売却中に金額交渉があった場合の考え方

不動産を売却開始後、購入の申し込みが入ってきたとします。しかし、価格交渉がある。例えばこんなケースです。

「物件価格が5,480万。5,200万での申し込み。」

特に販売開始後だと、「ひょっとしたらもっと高い金額を提示してくれる買い手が見つかるかもしれない」と考えてしまうので、なかなか悩ましい問題です。こんな場合に、売り手が後悔することなく、判断を迷わないためには、どのように考えておくのがベストでしょうか?

「次にいつ入って来るか分からない買い手をあてもなく待つのは得策ではない。まとめた方が良い」

と、余程のことがない限り、そのようなアドバイスを行う不動産会社が普通だと思います。特に「3か月以内にどうしても売りたい」など、売却に掛けられる期間に限りがある場合には非常に的を得た回答だと思います。恐らく私も一度はそのようにアドバイスするでしょう。

なぜなら今回よりも高い購入価格を提示してくる買い手が、残された期間内に現れるかどうかは誰にも分からないし、それどころか今回断った5,200万という価格を提示してくれる買い手が、再び現れるかどうかは誰にも分からないからです。

握手

不動産会社は「これもご縁です」という都合の良い一言で片づけてしまうことが多いのですが、しかし一番最初に入ってきた条件が、振り返ってみると実は一番良かった、ということが不動産取引には実に良くあります。統計取った訳ではないので、根拠となるデータはありませんけどね。売却にかけた時間分、比例して高い金額で売れるのであれば、販売期限ぎりぎりまで粘るべきでしょうが、残念ながらそんな都合の良い話はどこにもありません。

もちろん、売り急ぐ必要が全くなく、「希望額で買ってくれる買い手が現れるまでひたすら待ち続ける」という希望を持った売り手だと話は違ってきます。もしそうなら、売り手の希望・気持ちを無視して、入ってきた話でまとめようとする不動産会社のアドバイスは、的を得たものではなく、早くまとめたいと願うだけの不動産会社の不誠実な回答となってしまうでしょう。

「今入ってきている条件でまとめるか?」

「少しでも高い金額で買付が入ってくるまで待つか?」

決めるのはもちろん売り手自身ですが、迷い始めたら最後、この問題に出口は見つかりません。どちらをとっても結局は「もう少し高い金額で売れたはず」「やっぱり・・・あの時売っておけば良かった・・・」と少なからず取引自体を不満に思ってしまうからです。そうならないために、売却のプロである不動産会社の協力のもと、以下のことを売却を始める前に明確にしておくべきです。

  • 販売にかけられる期間とその根拠(なぜその期間なのか)
  • 確実に売れるで「あろう」金額の把握
  • 売却しても良いと思う最低価格

中でも「確実に売れる金額の把握」。これが重要!つまり査定です。査定を間違わなければ、そしてその査定金額を売り手が理解しておけば間違いないでしょう。言い方を変えれば、間違いのない査定をちゃんとやってくれる不動産会社を見つけることが売却成功の第一歩ということです。

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