私も良く知る、妻の高校時代の友人を数件案内したときのこと。諸条件はありますがなにより一番の希望は、
「多摩川に近いこと」
休みの日に多摩川沿いでビールを飲んだり、土手を走ったりとにかく自分の庭のように使いたいのだそう。大震災の影響で、
「川沿いは不安」
とデメリットに感じるお客さんもいれば、今回のように、川沿いに住むことに大きなメリットを感じる人もいます。物件を探している人や、これから収益物件を建てようと考えている人には、
「何か一つでもこれだけは負けない!」
という特徴を持った物件を検討、もしくは建てることをお勧めしています。どちらかに思いっきり振り切れてる特徴を持つ物件は、それだけで大きなアピールポイントを持つことになります。どの条件も程ほどの物件だと(*そうした物件が悪いとはいいませんが)、ヌボ~っとした特徴のない物件になってしまいます。この写真はマンションを出てすぐの光景です。確かに開放感があって、ここを庭のように使えたらいいだろうなあと、思えたとても気持ちが良い物件でした!
バランスが取れている物件と取れていない物件
駅から遠い上に山坂があり、道路は対向車が来たらバックで戻らなければいけないような場所にある物件があったとします。お世辞にもアクセスの良いマンションとはいえないけれど、マンション自体はリゾートマンションの趣きで、グレード感はものすごく高いのに、販売価格はお手頃。なぜかというと、当然のことながら、そこまでのアクセスが悪いからです。あっちが良ければこっちが悪い。すべてが平均点以上の物件というのはありえません。良いところがあれば悪いところもあるというのが不動産なのです。1,000万のマンションだろうが何億もする戸建だろうが全てそうです。
個人の趣味嗜好がからむ話なので、必ずしもそうとは限りませんが、アピールポイントに極端に大きく傾いている方が、物件探しにおいては良い気がします。買った後の満足感も高いのではないでしょうか?バランスが取れている物件というのは悪く言うと特徴がないということでもあります。
「駅からどうしようもなく遠いし古いけど、部屋からの眺望は本当に最高!」
「築年数も古くて間取りは使いにくいけど、駅から直結!」
例として挙げましたが、このように他にはないストロングポイントがあるということは、差別化につながり物件として唯一無二なものになるのです。
人間も同じだと思います。何かに秀でた人間は、それ以外の所で欠点を持っているものです。でも、なんでもそつなくこなす人間よりも、そうした圧倒的なアピールポイントの人間の方が、魅力的に感じることが多いのはそのためです。
物件を探して何年も経つお客さまもいますが、ひょっとしたらすべてが平均点以上の物件を探しているのかもしれません。ちょっと視点を変えて、
「他は平均点以下だけど、ある1点は120点!」
という観点で物件を探してみるのも良いのではないですか?
物件探しのお供に。一生モノの住宅ローンの知識を身につけてみませんか?