インターネット全盛の時代。お部屋探し、物件探しは気軽にインターネットのポータルサイトで出来るようになりました。問い合わせも簡単です。名前とメールアドレスを打ち込むだけで、一度に何件もの物件に問い合わせすることができます。
ネット環境がここまで発達する前は、不動産会社に問い合わせる心理的なハードルはかなり高かったと思います。それが、今はボタン一つで簡単に問い合わせすることができるようになりました。
「良い物件があれば・・・」
といった、本格的に物件を探している人でなくても、情報収集のために気軽に利用しているようです。別にそれ自体悪いことではありません。どんどん利用してもらって良いと思います。ただ、困ってしまうのはこんなケース。
「自分でポータルサイトをさんざん探し回ったけど、なかなか見つからない。なので、ポータルサイトに載ってない未公開物件だけ紹介してもらいたい。」
というもの。そして問い合わせ内容は、沿線と金額、広さの希望を伝えるだけ。もちろん、これだけでも探すことは出来るのですが、せっかく問い合わせしてくれたのだから、せっかくならもっと突っ込んだ内容を伝えて欲しいところです。不動産会社としてはもっと細かい条件を把握しようと、
「詳細の条件を教えて頂けますか?」
とメールします。ところが、なしのつぶてで返信は一切ありません。これではいけません。
恐らくたくさんの不動産会社に一度に問い合わせてしまったため、一つ一つ対応しきれていないのでしょうが、これではダメです。複数の不動産会社に簡単に問い合わせが出来るのは確かに便利かもしれません。しかし、自分がどこに問い合わせをしたかも把握できないようではいけません。直接不動産会社の人間に会うことに抵抗があるならば、無理をする必要はありませんが、少なくともメールでのやりとりはしっかりとやっておいた方が良いでしょう。不動産会社の担当者も人間です。大切なことはやはりコミュニケーションです。
不動産取引は、お客様との不動産会社との二人三脚です。どちらか一方通行の情報では、良い情報を提供することはできません。ネットでもリアルでも、双方向のコミュニケーションがなにより必要なのです。直接会わずとも、あ~でもないこ~でもないと話し合い、探している条件がよりクリアになることでやはり良い物件もご紹介出来ますし、素敵な提案も可能となるのです。有能な営業マンが行う「提案」というのは、視点を少し変えてあげて、本人でさえ気づかなかった、隠れた価値観を見つけてあげることです。
「新しい物件が出たときだけ連絡が欲しい」
「不動産会社との接点は極力持ちたくない」
「効率的に余計な労力はかけずに良い物件を見つけい」
というスタンスで物件探しを行っているから、把握しきれないほどの不動産会社に問い合わせをしたのかもしれません。どのように物件を探そうが、どのように不動産会社と付き合おうが、それは個人の趣味嗜好の問題で、まったく構わないと思います。ただ、不動産会社を都合の良い「物件紹介マシーン」として利用しているだけでは、有能な営業マンからの素敵な提案を逃してしまうかもしれません。
そうした「逸失利益」があるということを、物件を探されている方は認識してみてはどうでしょう。