新築分譲マンションの営業マンが売る商品は一つ。不動産仲介会社の営業マンの商品は多数、となります。扱う商品は同じ不動産でも、仕事のやりかた、お客様との接し方は全く違います。分譲マンションの営業マンは、自社の商品を買ってもらってなんぼです。一度モデルルームに来店し、
「この物件はパスしよう」
と決めたお客様が、再度モデルルームに来訪することは全くのゼロではないですが、可能性としては多くありません。つまり断られたらそこで終了です。商品が一つしかないというのは、お客様と長期的な関係を築きづらいのは確かです。
「その商品が良いか悪いか?イエスかノーか?」
必然的に、営業がどぎつくなってしまうのは致し方ないのでしょう。お客さんに断られないように長々と話を伸ばし、どうにかして買ってもらえるように、もしくは再度来店してもらえるようにがんばります。その無駄ながんばりが、物件を見て既に「ノー!」と結論を出してしまったお客さんにとっては無用なものとなります。そうした行為が行き過ぎると、
「なかなか帰してもらえない」
「無理矢理買わせようとした」
と、消費者センターに駆け込まれるネタになってしまうのです。
一方、不動産仲介営業マンはどうでしょう。問い合わせがあった物件を、無理に勧めて、どぎつく営業して買ってもらう必要はありません。もちろん、問い合わせがあった物件をすんなり購入してくれたら、それに越したことはありません。ただ、最初に問い合わせがあった物件を気に入らなかったとしても、似たような条件の他の物件を紹介することで、お客さんと長期的な関係を築くことが出来るのです。どっちが良い悪いの話ではなく、「その次がある」という面があるかないかで、こうもアプローチが違うという話です。
知識レベルで考えてみても、同じ商品ばかり扱っていては、その商品についての深い知識を得られるかもしれません。しかし、どちらがより幅広い不動産知識を身に着けられるのかというと、間違いなく不動産仲介会社の営業マンに軍配が上がると思います。