なぜ捨て看をするのか?
集客です。要するにおとり広告です。
先日、駅前でこんな捨て看を見かけました。
金額と、価格交渉が可能な旨、そしておそらくこの看板を張り付けている不動産会社のみが扱えることをにおわす「限定」という文字が目に飛び込んできます。
「希少物件」という文字もありますが、不動産の広告規定でこのような表現は使ってはいけないことになっています。なにをもってして希少なのかが定かではないからです。まあ、広告規定の話をはじめたら、捨て看のすべてが一つも規定に則っていないのですが。
物件の町名も土地の広さも、建物の広さも築年数も、本来気にするべき情報が一切書かれていません。そもそも正しい情報を伝えようと思っていません。
捨て看の目的は、目を引く金額によって、問い合わせしてもらうことが目的の、おとり広告と言ってもいいでしょう。そう、手段を選ばない集客が目的です。
こうした看板を目にしても決してアクセスしてはいけません!と、以前にも記事にしておりますので、よろしければどうぞ。
捨て看設置は禁止行為
一昔前は、街の電柱にはこうした不動産広告はじめ、さまざまな張り紙がされていたこともありました。しかし現在、街の公共物である電柱にこうした張り紙(ステカン)をすることは禁止されています。
私の会社員時代、オープンルームの告知で、電柱に張り紙やのぼりを取り付けていたところ、警察へ動向を求められたという事件がありました。今から10年以上前の話ですが、いまや電柱の捨て看など、どこもやっていません。
そんな事情もありながら、あえて捨て看をするということは、それだけでその不動産会社が違反をなんとも思わない会社であることが理解できるはずです。こうした違反行為を何のためらいもなく行っている不動産者に、購入を手伝いを依頼するのは、かなりリスキーです。
とはいえ、いつまでたっても捨て看がなくならないという事実は、一定数の人がこうした看板をきっかけに不動産を購入したことがあるのでしょう。だから味を占めた不動産会社が、何度も繰り返すのです。
捨て看の物件が売れ筋物件のはずがない
怪しいとは思いながら、なぜ問い合わせしまうのかというと、やはり金額です。上記の広告も、金額だけを見たら破格の安さです。そのインパクトにつられて問い合わせをしてしまうのかもしれません。
ちなみに尾山台エリアで普通の戸建を購入しようとしたら、6,000~8,000万はします。
しかし、確かに金額は安いとはいえ、捨て看されている物件が、まだ誰も目にしたことがない格安の掘り出しものであるはずはありません。
本当に格安の掘り出しものであるなら、禁止行為である捨て看で告知する必要など全くありません。普通に販売を行えば、普通に売れます。
まとめ
捨て看物件が掘り出しものであるはずがない
この1点を知っておくだけで、捨て看物件に問い合わせをする気などおきないでしょう。一度、問い合わせをしてしまうと、非常に面倒なことになってしまうかもしれないので、気を付けましょう。
↑記事は一つの例として。