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転勤で自宅を貸す場合の3つの注意点

人事異動に伴って、転勤で自宅を貸すことになった新人オーナーさんもこの時期は多いかと思います。当社にも数組ご相談がありましたが、自宅を貸す際には注意しなければならないポイントがあります。今回はそのポイントについて解説していきます。

貸す前に室内のメンテナンスが必要

自分たちの荷物を運び出せば、そのままの状態ですぐに貸しに出せるといったらそうではありません。専門業者による最低限のハウスクリーニングは必須ですし、クロスや床の目立つ傷や汚れは直した方がいいでしょう。

室内をピカピカにする必要はありませんが、清潔感は与えられるようにしましょう。これから住む人たちには、前入居者の存在はできるだけ感じさせない方がいいのです。

(住宅ローン利用者は)金融機関へ報告

住宅ローンを返済中であれば、金融機関に転勤になって、貸すことになった旨を報告しなければなりません。勝手に貸してしまうと、のちのちトラブルになることもあります。

「金融機関にバレっこないです、大丈夫です」

と、いい加減なアドバイスをする不動産会社もありますが、とんでもないことです!金融機関には必ずバレます。

年に何度か、金融機関からローン利用者に残高証明書などの通知物が配送されます。金融機関が把握している住所に住んでいないと、当然宛先不明で送付先の金融機関に戻ってきます。このタイミングで、住んでいないことが把握されます。

金融機関は住宅の用として使うためのローンとして、史上まれにみる超低金利で融資をしています。それをいいことに、中には住宅ローンを利用して最初から投資目的で購入する悪意のある人もいます。転勤が理由ですから、悪意はなかったかもしれませんが、融資している金融機関としては不信感を感じてしまいます。

転勤が理由の賃貸については、どの金融機関も比較的寛大なようなので、正直に報告してスッキリした気持ちで赴任してください。

契約形態(普通借家契約か定期借家契約か)

「数年後、帰ってきたら、すぐ自宅に戻れる」

と思っていたら大間違いです。

一般的な賃貸借契約(普通借家契約)では、オーナー都合で入居者に退去してもらうことが、基本、できません。契約書には大抵

「6か月前に告知すれば解約可能」

と記載がありますが、それを見て安心するかもしれません。しかし、賃料を払い続けている限り、入居者には居住権が発生しています。退去してくれと訴えたとしても、

「イヤだ」

とオーナーに言えてしまうのです。

「次回は更新しない!」

とオーナーが言ったとしても、当初契約が生き続けるので、そのまま住み続けることができてしまいます。言いかたは適切ではないかもしれませんが、賃料を払い続けている限り、居座り続けられるのが普通借家契約です。入居者は「弱者」とみなされるので、法律で強く保護されているのです。

それでも、どうしても退去して欲しい時には、立ち退き料を払って、

「お願いして」

退去してもらわなければなりません。ですから帰ってきたら住みたいと考えているなら、最初から、

定期借家契約

で賃貸借契約を結ぶ必要があります。

定期借家契約とは?そのメリットとデメリット

定期借家契約には更新がなく、契約期間満了と同時に契約が終了します。契約が満了すれば、「更新」ではなく、「再契約」をしなければ入居者は住み続けることができません。定期借家契約であれば、上で解説した普通借家契約と違って、入居者は居座り続けることはできません。

ただ、入居者にとって長く住み続けられる保証がない物件の評価は、周囲の物件と比べて低くなってしまうのは当然です。いつ契約満了を理由に、退去を迫られるか分からないし、生活が落ち着かないものになってしまいます。

ですから、定期借家契約は、普通借家契約に比べて、安めの賃料設定にしなければ、なかなか入居者が決まらないという側面もあります。

また、定期借家契約とはいえ、契約満了を待たずして、退去を迫ることはできません。

オーナーに都合の良い契約は交わせない

普通借家契約であろうが、定期借家契約だろうが、生活の場を提供し賃料を受け取るには、オーナーにも多少なりとも行動の制限を迫るともいえます。

  • 相場なりに貸せるが、いつ貸した自宅に戻れるか分からない
  • 契約満了を機に戻れるが、賃料は安くなる

極論すると、どちらを選びますか?ということになります。

「相場なりで貸せて、自分が戻りたい時に戻れる」

なんて都合のよい契約などありません。よくご家族で話し合って、どちらで契約を交わすか決めるようにしてください。

まとめ

以上、「転勤で自宅を貸す場合の3つの注意点」でした。いかがでしたか?3つのうちの下2つは、意外にアドバイスしない不動産会社が多いようです。どれも知っていれば問題ないけど、知らなかったら困るポイントです。自宅を貸す場合には十分注意しましょう。

任意売却の流れと注意点

任意売却したい旨を金融機関に伝える

任意売却で不動産を売却しようと思ったら、まずは融資を受けている金融機関の同意を得なければいけません。

任意売却ではなく、通常の不動産売却であれば、販売価格をいくらにするかの判断は売主にあります。

ですから、不動産会社が査定した価格が3,000万だとしても、その査定価格に従う必要はなく、極端な話、4,500万で価格設定し、市場に出して欲しいとも言えます。それで販売活動をしてくれる不動産会社があるかは別の話としてですが。

任意売却の場合、売主に決定権はありません

任意売却の場合、売主は売却金額など、販売諸条件について希望は言うことはできません。

例えば残債が3,000万ある物件があったとします。しかし、そのエリアの相場を考えると2,000万でしか売れません。3,000万で売れる可能性は限りなく低いですが、万が一3,000万以上で売ることができれば、金融機関に全額返済できるということです。

それを期待して、

「可能性は少ないけれど3,500万で売りに出してほしい」

というような、希望や要望を、任意売却の場合言うことはできません。

「いくらで売りに出すか」

「入ってきた金額交渉に応じるか」

「金額を見直すか」

など、本来であれば売主持つこうした決定権を、任意売却は一切のもちません。すべては金融機関が決定します。

不動産会社に任意売却を依頼

金融機関と交渉した結果、任意売却が認められれば、不動産会社に「任意売却」の旨を伝え、売却の依頼をします。

競売の手続きが進み、競売開始決定がなされると、裁判所で競売情報が公開されます。その情報をもとに、任意売却を専門に扱う不動産会社から手紙が届くようになります。

不動産会社としては、任意売却は商売につながることが多いため、積極的に依頼を受けようとします。

「私も過去に競売になりそうだったことがあり、任意売却という方法を取ることで競売を回避することが出来ました。今の私の使命は、過去の私と同じ境遇の人を少しでも救うことです。ぜひ、お電話ください。きっとお力になれると思います!」

というような、嘘かホントか分からない自筆の手紙を送ってくるところもあります。

もちろん、そのような任意売却を専門に扱う不動産会社ではなく、街にある普通の不動産会社にも相談し、依頼することも可能です。

ただ、通常の売却と任意売却は、手続きが少し異なります。依頼するのであれば、任意売却を取り扱ったことがある不動産会社に依頼しましょう。

売却活動開始

任意売却の依頼を受けた不動産会社は、債権者と売却希望金額を打ち合わせ、通常の物件と同じように販売活動を行います。任意売却だからといって、特別な売却活動があるわけではなりません。

売主は、内見希望があれば積極的に協力し、少しでも早く成約に至るよう努力しなければなりません。任意売却には期限があります。自分の都合ばかり優先し、内見に非協力的だと、期限内に売却することができず、結局は競売になってしまいます。

まとめ

任意売却の流れと注意点についてでした。

任意売却で売却しなければならないのは不本意かもしれません。しかし、競売になってしまうまえに、任意売却で切り抜けることができたのは、不幸中の幸いです。

任意売却は、売却理由こそ「債務整理」ですが、あくまでも「売主」として、不動産売買の当事者として、すべての取引を終えることができます。

しかし競売の場合、自分がかつてさまざまな思いや願いを込めて購入した物件が、いつのまにか自分の知らないところで、全く知らない人のものとなってしまっています。そして「不法占拠者」として立ち退きを要求される立場となってしまいます。

家を失うという結果は同じですが、終わり方には雲泥の差がありますし、その後の人生にも、大きな影響を与えるはずです。

競売は、何が何でも避けてもらいたいというのが、私の切なる願いです。

住宅ローンのしくみを理解する

全ての人がそうではありませんが、競売に陥ってしまう要因の1つは、最初から無理な返済計画の元、マイホーム・自宅を購入してしまっているからです。

購入の初期段階から、住宅ローンのしくみを理解し、自分にとって無理のない物件を購入することが、滞納しない最大の予防策です。

転ばぬ先のつえではないですが、自分を助けるのは自ら蓄えた知識がもたらす「知恵」です。