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【新人不動産営業マン奮闘記】仕事は与えられるのではなく自分で作り出すもの

 

新人が必ず通る道

不動産会社に入社した新人が行う仕事(という作業)がなにかというと、チラシの投函、ポスティングです。不動産の売買をなど考えていない人にとっては、手にしたら即ゴミ箱行きになるアレです。

最近のマンションはセキュリティが厳しくなってきているので、昔のように無遠慮に立ち入って、集合ポストにチラシを投函することが難しくなっています。

しかし、私が不動産業界に入った10年ほど前は、今ほど規制も厳しくなく、ポスティングしていると、よその不動産会社とかち合うこともよくありました。微妙な空気のなか、規則的に響くポスティングの音はいまでも鮮明に思い出せます(笑)

マンションへ投函に行き、エントランス脇のごみ箱に無造作に捨てられている自社と競合他社のチラシを見るたびに胸が痛みます。このような広告手法がなくなれば、大げさな話、世界の森林破壊のスピードがわずかでも遅くなり、多くのジャングルが救われ地球温暖化に歯止めがかかるのは間違いない!と勝手に思ってます。

不動産業界のチラシ投函事情

ポスティングの目的とは?

地球温暖化に拍車をかけながらも続けられるポスティングとは一体なんなのでしょうか?

ポスティングの目的、それは不動産を売りたい人、買いたい人を集めてくるための集客方法のひとつです。

不動産会社の多くは数字がすべての営業会社です。不動産の「ふ」の字も知らない、右も左も分からない新人にさえ、営業数字を求めてくる。

とはいえ、入社したばかりの新人には、営業成績に結び付けられるようなお客さんがいるはずはない。お客さんを集めるための広告をやれるわけでもない。先輩社員が譲ってくれるのでもない。

つまりポスティングとは、仕事のネタを取ってくるための、新入社員に許された唯一の手段なのです。

不動産会社に入社した新人の実情

入社から3か月、休まず怠けず朝から晩までポスティングを繰り返し、1日の投函枚数が5,000枚だったとしても、投函の結果ネタをつかんでこなければ、いつまでたってもポスティング以上の仕事をすることはできません。

あまり知られていませんが、不動産会社に入ったのに、不動産の仕事をするまえに、ポスティングだけ繰り返して辞めていく人間が数多くいます。

ポスティングから仕事を思うように作り出せないため、月のノルマを達成することができず、圧力に耐え切れず辞めていく人間がなんと多いことか。中途社員の出入りは驚くほど頻繁です。

8人いた同期はみんな辞めていった

私には同じ時期に入社した、いわゆる同期が8人いました。最初の離脱者が出たのはわずか1か月後でした。

同期だけでひっそりと送別会を開いたのですが、結構な学歴と前職での輝かしい職歴もあった彼は

「誰もが知る大手不動産会社で、まさかこれほどの肉体労働をさせられるとは思わなかったわ」

と、疲れた顔ながら、どこか清々しさを残してそうつぶやきました。

「だよね~~!」

そのセリフに、私を含めた同期全員が一斉に力強くうなずきました。

同期とはいえ、歳も経歴もバラバラ。入った時期が同じというだけで、同期と言われてもイマイチピンとしませんでしたが、この時初めて同期としての絆が生まれた気がしました。

「ポスティングばかりで辛いのは俺だけじゃないんだ!」

こう思えることがどれほど心強いことか。結局、1年後にはみんな辞めてしまいましたけれど。。。

ポスティングのメリット

ポスティングなんて、前近代的な古い集客方法に思えますが、お客さんにダイレクトにアプローチできるという大きなメリットがあります。

しかし、本当に効果的なものにできるかどうかは、しっかりとしたマーケティングやリサーチが不可欠です。

みんな大好きしまじろうから届いたDMを見て、不動産求むチラシの無駄さについて考えた

たちの悪いことに、不動産業界のポスティングは、枚数至上主義そして根性論が渦巻いてしまっています。今はどうか知りませんが、絨毯爆撃のように、辺り一帯、枚数まけばいいと思っている風潮が未だ根強く残ります。

しかし現実は、何枚まいてもお客さまからのお問い合わせ(反響)がないときは全くありません。どのエリアに何枚撒けばどれだけ反響があるのかが分からないため、ポスティングする方は、頂上の見えない山を麓から登っているようなもので、いくら登っても景色は全く変わりません。

必死になってやっているのになんの効果もない。これほどココロをくじけさせる作業が他にあるでしょうか?

お試し期間が終わりつつあることを実感

私が入社した時期はちょうど6月。季節はこれから徐々に暑くなってくる時期です。与えられた仕事に粛々と取り組むだけで、それなりに評価された職場にいた私は、

  • 仕事は自分で作り出すもの
  • 営業会社に勤める営業マン

という意識がイマイチ希薄だった私は、一生懸命ポスティングはしていたものの、どこか緊張感のないものに終始していました。何を考えていたのか、全く思い出せません。どこからか仕事が降ってくるとでも思っていたのでしょうか?

1か月2か月、そんな調子でのんべんだらりとポスティングを行った結果、まったくお客様からの反響がなかったため、しびれを切らした所長から、

所長
お前、ほんとに撒いてんのか!?

と、夏の暑さが増すのと比例するように、所長の私に対するセリフもいつのまにか毒味を帯びてきていました。

入社間もない新人に対するお試し期間が終わりつつあることを、ここに来て初めて実感したのです。

タダ飯ぐらいからの脱却を目指して!しかし・・・

入社してからここまでの期間、(ポスティングはやっていましたが)営業会社にとって私は仕事をしていない、タダ飯食らいなのです。

なんだかやばい気がする・・・

徐々にことの重大さに気づき始めた私は、ようやくポスティングにも緊張感を持ち、本腰を入れ始めます。

今までは徒歩でポスティングしていたのだが、それでは一日にポスティングできる枚数に限界があると感じたので、事務所近くのリサイクルショップで中古の自転車を購入しました。

緊張感が足りてなかったこともあったので、知らず知らずのうちに力をセーブしていたこともあったのですが、ここからはもう手当たり次第の力技を実行。

中学時代はサッカー、高校は空手、大学時代は競技スキーと、もともと体力には自信があったので、体力勝負でいけば必ずなんらかの結果が得られることをよりどころにしていました。

そんな状態でさらに1か月が経過するも、いまだお客様からの反響はゼロという厳しい現実。既に初契約も済ませた同期も数人いて、私はそのとっかかりさえつかめないでいます。少なからずあった自尊心はポキポキともろくも崩れ落ちていったのです。

所長の私を見る目は真夏の太陽が凍るほどの冷たいものに変わり、

所長
いつまで会社のお荷物でいるつもりなんだ!

と、入社してわずか3か月の新人に、最後通告とも取れるセリフを、いつも以上に冷えた目つきで容赦なくぶつけてきます。

いつの間にか夏は真っ盛り。真夏の炎天下、依然としてなんの戦略もなく力技で挑むしかなかった私は、毎日朝から晩までポスティングを続け、一日の平均投函枚数は2,000枚を超えていました。

仕事は与えられるのではなく、自分で作り出すものである

社会人の心得として良く耳にするセリフで、まったくその通りだと思います。言われたことをただやっているだけなら誰でもいい。恐らくそんな指示待ち人間だと、今後、コンピューターやITにとって変えられてしまいます。

ただ・・・

入社してすぐに求めるレベルにしては高すぎやしないか?

というのが、今も昔も感じる正直な実感です。

どこかでその時が来る

とはいえ、仕事に取り組む姿勢を、単純労働から学ぶことができた私は、結果的によかったと、今では思っています。もう2度と経験はしたくないですが。

「与えられるのではなく、自分で作り出すもの」

このセリフは誰もが一度は聞いたことがある、使い古された陳腐な表現かもしれません。しかし、聞いただけでは、本当の意味で理解したとはいえません。

どこかでストンと腹落ちするような、意識レベルで変革を求められる時が来て初めて本当の意味で理解できるはずです。早ければ早いほど、のちの人生に良いと思っています。

いろいろ考えて感じて努力して、当たり前のことをやるなかで、それは見つかるものだと思います。

まとめて読みたければ

私が不動産会社で働き、もがきながら成長していく中で学んだ仕事術や考え方を一冊にまとめたビジネス書です。出版して4年が経ちますが、書いた自分が読んでみても、面白く読むことができます。

ご興味あればこの機会にぜひ!

 

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