不動産屋の休みがなぜ水曜日なのか知っていますか?
「飲食業と同じで、土日に来るお客さんが多いから、週の真ん中の水曜日に休むんでしょ?」
と思っている人が多いと思います。
一般消費者を相手する商売の場合、休みの時にお店を開いていないと、お客さんはやってきませんからね。そのように論理的に考えてみると、一理あるかもしれません。
しかし、実際の答えはもっと単純で、
「契約が『水』に流れるから」
だと言われています。この話をすると、結構お客さんに驚かれるので、私の鉄板ネタです(笑)
不動産取引は縁起ものの要素が強い
もちろん、不動産屋だけの都合ではなく、お客さんも縁起の悪さを気にする人が、不動産の場合多くいらっしゃいます。
特に不動産売買だと、大安とか仏滅とか「お日柄」を気にしますね。結婚式場も仏滅は空いていることが多いですからね。
「不動産はご縁ですからね」
と、あまりそうしたことを気に留めない私でさえも、何の気なしに話すこともあるので、不動産取引は縁起の良し悪しを気にする風習が根強く残ってるんでしょう。
周りが休みだから仕方なく・・・という側面も
縁起物とはいえ、気にしない人はそれほど気にしないので、水曜を営業日にしてもよいのです。ほとんどの不動産屋さんが休みなので、水曜日営業の不動産屋さんの需要は意外に高いのではないかと思ってます。
だけど周りが休んでいるので、店を開けていてもあまり仕事にならないことが多いのです。売却や購入、不動産の活用相談であれば問題ないですし、そもそもそのようなご相談の方は、事前にアポイントを取ってからご来店されるかたがほとんどです。
しかし、物件探し・お部屋探しのお客さんが来店された場合、他社が扱っている物件をご案内することができません。自社で扱っている物件が、お客さんの希望に合った物件であれば問題ありませんが、常に要望通りの物件があるわけではありません。
その場合、レインズなどで探した他社の扱っている物件を紹介するのですが、定休日だと連絡もつかないので、案内することができないからです。
これは水曜日だけの話ではなく、お盆やゴールデンウィークにも言えることです。その時期はどこに出かけても激込みなので、当社ではいっそのこと店は閉めないで開けています。しかし、他社が休みなのでフラッとご来店されるお客さんもいらっしゃいますが、正直あまり仕事にはなっていません。
それが水曜日休みの裏側です。
不動産営業マンがタコを食べない理由を知っていますか(笑)?
不動産営業マンだけではなく、ノルマがある営業マンは聞いたことがあるんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうね。あまり真に受けないで欲しい話で、ただのネタなのでそのつもりで。
営業マンですから月間ノルマがあるはずです。私が不動産業界に飛び込んで最初に勤めていた会社でも、月のノルマ追及圧力は深海5,000メートル級で、毎月プレッシャーで押しつぶされそうになりながら、ヒーヒーいいながらノルマを追いかけていました。
特に月末が近づくと、その圧力は1.5倍程度強まり、ホント、キャリアの浅い頃は地獄のような月末を過ごしていました。
地獄のような月末をクリアして月初の火曜日、水曜日だけがノルマのプレッシャーもなく、開放感に浸れる月に一度のお楽しみです。
日曜日の夕方、残りわずかとなった休日を告げる合図であるアニメがサザエさんで、それが始まると翌日からの仕事を思って憂鬱になることを
「サザエさん症候群」
といいますが、そんな症候群なんて、私が受ける絶望にも似た憂鬱に比べたらいくらちゃん並みに可愛かったと、今でも不幸自慢をしています。
タコを打つ=ゼロ、ということ
月のノルマがあるにも関わらず、未達はおろか、1件も契約できないというのは、その月は働いていなかったというのと同義です。
新人の頃はまだしも、それなりのキャリアがある営業マンが、1件も契約できないというのは許されるものではありません。
1件も契約できないことを、業界のスラングなのか「タコを打つ」と呼びます。
「タコなんてありえねえ」
「タコりました」
「タコっちゃいそうです」
はたから眺めていると面白いですが、大の大人が青ざめた顔で「タコタコ」言ってる絵面はなんともシュールです。とはいえ言ってる本人はこの世の終わりのような顔をしているので笑えません。
「だから営業マンはタコを食べない」
ということを聞く前に、タコをバクバク食べたことがあり、幸いその月はタコることはありませんでしたが、その翌々月、2か月遅れでタコの呪いが私に襲い掛かってきたことがあります。
月内に契約できる案件が何一つない中、周りが殺気立って動き回っている地獄のような月末を、無為に過ごす時間がどれだけ辛かったことか・・・。ヒリヒリと肌が感じる緊迫感を今でも忘れることができません。
まとめ
というわけで。
- 不動産屋が水曜日休みの理由・・・契約が「水」に流れるから
- 不動産営業マンがタコを食べない理由・・・ゼロ契約を防ぐため
でした。
不動産取引も、営業マンの数字達成可否も「縁」で左右される要素が結構あったりするので、このような「ゲン担ぎ」が浸透しているのかもしれません。
私も不動産の神様にお祈りしに行ってましたからね。