空き家問題の原因とは?

空家が増え続けているのには、どのような背景があるのだろうか?以下、産経ニュースからの記事を引用する。

最大の要因は住宅の供給過剰だ。<略>住宅総数は総世帯数を上回っている。2013年も818万戸の超過である。これでは、住まなくなったからといっても、立地や使い勝手がよくなければ簡単に売却や賃貸とはいかないだろう。

しかも、少子化で相続する子供が減った。相続人がいても、若者世代が都会に出たまま帰らず“田舎の家”には価値を見いだせないというケースは多い。少子化の進行に伴い、さらに空き家が増えると予想される。(引用:産経ニュース)

需要と供給のバランスを取ることが、市場を適正に運用していくために必要な要素なのに、住宅業界はその部分をないがしろにしてきた。しかし、住宅業界だけに責任を押し付けることはできない。なぜなら消費者の「新築志向の強さ」と、日本政府の政策が、住宅業界にスクラップアンドビルドに拍車をかけた要因の一つとなっているのだから、と併せて記事では書かれている。

背景には日本人の「新築志向」の強さがある。政府も住宅ローンの控除など新築住宅の開発を促す政策を推進してきた。住宅取得が進めば、家電製品や家具など需要が伸びるとの計算だ。歴代政権にとって、分かりやすい「景気浮揚策」だったのである。

持ち家率が6割を超した現状においては、新築住宅の推進政策はその“歴史的役目”を終えた。空き家をこれ以上増やさないようにするためには、中古市場整備へと政策シフトを図ることだ。解体ばかりでなく、「社会の資源」として再活用する視点も求められる。移住者向けや公共住宅へのリフォームを後押しすることである。(引用:産経ニュース)

人口が増え続けている時期には効果的だったかもしれないが、そうした時がずっと続くことは考えられない。「今が良いから」と問題を先送りにした結果が、今になって空き家問題となって噴出してきているのだろう。今まで以上に、不動産の活用を積極的に考えていくことが、これからの時代には必要となってくるのだろう。政府や業界にはそのような施策をどんどん推し進めていってもらいたい。

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