仲介手数料が無料、もしくは半額にする不動産仲介業者が増えてきています。大手不動産会社が仲介手数料を値引きすることは、よほどのことがないかぎりありません。なので、非・大手の不動産会社としては、身を削る形となりますが、大手不動産会社にはない、大きな武器を手にした形です。
仲介手数料が安くなるという認識を持つお客さんも増えてきました。選択肢(*不動産会社の)が増えたのは一般消費者にとっては良いことだと思いますが、この仲介手数料無料or半額の不動産会社を選ぶ際には注意も必要です。以下にその2点を解説します。
1.不動産会社の乗り換えはタブー!!
例えばこんなケースです。
例) Aさんというお客さんが、大手不動産会社BでCという物件を紹介してもらいとっても気に入りました。そこでAさん、仲介手数料が無料(半額)にしてくれる不動産会社Dがあることを耳にし、案内してくれたBではなくDを通して購入しようとしました。
気持ちは分からないでもないですが、この行為は基本的にタブーです。BがCの物元不動産会社だったとしたら、そもそも受け付けてくれません。どこからがタブーかというと、明確に決まりがある訳ではありませんが、以下の3点は特に気にする必要はないでしょう。
- 不動産会社を訪問し相談に乗ってもらった
- 物件を紹介してもらった
- 案内をしてもらったが気に入った物件はなかった
NGなのは上記、例)のような、案内をしてもらい、なおかつその物件が気に入り、購入をしようとした場合です。別にこうした行為が法律で禁止されているわけでもなんでもありません。不動産仲介のマナー・礼儀のようなもので強制力はありません。なかにはマナー知らずの行儀の悪い不動産会社も存在します。
「気に入った物件があれば当社までご連絡ください。必ず手数料半額以下でお手伝い致します」
と謳ってあるような会社です。要するに、
「他社で見た物件でも、当社にご連絡頂ければその後の手続きは当社が安く請け負います」
ということで、つまり「横取り」です。こうなってくるともう不動産会社ではなく、はたして何屋さんになるのでしょうか?最近では
「他社で案内を受けた物件は受け付けかねます」
とサイトに但し書きの記載があるところが多いです。仲介手数料を安く済ませたい、という希望を持つことはなんらおかしなことではありません。ただ、少なくとも案内からそうした会社に依頼するようにしましょう。
2.欲しい物件が取られてしまう可能性がある
基本的に、仲介手数料値引き会社は、客付(買い手側の仲介会社)の不動産会社であることがほとんどです。売り手と媒介契約を結んだ、物元(売主側の仲介会社)の不動産会社ではありません。物元の不動産会社は、両手取引を目指すのが通常です。
これはどんなケースでも言えることですが、例えば客付の不動産会社Aと、物元の不動産会社Bが同じタイミングで物件Cを案内し、双方のお客さんが気に入った場合、当然Bは自社のお客さんを優先する、ということです。仲介手数料が安くなることは確かに大きなメリットですが、上記のようなデメリットもあるという認識は持っておくべきです。
一番言いたいこと
結局何が言いたいかというと、
「正規手数料を払っても惜しくない!」
と思える不動産会社に出会えること、思ってもらえる不動産会社が増えることが、誰にとってもハッピーな結果になるということです。