5年前のこの日は富士山に登っていました
Facebookが教えてくれましたが、5年前のこの日は富士山に登っていたようです。
そして、5年後の今日、偶然にも写真に写っている私含め3人が、まったくの偶然で意外な場所で一堂に介しました。運命論者では決してないのですが、あまりの偶然に聞いたときは運命を感じ、思わず鳥肌が立ったことはみんなには内緒です。
そんなこともあったもので、過去、富士山登山記事にどんなことを書いていたのかブログを探してみたら、一本あったので、今回は内容を大幅に加筆、編集してお送りします。
富士登山の備忘録として
通算すると10回近く富士山に登っているにも関わらず、毎年準備段階になると、何を用意したらいいのかで迷います。
またFacebookなどで
「富士山登りました!」
と書くとやはりみなさん興味があるようで、
「私も一度は登ってみたいです!」
的なコメントが非常に多いです。
そこで今年登る人へ向けて、また来年登ろうと思った時の自分自身に対しての備忘録として、持ち物などをまとめてみたいと思ってこの記事を書いています。
あくまでも私自身が必要だった、また必要だと感じたものですので、同じ装備で何か不都合があったとしても、責任は持てませんのであしからず。
どんな服装で登ったらいいの?
人生で初めて富士山に登ったのは20代の時です。その時はハーフパンツに普通のスニーカーと、富士山を高尾山と勘違いしたかのようななめてかかった格好で夜通し登る弾丸行程で、大変な目に合いました。余裕のある日程と、暑さ・寒さ対策だけ普通にしていけば、富士山を登ることはそれほど大変なことではありません。
その証拠にこの写真をご覧ください。
5年前ですが、体形にそれほど変化はないですね。
山をなめきった服装にも見えますが、基本、晴れていれば8合目位までは、この程度の服装で大丈夫です。ですが日焼けなどが気になる人は、長袖を用意しましょう。
登山道具を一からすべて揃えると軽く10万近くかかります。私の装備は、今回一緒に登った人たちの中では、一番お金がかかっていません。上は普段着ているTシャツだし、下は部屋着のジャージ。さすがに半ズボンで登る訳にはいかないので、スパッツだけはアウトドアショップで4,000円位で購入しました。ちなみに膝サポート機能付きのスパッツは、軽く1万円をオーバーします。
今まで膝が痛くなったことはないので、個人的に膝サポート機能はあまり必要性を感じませんが、転ばぬ先の杖として、余裕があれば用意していても良いのではないでしょう。ご自身の膝と相談して決めて下さい。どうしたって登山は膝に負担がかかるので。
靴とリュックだけはちゃんとしたものを
当初は登山部だった父親に靴もリュックも借りた、
「借り物登山家」
でしたが、3回目位には靴とリュックを揃えました。
この↑リュックは40~55リットルサイズです。初期投資としてこれくらいは必須です。
靴とリュックだけはそれなりのものを用意した方がいいでしょう。なんなら靴だけでも。ちゃんとした靴でないと、意外なほどあっさり、靴のソールが外れてしまいます。
登山途中や下山途中で靴が壊れてしまったときの絶望感はありません。私は1度あるから分かります。たまたま同行者の一人がテーピングを持っていたので、ソールと靴本体をグルグル巻きにして外れないようにし、ゆっくり下山をしてきました。無事下山できたのはよかったものの、倍以上疲れました。
富士山登っていると、靴のソールが外れてしまっている人を必ず見かけます。ちゃんとした登山用の靴なら、そう簡単に壊れることはありません。そんな理由から、せめて靴だけは必要経費だと思って、アウトドアショップでちゃんとしたものを購入しましょう。
その時の様子は以下の関連記事でぜひどうぞ。
焼き印集めが楽しい
ストックを持っていく人もいますが、登山口では↓のような木の杖が1本1,000円位で売っています。特に使いづらいと感じることはありませんでした。
この杖を持っていると、先々の山小屋で焼印(200円)を押してもらえます。シーズン中は大体どこの山小屋でも押してくれるので、全ての山小屋の焼印を完全制覇する楽しみもあります。富士山を1年に複数回登るようになったきっかけは、この焼き印集めが目的でした。
富士山を登るために必要な持ち物は?
富士登山というと、たいそうな大荷物を担がなくてはいけないように思えますが、持っていく荷物を最低限にすれば、それほどで大荷物にはなりません。
持っていくもので一番重いものは水です。2リットルあれば大丈夫と、色々なところに書かれていますが、私はいつも4リットル持っていきます。というのも2回目に登った時、登りはまったく問題なかったのですが、ペース配分を誤り、下山を初めてしばらくしてから水が尽きました。
下山道では途中から山小屋もなくなり、水分補給が出来なくなります。最後はボロ雑巾のようになりながら下山し、その足で飲んだビールは最高に美味しかったです。
「あんなに(*喉が渇いて)辛い思いをするくらいなら、多少重くなっても辛くない方を選ぶ」
ということで、ふんだんに水分を持って行ってます。とはいえ、その時以来、毎回2リットル位余るので、2リットルあれば十分です。大量な水分は自分に対する精神安定剤というかお守りみたいなものです。
また、ポカリスエットなどのスポーツドリンクは、甘すぎてついついがぶがぶ飲みすぎてしまうので、水で薄めて行くことをお勧めします。以下、これから登る方、ご参考にしてください。
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上記のリストについて少しだけ補足。
- 帽子・・・日焼けも特に気にしないので正直暑くていらなかった。落石から頭を守るという面では必要かも。
- 日焼け止め・・・日焼け気にしないのでいらなかった
- おやつ・・・甘いものは絶対持っていくべき。チョコは下山時に溶ける可能性が大。今回は柿の種が妙においしかった
- リュックカバー、雨具・・・共に雨が降った時に必要。幸い一度も使ったことないです
- ブーツカバー・・・スパッツをブーツの外にだしてカバー。あれば便利だろうけど、あまり必要性は感じなかった。
だけど最低限これだけあればいいんじゃない?ってものです。
どこから登るのか?
富士山を何度も登ったことがある人はご存知だと思いますが、富士山には複数の登山道があります。富士山を何度も登る私のような人は、全ての登山道を制覇しようとする人が多いのではないでしょうか。
基本、登山道と下山道はセットと考えて下さい。吉田口を登ってきたら、吉田口の下山道を下りないと、元来た場所に戻ってこれないからです。
以下、各登山道の私なりの見解と感想です。これから登る人は参考にしてください。
吉田口の下山道は苦行
一番メジャーな登り口で、5合目にある施設も多く充実しています。ここまでバスで来て帰る観光客も多数います。これから登る登山客が周囲にたくさんいるので、登らなくても雰囲気を感じることができます。頂上までも山小屋がたくさんあるので、もしもの時でも安心です。
そんな一番メジャーで人気のあるコースなので、8月のシーズン中は大変混みます。8合目位からは深夜2時、3時になると、頂上でご来光を目指しての登山者が殺到し、真夜中で真っ暗なのに、ヘッドライトの光で周囲は明るい程です。
頂上付近は渋滞し中々動かないため、ご来光時間ギリギリだと途中で太陽が登ってきてしまい、登山道で見ることになってしまいます。まあ、例え途中で見ることになったとしても、8合目、9合目まで来ると頂上で見るのとたいして変わらないですけどね。
そんなメジャーな登山道、吉田口ですが、下山道の単調さは恐ろしいほどです。いつ終わるともしれないジグザグの下り道が、それこそ永遠に続くかと思うほど続きます。眼下に望む風景が一切変わらないことも、辛さを助長させています。
遮るものは何もないので、天気の良い日だと直射日光をもろに受けます。暑さで体力を消耗し、体の水分もなくなっていくのに、下山道は山小屋が7合目を過ぎるとなくなるので、途中で調達することが出来ません。ここの登山道を登ると(というか下山すると)、毎回必ず思います。
と。結局3回登ってるんですけどね。個人的には一番メジャーだか何だかしりませんが、あの下山道を下りたくないがために、余程のことがない限りここからは登りたくありません。
須走口はバランス良し
森の中を歩いたりもするので登山道は変化があって飽きません。山小屋も多くはないですが要所要所にちゃんとあり、8合目からは吉田口の登山道とも合流するので、シーズン中のにぎやかさも体験できます。
下山道は
「砂走り」
といって、砂地状の下山道を、滑るように降りることが出来ます。足を踏み出すと「ズザーッ」という感じに滑っていくので、スキーの感覚と似ていると表現されます。が、学生時代スキーに明け暮れた私からすると、それはいいすぎです。
ただ、地面が砂地で柔らかいので膝にも優しく、3時間半もあれば5合目まで一気に下りてくることが出来ます。
吉田口に比べて下山に時間もかからないし、砂走りも面白いし、一番バランスの取れているコースだと思います。初めて登る人にとってもちょうど良い登山道です。
大砂走が楽しいですが、登山道が長すぎる御殿場口
一番の売りは、下山道で砂走り以上の、
「大砂走り」
を体験できることです。1歩足を踏み出せば、「ズザーーーーーーーッツ」と、一気に5,6歩進むイメージです。
「飛ぶように」
と形容されるそうです。
この大砂走り、非常に面白いので、私ももう一度体験したいのですが、何より大変なのは登山道が長いこと。吉田口より1,000メートル位標高が低いところから登り始めます。
と当初なめてかかったらとんでもなかったです。
登れども登れども中々6合目すら見えてこない。登山道は単調で、他の登山道と比べると砂地状で、1歩登っても半歩位下がるので疲労度も倍増。
という意見です。
富士宮口は初心者向け
御殿場口と逆で、吉田口より高いところから登山を開始します。ですから最短の時間で頂上までたどり着けます。登った回数が最も少ないので、あまり印象に残っていないのですが、吉田口よりも簡単に登れてしまうので、手始めの富士登山にいいのではないでしょうか。
吉田口のように登山客がワラワラいるわけではないですが、山小屋もちゃんとあり何より空いているので登りやすいでしょう。
須走口6合目、7合目の様子
動いている間は写真にあるような半袖でも大丈夫です。ただ、動かなくなると汗が急速に冷えて寒くなります。休憩の際には上に羽織る、フリースがあれば問題ありません。
山小屋泊について
初めて登るのならば、やはり山小屋を利用するべきでしょう。標高の高さに体を慣らす必要があるからです。
前述しましたが、20代のころ、初めて富士登山を敢行した際、今ではありえない軽装で、一晩ノンストップで登ったことがありますが、死ぬ思いをしました。
一緒に来た連れは山頂でぐったりで、吐き気を催し、まともに歩けなくなる始末。私自身、お酒も飲んでいないのに、ガンガンと悪酔いしたときの状態に陥りました。
「思い返すとあれは高山病の一歩手前だったんだな~」
と今では思います。
山小屋では基本、雑魚寝なので神経質な人は眠れないかもしれません。
しかし体を横にして安静にしていることが大切です。どこでもなんとなく眠ることができる私のような無神経な人間にとっては関係ありません。
ホテルのような待遇を期待して泊まる人がいるようですが、それは大きな間違いです。サービスなど期待してはいけません。あくまでも登山者を休ませる場所を提供しているだけに過ぎません。その辺りも充分理解して、山小屋に多くを期待することはしないでおきましょう。
食事はどこの山小屋もカレーライスが多いですが、中にはハンバーグがついていたり、豚汁の食べ放題がついていたりと、食事が充実している山小屋も増えてきているようです。山小屋も競争力をあげないと閑古鳥がないてしまいますからね。
ただ、疲れてるんで何を食べても美味しいですよ。こちら、もっともポピュラーなカレーライス。
こちらラーメン。具が入って一見するとちゃんとしたラーメンのように見えますが、ただの袋麺です。これで800円位。富士山価格です。
まとめ
以上です。
大変なこともありますが、やはり日本一の山に登るという体験は話のネタにもなりますし得難いものです。ちゃんと準備をして登れば決して危険ではないですから、是非、一度は登ってみてください。
そしていつか、富士登山についてお話しできたらいいですね~。
<*平成30年8月20日、加筆・修正>
<*平成27年6月19日、加筆・修正>