室内で自殺した物件や不審死したいわくつき物件について

「室内で自殺した物件や不審死した物件を売れますか?もしくは貸せますか?」と相談されることがありますが、結論からすると、「売れます」し「貸せます」。

ただ、当然不動産会社には説明責任がありますので、「その事実を知っていたら買わなかった」という心理的瑕疵は必ず告知しないといけません。当然、物件自体に大きなデメリットがあることになりますから、何かそれを打ち消すことが出来るほどのメリットを作らないといけませんが、この場合一番多く一般的なのが金額です。

つまり本来売れるであろう・貸せるであろう金額よりも大幅に下げて、市場に出すことになります。必然的にお客様や不動産業者からも問い合わせが殺到します。その都度

「これこれこういうことがあった物件ですがよろしいですか?」

と説明すると、「だったら結構です」、となることがほとんどです。

それでもデメリットよりも、金額が安いというメリットを重視する買い手や借主は必ず現れます。売れない・貸せない物件というのはないのです。ただ、そうはいってもその時点での賃料や売却金額はどうしても安くなってしまいます。

「売りたい(貸したい)けどあまりに安い金額では手放したくない(貸したくない)!」

という人もいますが、。どうしたらいいのでしょうか?残念ながら方法は一つしかありません。

「賃料が安くてもいいから、人に貸して所有し続けること」

です。この「人に貸す」ということが行為が非常に重要です。

なぜなら例え安い賃料でしか貸すことが出来なくとも、市場に情報を出し何度か入居者が変わっていくにつれて、悪い情報もいずれは必ず風化します。何もせずに放っておいたとしても、物件が元通りに再生することはありませんし、却っていわくつきの物件として、逆の意味で有名になってしまう可能性もあります。

人に貸すことで悪い情報は少しずつですが改善されます。いずれはそうした瑕疵がある物件だったとしても、その後何人も済んだ履歴があることで、

「前にも住んで人がいるんだし、気にすることもないか。」

と感じてくれるようになります。要は問題が発生した後、一番最初に借りてくれる人を探すハードルが一番高いのです。そのうち、お客さんも周辺住民もそれ程気にしなくなります。つまりどんどん人に貸して物件を「回転」させることで、「傷ついた」物件を再生するのです。もし売却を検討ならば、再生してきたタイミングで売りに出せば良いのです。

「人」が作ってしまった瑕疵は、同じく「人」によって改善させるしかないのです。

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