事前審査とは?
「これだけ借りてこの物件を購入したいのだが、この内容で申し込んだら希望通りに借りることは出来ますか?」
ということを、融資本申し込みの前に金融機関に審査してもらうことです。売買契約締結前に行うのが通常で、事前審査を通した金融機関で絶対借りなければいけないわけでも、その物件を絶対買わなければいけないわけでもありません。
「融資OK!」
と金融機関からの承認が得られ、売買契約後の本申し込みで結果がひっくり返ることは余程のことがない限りありませんが、まったくのゼロではないので注意が必要です。
事前審査はどこを審査しているのか?
事前審査は以下の3つの側面から審査を行います。
- 物件の内容(*担保評価)
- 借り主の内容(*年収や勤務先)
- 借り主の個人信用情報(*過去の借り入れ事故歴等)
そのため、金融機関によって事前審査に必要な書類は若干異なりますが概ね以下の通りです。
- 事前審査の申込書
- 物件の登記簿謄本
- 源泉徴収票の写し
- 健康保険証の写し
- 身分証明証の写し
その他、別の借り入れ(*キャッシングや車のローン)がある場合などは、借り入れ明細や支払明細、残高証明書。勤続年数が3年未満の場合は簡単な職歴書が必要となります。
事前審査は最初の入り口
不動産購入希望者が物件を探し、気に入ったものが見つかったとします。誰か他の人に取られたくないので、そうなる前に契約したいと考えました。ところが、
「金融機関がお金貸してくれるかはまだ分からないけどこの物件が欲しい!契約したい!!」
と言ったとしても、融資を受けられるかどうかはまだ不確定です。そんな状況で、仲介業者も売り手も取引を前に進めることはできません。不動産会社が今以上にイケイケだった一昔前は、契約ベースで売上計上するところが多いため、月のノルマをどうにか達成させるため、
「融資が通るかどうか分からないけど、とりあえず契約じゃあ~~!!」
というところが多く、契約後、融資が通らないことが原因であっさり解約なんてことがよくありました。しかし、現在は契約前に事前審査を通してから契約、というところが多いです。
事前審査をするためには、上記に上げた源泉徴収や健康保険証などの公的な書類を提出する必要があります。購入前で何も話が進んでいないにも関わらず、こうした公的書類を提出することに抵抗を感じる人がいますが、事前審査は物件を購入するための第一歩です。これをしないことには何も始まりません。
事前審査の承認を取っておくことが武器になることも
物件購入は基本的に早いもの勝ちの世界です。一つの物件に同じタイミングで購入希望者が購入申込書を出すこともあります。事前審査の通しておけば、資金面の裏付けが取れている(*購入資金を借りられることが内定している)ことなので、(*条件次第ではありますが)競合した場合、優先して話が進むこともあります。
また、一度事前審査を通しておけば、借入金額が変わらなければ、物件が変わったとしても、(*例外はもちろんありますが)審査はほぼ通ります。
「一度審査を通した」
というのは、大きな武器にもなるのです。
「融資手続き代行手数料」なんてありません
事前審査を通しておくのはよいことです。ほとんどのケースで仲介業者が営業の一環として事前審査申し込み手続きをしますが、代行手数料などというものは一切かかりません。事前審査をA社経由で通したとしても、本当にA社を通して不動産を購入するかどうかまでは分かりませんし、A社で購入しなければいけないというわけでもありません。あとから出てきたB社経由で購入することはできるのです。
しかし、事前審査を通したにも関わらず、A社ではなくB社で購入されてしまうと、A社はタダ働きとなってしまいます。
「それは嫌だ、少なくとも代行した分の費用だけは取りたい」
という仲介業者の思惑から、代行手数料なんてものが出てきたのではないかと思います。
もしそうした手数料を請求されたとしても、払う必要はないですし、いくら担当者が良い人であっても、そのような仲介手数料以外の費用を請求する会社とのお付き合いは避けた方がよいでしょう。全力で逃げて下さい。
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