オーストラリアの不動産事情

妻の親戚が済むオーストラリアに行ったことがあります。その時に色々とオーストラリアの不動産事情についても聞いてきましたので、それをみなさんにシェアしたいと思います。

不動産購入検討者が、気になる物件を内見する場合、日本では取り扱いできる不動産会社に連絡を入れ、案内してもらうのが通常です。しかし、オーストラリアでは

「オープンインスペクション」

といって、売却中の物件を見ることが出来る日が予め決まっているようです。その日は日本で言うオープンハウスが色々な所で行われていて、自由に物件を見て回れるんです。日本は上記のように個別対応がほとんどですから、売り手がまだ住んでいれば、都合を確認したりしないといけないので、オーストラリアはかなり合理的だと感じました。

滞在中の一日が、まさにオープンインスペクションの日に当たったこともあり、完全に冷やかしで2件ほど物件を見て回りました。その時の物件資料がこれです。

基本的に平屋のレンガ造り。駐車場があるのは当然で、問題は何台置けるかということ。お風呂やベッドルームもいくつあるのかが重要で、アイコンで数が示されています。家の作りがこうも違うのは、地震がほとんどない地域性と国土の広さの違いなのか?と改めて思いましたね。

日本で言う「売り物件」看板です。そこらじゅうに立て看板がありました。

日本でこのような看板があるところの物件は、更地や空き家ですが、オーストラリアでは普通に住んでます。

一部語弊はあるでしょうが、オーストラリアの不動産は古ければ古いほど高く売れるようです。みんな大切に家をメンテナンスしながら使っています。手をかければかけただけ価値が上がるので、家を売るときは買った時より高く売れることがほとんだそうです。建物の価値を見ることが出来るのは、スクラップアンドビルドに慣れてしまった我々にはとても羨ましいですね。

滞在先はレンガ造りの素敵な平屋の一軒家。築なんと79年!

前面道路はこんなに広い!家の前に車は置いても良いそうです。まあこれだけ広ければ・・・ね。

そして日本では境界紛争という言葉があるくらい、家のなわばり争いがありますが、オーストラリアにももちろん境界はあります。それがこれ。

ペンキです。消えたらどうするんだとか誰も気にしないんでしょうね。広大な国土を持つ余裕なんでしょうか。日本に境界紛争が絶えないのは、国土が狭いから?と考えればなんとなく腹落ちする気がします。また、門の側面に書かれているこの数字が、隣地境界までの距離ということで、測量士と言う職業はオーストラリアでもあるようです。

そして個人的に楽しみにしていた世界遺産、オペラハウス。

当時無名だった建築家がコンペで当選。ところがデザインがこのように斬新過ぎた為、技術的に対応出来なかったり予算が合わなかったりで頓挫。その後14年の歳月を経て1973年に完成したという背景があります。

「技術的難易度や予算を踏まえてコンペすれば良かったんじゃ?」

と思いましたが、そうした経緯があったからこその世界遺産です。どこの馬の骨とも分からない建築家に依頼するのも、オーストラリアのおおらかさのなせる技でしょうか。こんな豪快な一面を日本も持っていれば、現在の閉塞感も少しはマシなんじゃないかと本気で思いますね。

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