売却依頼する不動産者を決める要素は査定金額ではない
基本的に不動産会社の提示する査定価格は、若干の誤差はありますが、差はほとんどありません。なぜなら査定金額を出す際に参考にする成約事例や売り出し事例は、どこの不動産会社もおおむね同じものを参照するからです。
逆に同じ情報を見ていながら、極端に高い査定金額を提示してくるような不動産会社は、単純に能力不足か、とりあえず媒介契約だけ取ろうと考えているかのどちらかでしかありません。
耳障りの良い査定金額を聞いて喜ぶのではなく、他の不動産会社の査定価格と、なぜこんなにも開きがあるのか?に疑問を持ちましょう。(だから不動産一括査定には意味がない!という記事はこちら↓です。)
なにを重要視するべきか?
- 売主の事情を踏まえて、適切な売却プランを提案してくれるかどうか?
- 適切なタイミングで条件変更の見直しを提案してくれるかどうか?
- 当たり前のことを当たり前にやるかどうか?
担当者との相性も重要ですが、ひとまずは上記3点をもとに、売却を依頼する不動産会社を選びましょう。
3.については少し補足が必要ですので、以下に事例を元にして突っ込んで解説します。
売却するために重要なことは?
売却するためには、少しでも多くの人に物件の情報を触れさせ、少しでも多く内見してもらうことです。内見したのが100人だったとしても10人だったとしても、購入できるのは1人のみです。
しかし、結果1人かもしれませんが、成約に至る確率を少しでもあげるためには、多くの人に見てもらうことが必要です。
もちろん、物件情報を出しすぎることで、逆に売れにくくなってしまうこともあるので、その辺りはよく戦略を考えなければいけませんが、その辺についての話はまた別の機会に。
売主から売却を依頼された不動産会社は、少しでも多くの人に物件情報を届ける義務があるのです。
成約に至る可能性を自らつぶしてしまう不動産会社
そんな義務があるのですが、今朝、こんなことがありました。
明日、案内しようと思ってたマンションを扱っている某大手不動産会社に問い合わせたら、「明日は動けないから対応できない」と言われた。売却を依頼した売主さんが知ったらどう思うだろう?
— 楯岡悟朗@ #住宅ローンのしくみがわかる本 出版 (@gorotateoka) 2018年6月22日
大手なんだから人はいっぱいいるはず。担当が動けなくても、どうにか調整付けて、少しでも多くのお客さんに見てもらうよう尽力するのが仲介業者の役割。しかも空き家の物件。カギは預かっているはず。
— 楯岡悟朗@ #住宅ローンのしくみがわかる本 出版 (@gorotateoka) 2018年6月22日
もちろん、カギの管理はオーナーさんの財産を守る観点から非常に重要。なので、貸し出しに慎重になるのは分かるが、いつ誰に貸して何時に戻って来たかをしっかりと管理しておけばほとんどのトラブルは防げる。
— 楯岡悟朗@ #住宅ローンのしくみがわかる本 出版 (@gorotateoka) 2018年6月22日
この物件は空き部屋ですから、一時的にカギを貸し出してくれてもいいはずです。不動産という大きな財産のカギですから、貸し出すことに慎重になるのはわかります。
しかし、どこの業者が何時に借りに来て、いつ返却予定か把握して、借りに来た際に名刺を預かっておけば、もし何かトラブルがあったとしても、責任の所在は明らかにできます。
貸し出しが社内ルールで絶対にダメだったとしても、大手ですから営業マンはたくさんいるはずです。事務員だっています。なんなら責任者だっています。
本人が対応できなかったとしても、代わりに現地にいってもらうとか、どうにでも対応できるはずですし、それを調整するのが担当者のはず。何も特別なことではなく、当たり前のことです。
信じて依頼してくれた売主さんの物件が売れるかもしれない貴重なチャンス!それを無駄にすることが信じられない。売却機会を逃す大きな機会損失である。
— 楯岡悟朗@ #住宅ローンのしくみがわかる本 出版 (@gorotateoka) 2018年6月22日
「忙しくて動けないから」
という理由で、成約に至るかもしれない案内を、フイにされたことを知ったら、信じて依頼した売主さんはどう思うでしょうか?
まとめ
このように、当たり前のことを当たり前にこなすことが重要なのですが、意外にそれすらやっていない不動産会社が多いのも事実です。
結果、成約に至っているので問題にはなっていませんが、
「売れれば文句ないんだろう?」
などと、成約に至るプロセスをないがしろにすることはできません。
当たり前のことを当たり前にできない不動産会社には未来はありませんし、お客さんもそのような不動産会社に、大事な資産を任せるべきではありません。
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