している物件のことを指します。

どんな物件が売主物件に当たるのかというと、例えば新築建売物件とか、室内が新築のようにピカピカなリノベーション済みのマンションなどは、売主物件である可能性が高いです。そうした売主物件は、買い手を連れてきてくれた不動産会社に正規手数料を支払うことがほとんどです。

つまり不動産仲介業者は、そうした売主物件を案内し、契約をまとめることが出来れば、売り手側からの手数料を確保できたことになり、買い手の手数料を無料にしても収益につながるということです。

まとめると

  • 仲介手数料が無料になるケース・・・仲介業者が両手の場合
  • 仲介手数料が半額にしかならないケース・・・仲介業者が片手の場合

ということです。

なぜ無料or半額にするのか?

もちろん、集客のためです。大手不動産仲介業者(*財閥系や電鉄系)は、黙っていてもその知名度や看板のでかさ、ブランド力、組織化された営業システムによって、ある程度自動的に集客することが出来ます。しかも、彼らの集客のターゲットは買い手ではなく物件を売りたいと考えている「売り手」です。市場の7割から8割の売り物件が、大手不動産会社に売却を依頼された物件となっているのが現状なのです。大手不動産会社は決して仲介手数料を値引きしませんが、それにはこうした背景があるのです。

そうした大手が抱える物件を、買い手に紹介し取引をまとめるのが、その他多くの中小不動産会社のメイン業務で、業界用語で客付業者と言われています。客付業者は大手のような知名度や看板、ブランド力や洗練された営業システムを持っていません。同じことをやっていたら、物件を多く抱える大手不動産会社に根こそぎお客さんを持っていかれてしまいます。

そこで大手にはないサービスの一つとして、仲介手数料無料化を大きく謳うようになりました。取引単価は小さくなりますが、その分案件の数を増やそうと考えたのです。

物件購入を検討しているお客様にとっては、購入時にかかる諸経費を安く出来るのは大きなメリットです。ただ、選択肢が広がることは良いことですが、注意すべきポイントがいくつかあります。それはまた違う記事で紹介していきたいと思います。

買い先行の買い換えについて

自宅の売却が前提となる不動産購入計画のことを、「買い替え」といいます。単純に買い替えと言っても、

  1. 欲しい物件が既に決まっている場合
  2. 自宅が売れてから購入する物件を決める場合

上記2つのパターンに分けられます。1.を「買い先行の買い替え」。2.を「売り先行の買い替え」といいます。双方にメリット・デメリットがあり、買い替えを考えるそれぞれの家庭の事情もあることなので、どちらが良くてどちらが悪いかというような簡単な話ではありません。今回の記事では1.のパターン、購入を先行した場合のあらかじめ把握しておくべきメリットとデメリットについて解説していきます。

 

自宅が売れていなくても、欲しい物件が買えるのがメリット

購入先行の買い替えとは、例えば、大手デベロッパーが販売をする新築マンションを購入するときや、人気の物件・エリアで、

「自宅が売れるのを待っていたら他の人に買われてしまう!」

というような物件を購入したい場合に利用するケースです。

自宅の売却が済んでいなくても、欲しい物件の予約(*つまりは購入の契約)を締結することが出来るので、契約を行ってしまえば、同じ物件を狙っている競合に横取りされることはありません。購入を先行する人が受ける一番のメリットは、自宅の売却が前提の購入計画で、買い手が決まっていないのにもかかわらず、

  • この物件はどうしても逃したくない!
  • 理想の家で絶対ここに住みたい!
  • ずっとここを探していた!

と、その時どうしても欲しい物件が買えることです。一見すると、自宅が売れてなくても、欲しい物件が買えるのだから、デメリットなんてなさそうに思えます。では購入を先行させる場合のデメリットは何でしょうか?

希望通りの金額では売れないことがデメリット

  • 売却にかけられる時間にリミットがある
  • そのリミットまでに必ず売却を行わなければならない
  • 希望した額では売れない可能性がある

誰もが欲しがる新築マンションや、人気エリアの物件が買えて

「やれやれ一安心」

というわけにはいきません。購入契約を済ませてからには、少しでも早く自宅の売却活動を開始し、買い手を見つけなければなりません。なぜなら購入の契約を交わしたということは、残代金を支払わなければならない期日(*決済日)も決まったということです。つまり決められたその日までに自宅の売却を済ませ、売却代金を受け取って(*ローンがあれば完済して)おかなければ、購入代金を支払うことができません。

「自宅がまだ売れていないので、もうちょっとだけ待ってください」

というわけにはいきません。何が何でも売らなければいけません。

買い替えの特約

もちろん、通常こうした購入の契約書には、

「いついつまでに自宅の売却を済まさなければならない。さもなければ契約は白紙解約です」

といったような特約が付きます。ですから販売してみたけれど売れなかったとしたら、白紙解約なので実はなんのペナルティもありません。

しかし、ペナルティがないのをいいことに、

「自宅が良い価格で売れたら買います」

といったような軽い気持ちで購入の契約を申し出たとしても、売主となるマンションデベロッパーや、売主側の不動産仲介会社、売り手は契約してくれません。購入契約の前には、売却予定物件の査定を行い、

  • 期限までに確実に売れる金額で資金計画を考えているのか?
  • 甘い資金計画・見通しで話を進めようとしていないか?

を売り手側サイドは契約前に厳しくチェックするのです。通常の売却活動では、特別な事情がなければいくらでも販売に時間をかけることが出来ます。

「高く売れるようなら売ろうかな」

と、自分の希望する額で販売活動を行うことも可能です。しかし、購入を先行した場合の売却では、販売に割ける期間が決められてしまいます。その期間内に絶対に売らないといけない訳ですから、当初想定していた金額で売れない可能性もあることを、あらかじめ覚悟しておかなくてはなりません。これが購入を先行する際のデメリットとなるでしょう。

買い先行の買い替えのスケジュール

買い替えを成功に導くためには、買い替えのスケジュールをしっかりと理解・把握しておくことです。決して仲介業者にまかせっきりではいけません。以下に買い先行のスケジュールを図に示します。

上の図を見ると、6月1日スタートとしてますが、実際はこのように明確ではありません。当初から売却も購入も同時並行で動く場合もあれば、

ぼんやり物件を探しはじめ、ある程度購入物件の目途が立ってから販売に出すなどさまざまです。

 

まとめ

以上が購入を先行した場合の買い替えのメリットとデメリットになります。少し乱暴な言い方をすると、

「欲しい物件が買えて、なおかつ自宅は高く売りたい」

と、都合よく二兎を追いかけても、そう上手い話はありませんよ、ということです。

「購入する物件」と「売却価格」を天秤にかけて、どちらをより優先できるのか? を考えることによって、購入を先行するのか、売却を先行するのかを検討するのが良いと思います。

不動産仲介業者の付属サービス提供合戦!

各大手不動産仲介業者が、良質な売り手(物件)を専属もしくは専任で確保するために、様々な「付属サービス提供合戦」を繰り広げています。以前の二つの記事、「売主が、売却中に出来る効果的なこととは?」「『無料建物メンテナンス付き売却仲介に』について」で詳細を書き、最後に「残された競合他社の動きは果たして?」と締めました。で、残されたうちの一社である住友不動産販売が、12月1日に新しいサービスを発表しました。

住友不動産販売(株)(本社:東京都新宿区)は、「ステップ空家クリーンサービス」および「ステップ空地草刈りサービス」を、首都圏の仲介全145店舗にて、12月1日(月)より開始した。

「ステップ空家クリーンサービス」は、空き家になっている中古一戸建て住宅の売却にあたり、同社と「専属専任媒介契約」を締結した物件について、売主に「ハウスクリーニングサービス」または「庭木のお手入れサービス」のどちらか一つを、同社負担で実施するサービス。空家の水回りや茂った庭木を、「売却前に」メンテナンスすることにより、購入希望者への印象度をアップし、物件のスムーズな売却をサポートする。(引用元:SUUMOジャーナル)

というもの。先日、空き家対策特別措置法が成立し、空き家問題はまさに今が「旬」です。実際問題、特措法で対象となる空き家は「特定空家等」に指定される、ボロボロで倒壊やスラム化など周辺環境に悪影響を及ぼすものをいいます。

なので、ここでいう空き家とは少し趣が違うのですが、特措法の細かい内容を知らない人にとっては、「空き家」というキーワードが入るだけで、「ハッ!まさかうちのこと!?」と思う人が少なからず存在すると思うので、なかなかうまいやり方ではないかと。

「今まで使ってなかった空き家を、売りに出す前にお部屋をきれいにしましょう!」というもので、こういってしまっては身もふたもありませんが、ま、ただの掃除ですよ(笑)。一方、

「ステップ空地草刈りサービス」は、土地の売却にあたり、同社負担で空地の雑草を専門スタッフが刈り取りをするサービス。刈り取りにより環境悪化や不法投棄による被害を防止する。売却前に草刈りで土地をすっきり明るく見せて、購入希望者の印象アップを目指す。(引用元:SUUMOジャーナル)

以前、当社でも売却にあたり雑草を刈ったことがありますが、なんとスズメバチの巣が隠れており、刺された当社のスタッフの手がグローブほどの大きさになったのはつい数年前のことです。専門スタッフにも十分気を付けて欲しいと思います(汗)。

 

空き地の草刈りには要注意(笑)

空き地の草刈りには要注意(笑)

 

結論から言うと、今までに挙げてきた他社のサービスに比べると、見劣りするかなという気がします。土地でも空き家でも、販売前に見た目を良くするのは当たり前のことで、あえて仰々しくアピールする必要もないと思いますけどね。

その割には、サービスの提供を受けるためには、他社同様、

「専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、かつ当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件」

といった制限がありますが、この内容で専属専任で価格規制しようなんて、少し虫が良すぎんじゃないですかね。

というのが、個人的な見解です。

【「ステップ空家クリーンサービス」概要】
●期間:2014年12月1日~2015年3月31日
●対象物件:首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の空家一戸建。※瑕疵担保免責物件や古家付き土地は除く。
●利用条件:住友不動産販売と専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、かつ当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件

 

【「ステップ空地草刈りサービス」概要】
●期間:2014年12月1日~2015年3月31日
●対象物件:首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の100坪までの土地。※空地とは土地上に建物等の建築物の存在しない土地を指す。
●利用条件:住友不動産販売と専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、同社査定価格が2500万円以上でかつ、当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件

「無料建物メンテナンス付き売却仲介に」について

先日の記事「売主が、売却中に出来る効果的なこととは?」で紹介したものと似た内容のサービスを、東急リバブルさんが11月1日から行っているそうです。その内容を以下、抜粋します。

東急リバブルは11月1日、『リバブル無料建物メンテナンス』サービスを開始した。マンション・一戸建ての玄関ドアやサッシの異音や隙間、フローリングの傷やクロスのめくれなど、住居の細かな不具合を無料でメンテナンスしてから売却できる。

<中略>

売主が抱える「自宅を売却したいけれど、購入から何年も経っているので細かなところがあちこち壊れている」「気づいてはいるけど売り物件にわざわざお金をかけるのももったいない」「このままで本当に売れるのだろうか」などの悩みに答えるのがこのサービスだ。

『リバブル無料建物メンテナンス』サービスでは、住居の細かな不具合を無料でメンテナンスしてから売却することが可能である。対象物件は、自己居住用のマンションまたは一戸建て(瑕疵担保責任免責不動産および事業用不動産を除く)。(引用元:RBB TODAY)

というものです。

 

悩む

 

2014年8月に実施した「不動産売買経験者へのインターネット調査」の結果、48%売主側が「ちょっとした不具合を理由に値引きを要求されるのではないかと不安だった」とあり、さらに42%買主が「中古住宅を内覧した際に、建具のがたつきや不具合が原因で買うのをやめたことがある」と答えている。

このアンケート結果を踏まえた形で開始した今回のサービスのようですが、「玄関ドアやサッシの異音や隙間、フローリングの傷やクロスのめくれなど、住居の細かな不具合」が原因で、購入を取りやめる人など本当にいるのでしょうか?

個人的な経験ですが、修繕に数百万単位でかかる大がかりなものなら話は別ですが、こうした細かな劣化が原因で、「やっぱり買わない」となることって、そうそう多くはないと思うのです。修繕費用も数万単位です。「その程度の費用」と言ってしまっていいのか分かりませんが、さんざん検討して気に入った物件を、その程度の費用で諦めてしまう人が半分もいるのかと、率直に疑問に思ってしまいました。

もちろん、そうした人もいるのでしょうが、きっと辞める背景にはそれ以前に色々溜めていたものがあったのかもしれません。例えば、仲介業者の態度が気に食わない・・・売り手の対応が気に食わない・・・修繕をお願いしたけどあっさりと断られた・・・などなど。

物件はと~~~~っても気に入っているけど・・・どうしても気持ちがおさまらない!気持ち悪い!もやもやする!と、感情的になってしまうお客さんはいます。きっかけは確かに「中古住宅を内覧した際に、建具のがたつきや不具合が原因で・・・」なのかもしれませんが、感情的になってしまえば、どんな些細なことでも取引を辞める材料になり得ますからね。だから本当に42%の人が「それ」だけの理由で購入を見合わせてしまうのかな?と疑問に思ってしまったのです。

ちなみにこのサービスを受けるための条件ですが、

となります。「タワーマンション限定」という箇所以外は、適用条件は前回ご紹介したサービスと、ほぼ同じですね。要するに、

「売却行為以外にこのような付加価値もつけるので、売りやすい価格(査定価格の125%以内)で当社1社(専属専任or専任媒介)だけに販売させてくださいね」

という、良質な売り手さんを確保するための一つの手段です。

別にこうしたサービスを受けられることをきっかけに、売却に踏み込むことは悪いことではありません。売り手が考えてた希望売却価格が、提示された査定価格の125%以内に収まるのであれば、活用するべきだと思います。余計な費用もかかりませんしね。

問題は売却希望価格と、査定価格にかい離がある場合です。希望価格では相場から比べたら高いかもしれません。だけど、難しいと分かっていても、一度は確かめてみたい!と思うのが売主心理ではないですか?提示された査定価格は確率論で、絶対ではありません。市場にどう受け入れられるかは「やってみないとわからない」というのが正直なところです。

希望する売却価格とどれだけの差があるかを、客観的に認識するため、査定価格を参考にすることは重要です。しかし、こうしたサービスを受けたいがために、売主希望の売却価格を無理に125%以内に収める必要はないと思います。それでは本末転倒です。このようなサービスを提供する背景には、上記のような理由があり、決して「他にはないサービス」ではないという認識だけは持っておいてください。最後に、

対象エリアは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県。建物内部の建具やサッシなど、同社の定める箇所の目視・打診、動作確認などを行い、同社の定める基準に基づきメンテナンスを行う。

ということなので、基本的にどんな物件(マンション、一戸建て)でも適用できるのでしょうが、あんまりにも痛みが激しい物件だと、「同社の定める基準」に基づき、適用できないこともあるんでしょう。

大手2社が同じようなサービスの提供を始めています。その他の不動産仲介業者がどういう対応を取るのか、今後が非常に気になりますね。

建築条件付き土地(けんちくじょうけんつきとち)

土地を契約後、「〇月〇日までに建築会社と建築の請負契約を結ばなければならない」という条件が付いている土地のこと。希望するハウスメーカーや建築会社で建てることは出来ない。

多少の間取り変更・仕様変更には応じてくれる可能性はあるが、大がかりな変更はほとんどが不可能。建築条件を外すことが可能な場合もあるが、タダでは外せない。百万単位で費用がかかるのがほとんど。「土地を売ってから建物を建てる」ので、建売とは逆に「売り建て」とも言われる。

<例、というか余談>

「〇町〇丁目土地 3,980万(建築条件付き土地)」

上記のような土地を契約した場合のハナシ。契約後数週間以内に、指定の建築業者と2,000万円の請負契約を締結。つまり総額5,980万の取引、ということ。その際、仲介業者に支払う仲介手数料は、3,980万の土地契約にたいしての報酬ですが、「契約の巻き直し」という仲介業者の裏ワザがあります(ありました)。

一旦3,980万で契約しておいて、請負契約締結後、一旦土地の契約を解約。総額5,980万の契約として、取引を仕切り直すことです。なぜそんなことするかというと、取引金額が大きければ、その分仲介手数料収入が多くなるからです。ちなみに今はやるとこはないと思います(多分)。

イクメンと呼ばないでほしいし思われたくない

残念ながら

 

「イケメン」

 

と呼ばれることはありませんが、

いまはやりの

 

「イクメン」

 

とはよく言われます。

 

2号、下半身丸出しで鬼退治の図

 

どこぞの新聞に書かれていたのですが、

 

「これからはイクメンでなければ女性にもてないし出世も出来ない」

 

んだそうですよ、ほっほ~。

 

なんでも育児をすることで、

時間を有効に使おうとするタイムマネジメント能力が磨かれたり、

子どもの気持ちを思いやる力・汲み取る力が、

部下を育成する能力にもつながるからなんだそうです。

 

「育児をすることがスキルアップにつながるんですよ!

 だからみんな、がんばって子育てしましょう!」

 

と、子育てが仕事や出世に与える効能を伝えて、

お父さん方の背中を叩くのが世の風潮です。

ですから

 

「イクメン」

 

と呼ばれるということは、

 

「そんな流行りの風潮に乗ってしまった人」

 

みたいな気がして、

ひねくれ者のボクとしては、

あまり面白くありません。

 

きれいごとをいうつもりはありませんが、

育児をすることで得られる効能だか効果?

そんな見返りを期待して育児なんかしたことないし、

 

「父親だから」

 

という義務感からそうしているわけでもありません。

どちらかというと、

 

「自分の遺伝子を受け継ぐ唯一無二の存在を育てる

 という行為を妻だけにさせておきたくない」

「こんな楽しそうなこと、独り占めさせたくない」

 

という、至って個人的な欲求でしかありません。

 

だけど子育てをしている、

ということが意外な効果を発揮したことがあるのもまた事実。

以前こんなことがありました。

 

数社の仲介業者と、査定がバッティングしました。

専任媒介契約が取れるか取れないかの場面ですから、

大体どこの業者も私が試算した価格よりも、

大分高い金額を提示していました。

 

他業者が提示していた価格を、

お客さんからあらかじめ聞いていたので、

 

「こりゃ無理だな」

 

と売れもしない価格競争に乗る気がないボクは、

最初からあきらめムード。

 

査定を依頼してきた方は、

70前後のお母さん一人で、

ボクと同じく男の子二人を一人前に育ててきたんだそうです。

 

子育てにも色々苦労してきたらしく、

ボクもその大変さを少しばかり理解できるところもあり、

査定などそっちのけで子育て論で大いに盛り上がりました。

 

すると意外な展開に。

 

「自分が子育てでがんばってきた今の自宅は、

 同じようにこれからがんばって子育てに励む家族に住んでもらいたい。

 そんな自宅を売ってもらうのは、

 同じく子育てをがんばっているあなたに売ってほしい!」

 

まあ単純に気が合ったとも言えますが、

結果、専任で媒介契約を頂けることになりました。

 

売却にある程度時間がかけられるということで、

価格は当初提示した金額よりも上乗せして販売することになりましたが、

数か月後、無事満足いただける価格で売却することが出来ました。

この時ばかりは、

 

「子育てしててよかった~~~~!」

 

って思いましたよ(笑)。

 

子育てする効能とか効果を気にせず、

 

「ただただ楽しそうだから」

 

っていう理由で、

父親が今よりも積極的に子育てに携わる時代が来れば、

そうして育てられた子どもたちは幸せだろうし、

成長したら今度は自分の子ども達にも同様に接するだろうし、

素敵なサイクルで世の中が回っていくと思うんですけどね。

 

抜き(ぬき)

専属専任専任媒介で依頼を受けている窓口となる仲介業者を介さずに、物件の所有者に直接、「当社にお客様がいるのでうちにお任せ下さい!」とアプローチを行い、媒介契約を他社から自社へ移させようとする行為をいう。ルール違反だが、未だに当たり前のように横行している。賃貸業界ではそれがまっとうな営業活動だと信じ込まされている会社も多い。

媒介契約の期間は通常3か月なので、レインズなどで契約期間を確認の上、契約満了間近で所有者に飛び込むなど、各社工夫を凝らしているような現状。

抜かれる方が悪いのか?

「売り手さんの信頼を得るような関係をしっかりと築けていれば、なんの連絡もなく他社に媒介を切り替えることなどない」

と思います。いきなり乗り換えられるなんて、よほど信頼されていないことの証明にしかなりません。過激な言い方をすると、

「抜かれた方もちゃんとやっていたのか?」

と思ってしまいます。ただ、抜く方が完璧に悪いのにも関わらず、物元にその責任の一端を押し付けるのはとんでもないことです。事情があって金額の見直しが出来なかったり、物件自体に難があるため販売に苦労したりと、半年、一年と売れないことなどざらです。

「お客さんいますから!」

と言うセリフは、売りたくても売れずにうずうずしてる売り手さんにとっては、天の声にも聞こえると思うのですが、実際はそんな都合の良いお客さんはいません。そもそも拡大解釈すれば、お客さんがいない不動産会社なんかいませんから、詐欺に近いですよ。

一般媒介(いっぱんばいかい)

3種類ある媒介契約のうちの一つ。複数の不動産会社に売却を依頼出来る。仲介業者は、営業活動報告を行う必要やレインズへの登録義務もない。

<一般媒介のメリット>

売却の窓口を複数(いくらでも)作ることが出来るので、依頼された不動産会社がぼやぼやしてると、他社がさっさと売ってしまいます。良い方向に進めば、多数の不動産会社が他社に負けじと、積極的に販売活動を行うので、短期間で成約に至る可能性が高いです。例え声をかけた不動産会社のうちの一社が、積極的に売却活動をしなかったとしても、競合他社が動いてますので、あまり影響はありません。

人気の地域や有名なマンションなんかだと、業者間の競争意欲を掻き立てるということで、(査定金額が間違っていなければ)一般媒介の受ける恩恵はそれなりにあると思います。

ただ、上記のようなメリットが生まれるのは、一般媒介だろうがなんだろうが、媒介契約を結びたいと思わせるような、人気のエリアや有名マンションです。なおかつ売出価格が適正で、情報を出せば早々に売れるであろうと判断された物件です。

ですから、「売却に時間がかけられるので、最初は少し高めに出したい」となると、じっくりと腰を据えて売却を行っていかなければならないため、短期間で競争意欲を掻き立てて・・・、といったような一般媒介のメリットはほとんど期待できません。かえってデメリットばかりになってしまいます。

<一般媒介のデメリット>

1.複数の不動産業者が窓口になることで、同じ物件がさらされることになる。

短期間であるなら良いですが、3か月以上、同じ情報が複数の不動産会社から出されていると、消費者は、「良く目につく物件」=「にも関わらず売れてない物件」=「売れ残り物件」という論法で勝手に判断します。どんな商品でもそうですが、希少価値を感じられなくなると、途端に売れ行きは悪くなります。

2.不動産業者同志による足の引っ張り合い

媒介契約中の不動産会社が、互いに他社の動きをけん制しながら動くため、成約に至るための有意義な提案などはしてきません。なぜなら、自分のところで値下げの提案を行って、余所の会社で決まってしまっては、他社の成約をアシストした結果になってしまうからです。また、仮に値下げの提案をしてきたところで、他社が「まだちょっと早いんじゃないんですか~?」と、値下げ提案した業者に、良い格好してほしくないために、反対してくる場合もあります。専属専任に見られるような、囲い込みの心配はありませんが、こうした足の引っ張り合いもデメリットの一つです。

3.積極的に動かない

専属専任専任媒介は、メリットの一つして、依頼された不動産会社が一生懸命動く!と書きました。一般媒介ではすぐに売れない物件だと分かると、「余所も販売してるから・・・」と、積極的に販売活動を行わないところも多くあります。広告を出したりするにも費用は掛かりますが、出した結果、他社で決まってしまっては、その広告費用の回収も出来ないからです。

・・・とまあ、メリットよりもデメリットの方が多くなってしまいましたが、もちろん一般媒介でも、専属専任の時と変わらず一生懸命活動する不動産会社もあります。全ての不動産会社がこれに当てはまるという訳ではありません。

一般媒介の注意点

一般媒介だからこそのメリットを実感できるのは、販売を開始して1か月程度です。しかし、1か月そこらでは売れずに、じりじりと焦りだしたときに陥りやすい考えが、「あれだけの不動産会社に声をかけているのになんで?」「ひょっとしたらもっと声をかけた方がいいのではないか?」というものです。

こうした考えは全くの間違いです。一般媒介で多数の会社から出ている物件のことは、当然どこの不動産会社も知っています。「のべつまくなし声をかけている物件の売主さん」として、マイナス面で有名になってしまいます。そうなってしまうと、たとえ声をかけたとしても、形ばかり依頼を受けるだけでどこも一生懸命販売しない、ということになりかねません。何社にも依頼することは出来ますが、お願いするにしてもせいぜい3社程度に収めておくのが良いでしょう。

ですから、ここは逆転の発想が必要です。つまり依頼をした複数の不動産会社のうち、一番マメに行動し報告してくれた一生懸命だった会社に、専属専任専任媒介に切り替えるのです。他社との競業にも関わらず一生懸命動いてくれた実績がありますし、不動産会社はその実績を売主が認めてくれたと意気に感じて、より一層力を入れて販売してくれることでしょう。

売り手がこうしたメリットとデメリットを理解しておくことが、何より重要なのではないかと思います。

専任媒介契約(せんにんばいかいけいやく)

3種類ある媒介契約のうちの一つ。

売却を依頼出来る不動産業者は一つのみで、万が一自身で買主を見つけたら、仲介業者を通して契約をしなくとも良い。専属専任媒介との違いはこの部分と、営業活動報告の頻度のみ。(*自己発見取引が認められている)

依頼を受けている仲介業者は、7営業日以内にレインズへ物件を登録しなければならない。また、2週間に一度のペースで営業活動について報告する義務もある。書面での報告を営業活動報告書という。

【 関連する記事はこちら 】→→→ 「専属専任、専任媒介のメリット・デメリット」

専属専任媒介(せんぞくせんにんばいかい)

3種類ある媒介契約のうちの一つ。

売却を依頼出来る不動産業者は一つのみで、万が一自身で買主を見つけたとしても、仲介業者を通して契約をしないといけない。(*自己発見取引が認められていない)

依頼を受けている仲介業者は、5営業日以内にレインズへ物件を登録しなければならない。また、1週間に一度のペースで営業活動について報告する義務もある。書面での報告を営業活動報告書という。

【 関連する記事はこちら 】→→→ 「専属専任、専任媒介のメリット・デメリット」

不動産会社の規模で依頼先を決めてはいけません

「大手不動産会社と地元の不動産会社、結局のところどっちが良いのか?」

いろんなところで比較なんかされたりしてますが、これって永遠のテーマですね。

<大手不動産会社>

  • ブランドがあるから安心
  • 不動産知識が豊富

<地元の不動産会社>

  • アットホーム
  • 親身に相談に乗ってくれそう

それぞれを押す声は最もです。しかし、身もふたもない言い方になってしまいますが、結論から言うと、

「大手だろうが地元の会社だろうが、担当者によってまったく違ってくる」

というところが本当のところです。

大手不動産仲介業者の悪口は、色々なところで目・耳にします。

  • 自社の利益優先
  • 囲い込みが日常
  • 契約をまとめてからのフォローが薄い

などなど。私もいわゆる大手不動産会社で仕事を覚えた身ですので、こうした噂(事実?)を完全に否定はしません。では反対に、地場の小さな不動産会社は大手と比べて素晴らしいのか、と聞かれるとそんなこともありません。共同仲介を行った際には、地域不動産会社の仕事の取り組み方や進め方、不動産知識のレベルを目の当たりにして

「これは酷い」

と思ったことが幾度となくあります。

地元の不動産会社が絡んだ時のエピソードとしてこんなことがありました。

・・・

相続が発生したため、駐車場を売却しなくてはならなくなった、とある地主Aさんから相談がありました。その人には先代(*被相続人。今回亡くなったお父さん)から付き合いのある、地元の不動産会社Bがベッタリでしたが、億を超える大きな取引だし、やはり一度は大手に相談してみようということで、当時私が所属していた大手の不動産会社に査定の依頼がありました。大手不動産会社の巨大な看板と、仮に担当者がどうしようもないボンクラだったとしても、それなりの営業マンに見えてしまうブランド力というのは、やはり侮れません。

大きな土地なので、一般のお客さんが手を出せる代物ではありません。査定を行いつつ、事業用の土地として検討してくれそうな、法人のお客さんに物件の情報を流したところ、Aさんも納得するかなり良い金額で購入申し込みが入りました。

あとはトントン拍子で契約まで進むもの・・・と私もAさんもホッとしたのもつかの間。ここで思わぬ障害が立ちはだかったのです。その障害とは?そう、以前からお付き合いのあるという地元の不動産会社Bです。

「お父さんの代から面倒を見てきてやったのに、こんな大きな取引をうちに黙ってしようとするなんて、到底認められない!」

Aさんがその不動産会社の言い分を教えてくれたのですが、上記のようになんとも納得できなひどいものでした。

私:「あの・・・認めるも何も、Aさんの土地なんだし、そんなこと言う権利も資格もB社には何一つないですよね?」

と、伝えましたが、Aさんは少し気の弱い方で、自分より年長で、なおかつB社の社長は自分の父親の代からの付き合いということもあり、おかしいとは思っていてもあまり強くモノを言えないようでした。AさんとB社の力関係が完全に逆転しています。取引をまとめるため、AさんにB社を説得してもらおうと、頑張ってもらったのですが、

「そうまで契約したいならすればいい!だけどおたくとは今後手を切るよっ!」

と言われたらしく、Aさんは途方に暮れてしまいました。Aさんは代々の地主です。地元には結構な数の賃貸物件があるのですが、それを管理しているB社にいきなり

「もうやらん!」

なんて言われたら、誰だって困ります。物件を人質にした脅しと同じです。

私:「これを機会に他の業者さんに管理をお願いしてみたらどうですか?当社でも地元でやってる業者さんご紹介出来ますし」

と色々と提案したものの、

「今更一から人間関係を築いたりしていくのは面倒だし・・・」

ということで、Aさん、なかなか腰を上げそうにありません。このままではどうにもラチがあかないので、最後の手段を取ることにしました。B社と直接交渉に乗り出したのです。ただ、今までの経緯から、

「取引を認めてくれ(*そもそもそういう依頼をしなければいけないこと自体おかしな話ですが)」

と言ったとしても、認めるはずはないと思っていたので、

「そちらが売主側の仲介に入る形で、共同仲介としよう」

と提案することにしました。つまりB社は、なんにもしなくても、何百万もの手数料が入ってくる訳です。Aさんがゴリ押し出来ない以上、これでダメならもうお手上げです。・・・結果からいうと、話し合いも何も最初からケンカ腰で、こちらの言うことに聞く耳を持ちません。

「こっちは何十年も付き合ってやってんだ!」

「今更あんたんところの世話にはならないよ!」

「大手は依頼があれば、人んとこのお客を横から取ってくのか!」

と、言いたい放題。これはもうどうにもならないと悟った私は、

私:「あなたは言ってることおかしい!」

冷静に感情的にならず話していたのですが、最後には感情を爆発させ話し合いは物別れに終わりました。

結局、それが元で契約はなくなり、しばらくはAさんの近況なども確認してましたが、自然と疎遠になっていきました。その後、数か月してB社から売りに出したようですが、どうなったかは知りません。

「このような地域の不動産会社の話はあくまで特別で、一般的ではない」

そう思いますか?ところが、結構います。そうした人たちが共通して言うセリフが、

「先代から付き合ってやってる」

「お客さんみつけてあげてる」

この「してやってる」感が、話の端々に見え隠れします。人のふんどしで相撲取ってるだけなのに、そんなに偉いんですかね?こんな地元不動産業者も知ってるので、

大手だから・・・地域の業者だから・・・

というだけでは全然判断出来ません。会社の規模などは関係なく、最終的には取り扱う人間のレベルにかかってくるのが不動産取引です。

客付(きゃくづけ)

業界用語。物元業者が媒介を受けている物件に、自社のお客様を紹介・案内し、物元業者と共同で一つの取引をまとめる、もしくはまとめようとする行為。

客付業者」とは、客付をした不動産業者のこと。物元業者を売主側仲介業者とすると、客付業者は買主側仲介業者という。

取引態様(とりひきたいよう)

不動産取引に、不動産業者がどういう立場で携わっているのかを示すもの。以下の3種類があります。

  1. 媒介(仲介)・・・売主(貸主)、買主(借主)の仲介業者として
  2. 売主・・・・・・・・・不動産業者が売主ということ
  3. 代理・・・・・・・・・売主業者のように振る舞うけど、あくまでも売主の代理

取引態様に絡むトラブルで、不動産業者が免許を取り消されることもあります。たとえばこんなケース。

「物件の購入希望者がいないにもかかわらず、希望者がいると不実のことを告げて媒介契約を締結。その後転売利益を取得することを目的として売買代金を減額させた上で、取引態様を媒介(仲介)から売主に変更し、自ら買主として売買契約を締結した」。

詳細の記事はこちらです。

→→→ 業界新聞からのニュースを読み解く

みんな大好きしまじろうから届いたDMを見て、不動産求むチラシの無駄さについて考えた

不動産業界に入社して、

駆け出しの頃に行う業務は、

大抵どこの会社でも体力勝負のチラシ投函になるはずです。

 

私も中途採用の業界未経験で入った口なので、

さんざんチラシ投函をやってきました。

ですから多少思うところもあります。

 

不動産業界のチラシは、やってきた私が言うのもなんですが、

たいへんどぎつくしつこいので評判は最悪です。

 

大きなクレームになることもあり、

訴訟騒ぎになってしまうケースもあります。

 

大手の仲介業者には、

 

「投函禁止リスト」

 

というものがあり、入ったばかりの新人はそのリストを確認してから投函を行います。

 

ただ、確認が営業所によっていまいち徹底出来ていないため、

何も知らない新人が、今まさに大クレーム発生中の人の家にチラシを投函してしまい、

笑い話にもならない事態に陥ってしまうなんてこともあります。

 

なぜ今更そんなチラシ投函のことを書いたのかと言うと、

つい先日こんなものが届いてました。

 

しまじろうのDM

しまじろうのDM

そうです、ベネッ○コーポ○ーションのしま○ろうですね。

 

どんなに関心の薄い、ひねくれた幼児でも、

しま○ろうにだけは興味を示すということで、

 

「しま○ろうには得体のしれない魔力があるのでは?」

 

というような都市伝説もあったりなかったり。

 

入ってる内容は毎回似たりよったりで、

勧誘用の漫画冊子とチラシやシールが入っています。

子供の年齢に応じたテーマが決められていて、

今回は上の息子に向けた教材でした。

 

漫画はお母さん目線で描かれていて、

内容は毎回美しいまでの定型で・・・

 

  1. 子供が文字を書けない(読めない)、トイレに行けないなどの問題(?)を抱えていて困っている
  2. 友達の先輩ママの子供はいともたやすくやってのける
  3. 「なんで!?」と質問したところ、しま○ろうの教材を勧められる
  4. 教材の素晴らしさに目覚める
  5. パパに相談する
  6. パパ、最初はしぶる
  7. でもママの説得により結局はやることに
  8. 教材を手にしたことにより、今まで出来なかったこと、苦手だったことが徐々に出来るよう(完)

 

それほど害のあるものではないですが、

 

「人によっては不要なものを、定期的に一方的に送りつけて来る」

 

という行為は、不動産チラシとそう大差ありません。

 

ただ、1点違う所は、し○じろうは一度問い合わせをしてきたお客さんが対象になっている点です。

顧客情報(*特に子どもの年齢)を既に手にしているので、

ニーズに沿った提案をすることが出来ますよね。

この場合、子どもの年齢です。

 

個人差はもちろんありますが、

年齢によってそれぞれ子どもが抱えている問題、

というか課題(*おむつが取れないとか勉強しないとか)に大差はないでしょう?

それを的確についてきます。

 

我が家では現状入会するつもりはないですが、

不動産の求むチラシのような絨毯爆撃でもないし、

おまけでついてくるシールで子どもは遊べるし、

 

「もう送りつけてくるな!」

 

とクレームを言うつもりはありません。

 

いまは必要なくとも、毎回のように目にしていると、

 

「塾や習い事に通わせる程ではないけど、

 多少は触れさせておきたい」

 

と思った時には、安いし(月額2,000円程度)ひょっとしたら申し込むかもしれませんし、

やり方としてはとても上手いですよね。

 

不動産のチラシにはそうした観点がありません。

不動産を売ることを全く考えていない人に、

 

「売りませんか?」

 

というチラシを投げ込んでみたり、

買ったばかりの人の家に、

 

「こんな良い物件が出ました!」

 

というチラシを投げ込んでみたりと、

まったく的を得ていません。

 

  • 誰が不動産を売りたいと思っているのか?
  • 誰が買いたいと思っているのか?

 

それが分かれば誰も苦労しないのですが、

全く分からないので、

より多くより広範囲にしつこくチラシを投函することで、

問い合わせてくれる可能性を少しでも上げるしかないのです。

 

そうしたわずかな可能性にかけて、

不動産業者は投函した瞬間そのほとんどが「ゴミ」になるチラシを、

しつこくしつこく投函し続けるのです。

 

マンションによっては、チラシ投函していた不動産業者を、

 

「不法侵入だ!」

 

とおおごとにしているところもありますが、

あまり過剰な反応をせずに、

少し優しく見守ってあげてほしいものです。

 

チラシをまいている人の大半は、

入ったばかりの新人か、

うだつの上がらない営業マンなんですから。

 

もちろん確信犯的な嘘八百が書かれたチラシや、

投函頻度が度を過ぎて多いようなら、

解決する良い方法をお教えしますよ。

囲い込み(かこいこみ)

 

売主から専属専任媒介契約を結んだ不動産会社が、他の不動産業者へ一切物件を紹介せずに、自社に問い合わせしてきたお客さんにしか紹介しないこと。情報そのものをまったく公開しないパターンと、形だけレインズに登録して、「契約予定です」と言って紹介しないパターンがある。

なぜそうした行為をするかというと、他業者のお客さんで成約すると、売り手サイドからしか仲介手数料がもらえない(片手)が、自社のお客さんで決まれば、売り手・買い手双方から仲介手数料がもらえる(両手)。不動産会社によっては、専属&専任で受任したにも関わらず、片手でしか決められなければ、始末書を書かされるところもあるという。

なぜこうしたことが起こるのか?改めて整理したいと思います。その前提として、不動産仲介会社の報酬体系について理解して頂く必要があります。仲介業者がお客さんから報酬を得る方法は、

  1. 不動産購入のお手伝いをする
  2. 不動産売却のお手伝いをする

上記2点しかありません。どちらか一方のお手伝いでもいいし、双方のお手伝いをすることも出来ます。弁護士で言う所の双方代理が認められているのです。どちらか一方のお手伝いをして、報酬を得ることを業界用語で「片手」と言い、売り手・買い手双方のお手伝いをして報酬を得ることを、「両手」と言います。

ここまで書けばお分かりの方も多いと思いますが、不動産会社としては、売り手と買い手、双方のお手伝いした方が、どちらか片方だけ手掛けた時と比べると、報酬は単純に2倍となるのです。ですから不動産会社は報酬が2倍になる両手を目指すのです。

売り手と買い手、つまり購入と売却を同時にお手伝いをすることは、双方の利益を調整することから始まり、単純に作業量も増えますので、片手取り引きに比べると難易度は高くなります。売却の依頼を受けて、販売していく中で運良く購入したいお客さんが見つかった。このような自然の流れで両手取り引きが成立することに誰も異論はないはずです。

しかし問題なのは自然な流れで両手取り引きになるのではなく、「狙って」両手を目指すことです。「狙う」というのはどういうことかというと、簡単に言ってしまうと、

「他社経由のお客さんには物件を紹介せず、自社経由のお客さんにしか物件を紹介しない」

ということです。これをされてしまうと、売り手・買い手双方に以下のようなデメリットが生じます。

  • 売り手・・・早期に良いお客さんと契約する機会を逸する
  • 買い手・・・欲しいと思った物件を、扱っている不動産会社を通してしか買えない

こうして整理していくと、不動産会社の都合で売り手・買い手の利益が左右されていることが分かります。これが「囲い込み」と呼ばれるものです。業界の悪習であり「悪臭」。

宅建免許が取り消される悪徳不動産会社

先日、業界新聞に、とある不動産業者が免許を取り消しになったというニュースがありました。運転免許がなければ車を運転してはいけないように、宅建免許がなければ不動産業を行ってはいけません。

運転免許は違反をすれば点数が引かれていき、なくなると免許停止、免許取り消しとなります。宅建免許も同じです。点数はありませんが、悪いことばかりしていると、今回のニュースのように免許が取り消されます。なぜ取り消されたのか?ちょっと見てみましょう。

『複数の顧客との間でマンションの売買の仲介業務を行ったが、その中で、

  1. 媒介契約書を売主に遅滞なく交付していない
  2. 重要事項説明書に必要な記載がない(手付金の額、私道負担など)
  3. 物件の購入希望者がいないにもかかわらず、希望者がいると不実のことを告げて媒介契約を締結させ、その後転売差益を取得することを目的として代金を減額させた上で、取引態様を変更し、自ら買主として売買契約を締結した』

まあ不動産業者として、当たり前に行わなければいけないことをやっていない、ということです。文面を読んでもらえればなんとなく理解出来ると思います。しかし一般の方にイマイチ伝わらないと思うのが3.です。ざっくりと要約するとこうなります。

『実際にはお客さんなどいないのに、

「当社にはお客さんがいます!だからお任せ下さい!」

とウソを言って売却の依頼を受けました。その後、お客さんがいると言ったにも関わらず、売れないと伝え、徐々に販売価格を下げていきましたが、それでも中々売れません(正当な販売活動を行っていたかは疑問です)。売主さんが大分弱ってきた所で、すかさず、

「ここまで金額を下げても売れないとなれば、お客様の物件は需要があまりないのかもしれません。こうなるとさらに金額を下げていくしかありません。・・・だけどそれだとお客さんも気の毒ですし、困ってしまうでしょう?お客さんを助けると思って、特別に!この金額で当社が買わせて頂きますが、いかがですか?特別ですよ!」

仲介業者だったはずが、いつの間にか「買主」になりました(取引態様を変更)。ここまで不動産業者のいいなりになっていた売主さんは、

「これ以上安くなってしまうなら・・・買ってもらえるんなら・・・」

ということで、言い値で売買契約を結びました。』

ということです。

「転売差益を取得することを目的として」

とありますから、その会社は言い値で買った不動産を、後日、正当な価格で売りに出し、差額を手にすることが当初からの目的です。実際に売主と不動産業者の間で、上記のようなやりとりがあったのかどうかは謎です。いずれにせよ、売主の弱みに付け込んだ、恐らく詐欺的な似たようなやり口だったのでしょう。怖いですね。良い取引は良い不動産業者選びから!気をつけましょう。

その他にも色々悪徳行為はあり、以下のようなものがありますのでご参考に。

■悪徳業者A

  • 賃貸物件の仲介を行うに当たり、ポータルサイトに物件を掲載したが、そのどれもが契約済みで取引出来ない物件だった(おとり広告)。また、賃料、管理費、礼金、敷金を実際より安く表示

■悪徳業者B

  • 賃貸の仲介を行って契約をしたものの、貸主に渡すべき敷金を支払わなかった

■悪徳業者C

  • 買主とマンションの売買契約を結んだが、午後8時から深夜1時半までの長時間にわたり勧誘をした
  • 「買わない!」と断っているのに、しつこく勤務先にまで電話をかけてくるなどした

■悪徳業者D

  • 戸建ての売買契約を行ったが、売主に媒介契約書を交付しなかった
  • 限度額を超えて報酬を受け取った
  • 不当に高額な報酬を要求した
  • 売主と合意していないのに、「企画料」名目で金銭を要求

■悪徳業者E

  • マンションの売買契約を行ったが、重要事項説明書・契約書に、日付や売買金額や手付金の額を記載しなかった
  • 融資申し込みの際、買主の預金通帳を改ざん。預金残高を多く見せそれを使用して融資手続きを行った

最後なんかもう完全に犯罪ですね。仮にみなさんが今後、これらの行為を不動産業者にされたら、それは業務停止処分をされるほどの悪徳行為だということですよ。

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悪徳業者については書いていませんが、私が持つ住宅ローンの知識を全て詰め込んでいます。一生モノとなる住宅ローンの知識・教養を、この機会にぜひインストールしてください。

決済(けっさい)

「引き渡し日」とも、「本契約」ともいう。取引に関わった不動産会社のほか、司法書士も同席。買い手は購入した物件の残代金を支払い、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金の精算を行い、所有権の移転が行われ取引が完了する。これら一連の行為を「決済」と呼ぶ。

銀行で融資を受ける場合、決済場所は融資を受ける銀行の支店で行う。所用時間は早くて30分。5日と10日が付くいわゆる

「ゴトー日(*15日、25日など)」

は銀行が混むため、かなり時間がかかる。平均1時間前後。遅くて2時間。年度末だと混雑っぷりは殺人的で、何時間も待たされることも・・・。

現金取引の場合は、決済場所はどこでもいい。一般的には不動産会社や銀行で権利証など書類の確認を行い、確認が出来次第、近場の金融機関に行き残代金を振り込む。

当日中に売り手の口座に着金確認できることが前提。さらに権利移転の手続き書類を、司法書士が法務局に持ち込むが、役所なので17時までしか開いていないため、どんなに遅くとも13時過ぎ位までには手続きを終えておく必要がある。年度末や銀行が混んでいる日を避けて、決済日を段取りする不動産会社の如才なさが何より重要だったりします。

 

お茶は出てきません

買い手のほとんどが金融機関から融資を受けて不動産を購入することになります。ですから、大体融資を受ける銀行で決済を行うことが通常です。

 

 

いつもは銀行の窓口にしか用件がなくとも、決済は一大イベントです。金融機関にもよりますが、買い手・売り手のどちらかが金融機関のお得意様(*大口契約者や法人口座)だったりすると、この写真のような応接室で行われることもあります。この写真の応接室を使った時の話ですが、買い手はこの金融機関の大口のお得意様でした。

その日、滞りなく手続きは済んだあと、銀行の担当者が、腰を低くしながらお得意様である買い手さんへ揉み手をしながら一言。

「お茶も出さずに申し訳ありません」

と挨拶してました。

お金を金融機関から借りる人は少なくとも銀行にとっては大事なお客さんなはず。つまりお客様相手のサービス業といってもおかしくありません。しかもこの時の買い手さんは何度も利用しているお得意様。にもかかわらずお茶の一つも出ない。これはなぜなのか?

「お茶も出さずに・・・」

と、担当者が謝ったということは、申し訳ないという認識は持っているということです。ということは、

「お客様にはお茶を出してはいけない」

と、厭味ったらしくいうとマニュアル化でもされているのかもしれませんね。

別にお茶を出して欲しい訳ではありません。ただただその感覚(?)が不思議でならないというだけです。

というわけで、決済ではお茶は出てきませんのでご注意ください。

決済が緊張する理由

不動産取引のクライマックスである決済は何度やっても緊張しますが、無事終わった後の解放感は格別です。不動産会社にとってもそれだけ緊張するのが決済です。緊張する要因として

「扱う金額が大きいから」

というのも確かにあります。一般の人が生涯で一番高い買い物が不動産ですからね。それに携わる責任は重大です。だけどそれ以外にも緊張する要因はあります。

決済はその日に合わせて多くの関係者が一堂に介するため、売り手・買い手含めて、スケジュール調整が重要です。お客さんが仕事をしていない人だったらまだしても、そんな人たちばかりではありません。銀行で融資を受けるには、金融機関が営業している平日でなければいけません。仕事の調整をつけて、午前半休を取ったり貴重な有給を消化して、その日のために日程を合わせます。

その他にも売り手・買い手への当日準備するお金や、用意する書類や流れの説明、連絡。司法書士への必要書類の確認。銀行担当者とのお金の流れの確認などなど。

「決済は段取り8割、いや9割」

と言ってもいいくらいで、前日までに段取りを完璧にやっておけば、本来スムーズに行くのが普通です。・・・しかし、たった一つ落とし穴があります。それがお客さんの

忘れ物!

です。どんなに神経を張り巡らし、関係機関への連絡を万全に行って、当日は粛々と作業を実行するだけだったとしても、全てが一瞬でフイになることがあります。そ・れ・が!

忘れ物!

忘れ物があると、全員の都合を合わせて当日を迎えたにも関わらず、日程から何から何まで全て仕切り直しになってしまいます。今までこうした理由で決済が仕切り直しになったことは何度もあり、その際の忘れ物は以下の通りです(複数回含まれます)。

  • 権利証
  • 身分証明書(特に免許を持ってない人)
  • 通帳印(出金手続きが出来ない)
  • 通帳(口座番号が分からないため支払口座や振込先が分からない)

他にも色々とあった気がしますが、主に思い当たるのが以上の4点。これらは売り手・買い手に用意してもらうもので、間違いのないように我々も事前にアナウンスします。場合によっては前日の夜に確認の連絡もしますが、こちらがどんなに万全を期したと思っていても、忘れるときは忘れてしまいます。

一見すると不動産会社に責任はないように思えます。ただ、取引を最後までまとめきるというのが、我々仲介業者の責務であり、その対価として仲介手数料が存在します。原因がお客さんの忘れ物だったとはいえ、取引を遂行できなかったということは、責任を果たしていないということです。

忘れ物を「させて」しまったのも、忘れないように伝えることが出来なかったのが悪いのです。だからどんなに万全に準備をしたと思っても、全てが終わってからでないと安心できないのです。ですから、金額の大小ではなく、決済が終わった時の解放感はやはり格別なのです。それはきっと不動産を売却した売り手、購入した買い手、全員にとって素敵な瞬間であるはずです。

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私が持つ住宅ローンの知識を全て詰め込んでいます。一生モノとなる住宅ローンの知識・教養を、この機会にぜひインストールしてください。今回記事にした決済についても、詳しく書いてありますよ。

インスペクション(住宅診断)

建物診断の事。ここ数年、今までのような、「建てては壊す」というスクラップアンドビルドを見直そうという動きが強くなってきている。資源を有効活用するために、中古住宅を再生して流通させる仕組みが出来始めている。具体的には構造上何か問題がないか?耐震強度は大丈夫か?などを調査すること。

中古住宅の流通を促進する為の試みだが、現状は完全に普及されているとは言い難い。まず売り手と買い手、どちらが費用を負担するのか、ということだが、今現在は希望する買い手が自己負担で行うことがほとんどだ。確かにこれから売る自宅や不動産に、売り手自ら費用をかけて診断を行うとは中々いきません。

仮に買い手負担でインスペクションを行いたいとしても、買うか買わないか分からないお客さんに売却物件の「あら」を探すようなことはして欲しくないというのが、売り手のまっとうな心情だ。測量仲介手数料などのように、売却にかかる諸経費の一つとして認知されるようになれば、より普及してくるのではと予想する。費用はまちまちだが、建物診断というオフィシャルな資料があるかないかは、購入を検討するお客さんにとっては、背中を後押しする強力な武器になることは間違いないと思う。コストパフォーマンスは極めて高いと感じる。

そのような背景もあり、売主が事前にインスペクションを実施し、建物に問題ないという公式な裏付けを取った上で売却に出すということも増えてきている。

<平成27年4月27日発刊、日本経済新聞より>

2015-04-27 16.51.16

専門家が劣化状況を調べる住宅診断を徹底し、仲介業者に販売時の説明を義務付ける。購入後に欠陥が判明するケースを防ぐ。~中略~ 少子高齢化で空き家が増えており、資産価値の高い中古住宅の流通を促す<平成27年4月27日、日本経済新聞より引用>

来年の通常国会に、宅地建物取引業法改正案を提出すると新聞記事に出ていました。

不動産会社単位で、売却物件に住宅診断(インスペクション)を行っているところはありますが、法案化されると、不動産仲介業者に診断内容を報告する義務が生じます。重要事項説明書に説明箇所を増やすことで対応しようとしているそうです。

住宅診断の費用をどちらが負担するのかなど、詳細はまだ決まっていませんが、普通に考えれば売り手側で負担することになるのではないでしょうか。売り手側の諸経費が、住宅診断分増えることになります。その点、売り手はどう思うのでしょうか?気になるところです。

買い手は安心感を得ることができ、あくまでも案ですが、住宅診断通り欠陥がなければ、買い手に修繕請求権を放棄させることも考えられているそうです。売り手にもメリットがある話です。

中古住宅の流通を促進させる狙いがありますが、住宅診断によって建物の真の実力が浮き彫りにされるともいえます。いままで当たり前のように売れていた物件が、診断結果によっては

「とてもじゃないが売れる状態ではない」

「安くしないと売れない」

という側面が出てくる可能性があることにも注目していきましょう。

不動産営業マンの勘違い

不動産業者の営業マンは、「営業力」という言葉の意味を誤って認識している人が多くいます。

「買う気のない人、売る気のない人を、その気にさせる力が営業力である」

と、このような認識を持っています。確かに物件情報が不動産会社にしか集まらなかった時代はそうだったかもしれません。どんな物件が市場にあるのかを誰より知っているのは、不動産会社の営業マンであって、お客さんは一方的に与えられる情報にも信憑性が感じられたんだと思います。

「早くしないと売れちゃいますよ!」

「これがお客さまの条件にはピッタリの物件で、これ以上のものはありません」

「もう2度とこんな物件でてきません」

というようなセリフも、お客さんが現在のように情報武装していなかったからこそ、通用したセールストークです。ところが今はネット社会。不動産会社の営業マンよりも、物件に詳しい人なんてざらです。

「買わせる・売らせる」

ことを営業と思っている不動産業者や営業マンは、今後ますます厳しくなるでしょう。では、ここでいう本来の意味での「営業力」とは、なんでしょうか?それは以下の二つ、

  • 購入する・売却するに必要な材料を様々な形で提供する提案力
  • お客さんとの人間関係を構築する力

これに尽きると思います。「営業力」という言葉があまりしっくりきませんね。

例えば、契約直前、お客さんから購入判断を鈍らせてしまう恐れのある情報があったとします。その情報を伝えることで、ひょっとしたらまとまった契約がダメになってしまう可能性をはらんでいたとすると、それを避けたい不動産会社は、情報の提供をうやむやにすることがあります。契約直前で話が壊れるのは確かに嫌かもしれませんが、仲介業者としての本分を忘れたらいけません。

その場の契約はなくなり、時間はかかるかもしれませんが、正直な情報を提供するということは、結果的にお客さんからの信頼をより得られる行為だと思います。インターネットが発達し、不動産会社に与える影響は小さくありません。便利になった反面、おとり物件の横行など、却って不正の温床になってしまっている側面もありますが、逆に本来の意味での営業活動を行う不動産会社が増えてくるのではないかと予想しています。