融資を利用して自宅を購入したはいいが、その後転勤になってしまい、住めなくなるということもありえます。住宅ローンを組んだ途端、会社の辞令が出て転勤になってしまった人の話を驚くほどよく聞きます。住宅ローンを組んで辞められないようにしてから、辞令を出したのではないかと勘繰りたくなりますが、実際のところはどうなんでしょうね?人事担当者の知り合いがいれば、小一時間ほど問い詰めたい気分です。
いずれにせよ、辞めるわけにもいかず現実的な選択肢としては、
- 売るのか?
- 貸すのか?
- 単身赴任か?
の3点になりますが、仮に2.の「貸す」を選択する場合、注意が必要です。
賃貸に出すにも金融機関へ報告が必要
月の返済額より、貸した場合の家賃収入の方が多くなることがあります。入居者が入っている間は収支はプラスですから、これ幸いと賃料収入を期待して賃貸に出してしまう人もいます。
しかし、金融機関には賃貸に出さざるを得なくなった旨を報告しなければなりません。マイホームとして利用するから、金融機関は低金利で融資をしてくれているのです。
賃貸物件を購入するための融資は
「事業用融資」
「アパートローン」
となり、ローンの種類が異なります。ローン種別が異なると、金利などの支払い条件も変更になる可能性があるからです。
金融機関にバレる理由
「そうは言っても、融資した物件に本当に住んでいるのかなんて、金融機関に把握できるはずがない。だから無断で賃貸に出しても大丈夫」
と安易に考える所有者や、
「返済に困ったら賃貸に出せば家賃収入が入ってきますから大丈夫ですよ」
と買ってもらうために、このような信じられないアドバイスをする不動産会社もありますが、残念ながら必ずバレます。なぜなら残高証明書など、金融機関からはさまざまな郵便物が定期的に発行されます。
仮に融資を受けている人とは違う人が住んでいると、宛先不明で書類が発行元(*つまりは金融機関)に戻ってきます。それがきっかけで、住んでいないということが判明してしまうのです。
考えられるペナルティ
ただし、転勤になり、貸し出すことになった旨の通知を事前に行っておけば金融機関も鬼ではありません。金利条件が多少変わる程度で済むかもしれません。
しかし、当初から賃貸に出すつもりで、低金利の住宅ローンを利用したことが判明した場合、悪質とみなされ、場合によっては即時全額返済を求めるなどの厳しい措置を取ろうとする金融機関もあります。住宅ローンはあくまでも、
「マイホーム購入を目的とした融資である」
という前提を忘れないでおけば、誤った行為を慎むことになるでしょう。やむをえず賃貸することになった際には十分注意が必要です。
まとめ
「転勤」が理由で住めなくなった場合にフォーカスした記事となりますが、いずれの場合にせよ、住宅ローンを利用して購入した不動産を賃貸に出す場合には必ず、
「金融機関への確認、連絡」
を怠らないようにしましょう。