【達人への道】合気道について知っていることを有段者になったばかりの私が偉そうに語ります

前回、2年半越しに合気道の初段を取ったこと、合気道を始めるに至った経緯を記事に致しました。

こちらの記事をご覧ください

今回は私なりに合気道を続けて思ったこと、理解していること、感じたことを有段者になったばかりにもかかわらず偉そうに記事にしたいと思います。

合気道とは?

そもそも合気道とはどのような武道でしょうか?まずはこちらの引用をご覧ください。

合気道(あいきどう・合氣道)は、武道家・植芝盛平が大正末期から昭和前期にかけて創始した武道。植芝盛平が日本古来の柔術・剣術など各流各派の武術を研究し、独自の精神哲学でまとめ直した、体術を主とする総合武道である。
 
【概説】
「合気道」とは「天地の“気”に合する道」の意。
 
柔道・剣道・空手道等と並ぶ、21世紀初頭の日本において代表的な武道の一つである。大東亜戦争(太平洋戦争)終了後、一般社会への普及が始まり、日本のみならず世界で大きく広まった。
 
合理的な体の運用により体格体力によらず相手を制することが可能であるとしている点が特徴。
 
技の稽古を通して心身を練成し、自然との調和、世界平和への貢献を行う等を主な理念とする。
 
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

柔道や空手はオリンピック競技にもなっている世界的な武道です。知っている人も多いのではないでしょうか。それに比べて合気道のことを知っている人は、私の肌感覚ですがあまりいないと思います。

ですが、日本人の認識している以上に合気道は世界的にも人気の武道の一つです。私が通っている道場にも、海外の稽古生が何人も来ています。武道としての神秘性を強く感じることから、海外の人の琴線に触れるのではないかと想像しています。

試合はなく技の稽古(感謝の正拳突き by ネテロ)

合気道は空手や柔道、剣道のように試合はありません。二人一組で行う技の稽古がメインです。

もちろん、合気道の大会はありますが、そこで行われるのは試合ではなく、技を披露する演武会です。偉そうに書いていますが、私は出たことも観に行ったこともありません。

合気道という武道を初めて知ったとき、試合がないことを物足りなく思ったものです。やっぱり練習の成果は試合に勝つことだと思っていたので。

しかし、いまはそれが合気道の持つ精神性に結びついているのではないかと思うようになりました。対相手ではなく、技をかける自分、技をかけられる自分に焦点を当てることになります。技を通して自分との対話を行うのです。

同じ技でも、初段と4段、5段の人の技の完成度は全く違います。同じ動きをしているはずなのに、最小限の動作で態勢を崩し技をかけてきます。様々な技を時間をかけて研ぎ澄まし練り上げていくことが、合気道を続ける醍醐味であり大きな目的になるでしょう。

ついてこれない人は全くついてこれませんが、人気漫画「ハンター・ハンター」のネテロ会長の「感謝の正拳突き」をイメージしたらどうでしょう。

一つの技(正拳突き)を1日1万回続けるうちに、その技は極限まで研ぎ澄まされ、いつしか技の速度は音を超えます(笑)

著作権の問題があって画像アップできないのは残念ですが、興味のある人は

感謝の正拳突き

と検索したらやまほど出てきます。

実際にハンターハンターの連載が再開されるまで、正拳突きを行っているYoutuberもいます。これはリンク張っておきます。

ただただ正拳突きを繰り返すだけの10時間の動画です。アホかと。

しかし、すでに約8万人の登録者数がいてコメントも数多くついています。これだけ突き詰めれば一つのコンテンツになる時代なんだなと感心してしまいます。

稽古の様子

最初に指導員が技の見本を見せて、それから二人一組で技を掛け合います。1回の稽古で3つくらいの技をします。道場生の下は中学生、上は70歳と世代も性別もバラバラ。

最初は退屈に感じるかも

合気道にたいしてそれなりの予備知識を持っておかないと、初心者の技は退屈に感じるかもしれません。

例えば以下の動画。「転換」という合気道における基本ともいえる体さばきですが、観たらわかる通り非常に地味です。動画では一人稽古ですが、二人一組でこれをひたすら繰り返す稽古があります。

この単純な動作を繰り返し行うことが、のちの技の練度につながっていく!1,000里の道の小さい一歩、ローマは1日にしてならず、ということを理解していないと、

退屈で思ってたのと違う、つまらん

と感じてしまうかもしれません。

これだけの動作とはいえ突き詰めればいくらでも突き詰めることができます。

しかし、決して派手な動きではなく、かつ運動してる!という実感も持ちにくい動きなので、派手な合気道の他の技にくらべてつまらない、と感じてしまうのも理解できます。

昇級・昇段がモチベーションになる

武道には昇級・昇段があります。

できなかった技ができるようになる。苦手だった技がスムーズにできるようになる。そうした嬉しさはもちろんありますが、それが級・段といった形で可視化されるのが昇級・昇段システムの素晴らしいところです。RPGゲームのレベルアップのようで続けていく大きなモチベーションになります。

空手や柔道など試合がある武道もそうですが、大会で優勝したら一気に7段、8段になるというものではありません。長く続けていなくては、例え試合で強かったとしても高段位者にはなれません。

合気道はそもそも試合がありません。長年にわたり技を磨き続けなければ高い段にまでたどり着けません。

私が通う道場にも恐らく70代位の方がいますが、すごいです。技をかけられたとき、本当にあっさりとこちらの態勢を崩してきますし、力まかせではないのにズシン!と力が伝わってきます。

前回り受け身、後ろ受け身と畳上を縦横無尽に転がりまわりますし、ホント、こんなに動ける元気な70代、見たことがありません。

自分も長く続けていけば、こんなふうに元気な70代、80代になれるのかなあ、と思います。

やって良かったと感じたこと

ここからは私が合気道初めてよかったな、って思ったことを書いていきます。

ちょうどいい有酸素運動

ホント、ちょうどいいです。老若男女全員が同じ稽古をします。全員にとってちょうどいい感じの有酸素運動です。

「それ系」の本、何冊も読んでますが、ちょうどいい有酸素運動は健康にもアンチエイジングにも脳にとっても最強のサプリメントだと言われています。

「それ系」でおススメの本は以下の3冊。

どの本も豊富な研究結果をもとにして書かれた本で、非常に読みごたえがあります。

私自身、運動することは比較的習慣化されているのですが、それでもちょっと面倒に思ってしまうことはあります。そんなモチベーションが下がり気味なときに読むことで、やる気がグググ!と盛り上がってくる良書です。

これら本を読めば、運動しないという選択をする人はいないのではないかと思うくらい、適度な運動の習慣は人類社会にとっては最強!だということが分かると思います。

身体の左右バランスが整う

右利きの人は普段は右、左利きの人は左と、人間利き腕がありますが、合気道は交互に同じ技を行います。

片方に寄りすぎたバランス矯正を、日常稽古を通じて行うことができます。プロ野球選手、プロゴルファーも利き腕ではない側で素振りを行うことで、身体のバランスを取っているようです。

瞑想と同じ効果がある(と思う)

ヨガは「動く瞑想」と言われていますが、合気道にも近いものがあります。

稽古中は組んだ上段者からの指導がたまにありますが、基本はすり足の音と息遣いだけが聞こえてきます。そんなピーンとはりつめた道場の雰囲気の中、一つの技に向き合うという経験は、スマホやPCから常になんらかの情報にさらされている現在においてはなかなか体験できない貴重な時間です。

稽古が終わると、適度な有酸素運動を行ったということもあり頭もスッキリ、爽快!な気分で道場を後にしています。

稽古後の余韻を楽しめるのも醍醐味の一つですね。

最後に。袴が畳めない・・・

稽古後、有段者は袴を丁寧に畳みます。折筋を整え、たたみ、帯を結ぶ。みなさん手際よくたたんでいきます。

・・・ところでみなさんは私の苦手なことをご存知ですか?それは丁寧に畳んで片づけること、です。

洋服を買いに行ったとき、陳列されている服を広げてしまうと2度ともとに戻せません。売り物をグシャ!っともとに戻すのも気が引けるので、私が広げるときは買うと決めたときだけです。

そんな私にとって、袴を丁寧に畳むという行為は、初段になるよりも難しいものです。

袴をつけるようになってからしばらくたちますが、恥ずかしながらいまだに一人で畳めたことはありません。。。

いままでは道着だけでしたので、稽古後は一番に道場をあとにしていましたが、袴を畳むようになってからは毎回私が最後です。。。

自宅で練習しようにも、一度広げてしまうともとに戻せないため、次の稽古にはぐしゃぐしゃの状態で持っていかなかければならないのでそれもできません。指導員の方の手順をスマホで撮影したので、それをみながらイメージトレーニングするしかないのです。

まずは折筋をピシッ!と揃えつつ、左右を畳みます
折り目がずれないように足先をそ~~っと持ち、真ん中あたりで畳んで・・・
こうします
ひっくり返して・・・
帯を畳んでいきます・・・が、このあたりから怪しくなります
左右両方を三つ折りにして・・・
この辺でもうダメです・・・
もうさっぱり・・・
完成・・・

新米有段者なので、周りの有段者の方も親切に教えて下さいますが、いつか愛想をつかされるのではないかとビクビクしています。

偉そうにこんな記事書いてますが、袴ちゃんと畳めるようになってから書けって感じですね。

Pocket