セットバック

家を新たに建てる際は、「4m幅の道路に2m以上接していないければいけないと、建築基準法で決められています。災害時や火災の際に、緊急車両が通れないようなところは危険だ!という考えから、こうした法律が出来たようです。

しかしそんな法律やルールがない時代に建築された建物って、未だにたくさんあります。法律で決まっているからとはいえ、行政も、

「建築基準法に違反してるんだから至急建てなおせ!」

なんてことは当然言えません。だから

「現状はそのままで結構ですよ。だけど・・・次、建てる時(再建築時)には前面道路が4mになるように、あなたの土地を道路に提供して下さいね。そうしないと家を建ててはいけませんよ!」

という制限・取り決めがあります。それをセットバックといいます。

そんな制限があることを知らずに土地を買ってしまったら大変です。だって、自分の土地(だと思って買ったのに)を無償で道路として提供しないといけないのですから。ですから、どの不動産会社の販売図面にも

  1. セットバックの有無
  2. セットバックされる面積
  3. セットバックされた後の有効宅地面積

の記載が必ずあります。「土地の広さの割には安いな!ひょっとして掘り出し物か!?」と思うこともありますが、良く見てみるとセットバックでごっそり持っていかれる予定で、実際の有効宅地面積は坪単価並みだった・・・なんてうっかりミスもすることがありますので、十分ご注意ください。

セットバックを分かりやすく図にするとこういうことです。

現況3m幅員の道路に接している宅地Aの場合

現況3m幅員の道路に接している宅地Aの場合

道路の幅員が3mなので、4mまで1m足りません。宅地Aが再建築の時は、道路の真ん中を中心にして0.5m分、宅地Aの土地の一部を道路に提供します。

宅地Aが建て直し時、土地の一部を道路に提供

宅地Aが建て直し時、土地の一部を道路に提供。その分だけ、宅地Aの有効宅地面積は減少します

 

宅地Bが再建築の時は、宅地Aの時と同じく、0.5m分、宅地Bの土地の一部を道路に提供します。

宅地Aに続き、宅地Bも再建築。道路の一部を道路に提供

宅地Aに続き、宅地Bも再建築。道路の一部を道路に提供

 

この道路に接しているすべての建物の建て替えが済めば、いずれは3mしかなかった道路も4m幅の道路になる、というなんとも気の長いお話です。

ちなみに反対側が家ではなくて、動かせない川なんかだと、中心線から半分の0.5mではなく、まるまる1m下がらないといけないので要注意。

 

4mにするには宅地Aが1m分、道路に提供するしかない

4mにするには宅地Aが1m分、道路に提供するしかない

 

セットバック5

一方後退という。なんだか損した気分

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