毎年、一定の数字を残した営業マンだけが呼ばれる表彰式がある。
営業を主業務と置く会社には、
どこにでもあるのだろう。
ボクの所属していた会社の表彰式の様子は、
以下のようなものだった・・・
式の冒頭、壇上に立つ幹部役員は、
「わが社の利益の80%を諸君たちが作り出しています!」
と、パレートの法則よろしくこう言い放つ。
(*パレートの法則とは?)
アリは、集団のうち2割が食べ物の8割を集めてくる。 勤勉な2割の個体だけを取り出して集団にすると、 そこにもやはり「80対20の法則」が出現する。つまり、 働きアリと思われたもののうち8割がなまけアリになり、勤勉な2割が 食べ物の8割を集めるようになる。 さらに、なまけアリの集団でも同じく「80対20の法則」が出現する。 すなわち、なまけアリの集団から 働きアリが2割生まれ、それらが食べ物の8割を集めてくる。 この法則は、ハチの世界でも同様である。
<具体例>
・上位20%の営業マンが、売上げ全体の80%をあげる。
・20%の売れ筋商品が、総売上の80%を稼ぎ出す。
・20%の上得意客が、総売上の80%をもたらしている。
・サイト訪問者の上位20%が、アクセス総数の80%を占めている。
・納税者の上位20%が、税金総額の80%を負担している。
「それを誇りに、より一層精進してください!」
と、加齢臭放つ女王アリ(*中年男性)が、
全国から集まるキラ星の猛者たちを目の前にして語るのだ。
表彰式に呼ばれるということは、
文字通りトップ営業マンとしての称号なのだが、
ラッキーパンチの連続で、
突然飛び込んでくる営業マンも少なからずいる。
ポッとでの営業マンが、
一度だけ表彰式に出席したからと言って、
名実ともにトップ営業マンとして周囲に認知される訳ではない。
トップ営業マンとして周囲に認めてもらうには、
営業数字にでっこみひっこみがあろうが、
毎年、最後には必ず表彰式に出れるくらいの数字を最低限作ってくる営業マンのことだ。
つまり、実績を残し続けることが大切なのだ。
ボクはプロ野球が好きで良く見るのだが、
「この成績の割には年棒が高すぎやしないか?」
と思うベテラン選手が良くいる。
単年の成績でいったら、
去年、今年位にポッと出てきたイキのいい若手の方が数字は上だ。
なぜ若手より数字で劣る、
そうしたベテランが高給取りなのかというと、
安定した数字を何年にも渡って残してきたからなのだ。
積み上げてきた実績が評価の重要な要素となっているということだ。
会社としても、ある日突然爆発してナンバーワンに躍り出られるよりも、
数年にわたってトップ10にランクインし続ける営業マンの評価が高いのは当然だ。
思いっきり余談だが、
これを男女関係に落とし込むと、
より理解しやすくなおかつ、
女性からの評価を下げないヒントになる。
付き合い始め、お互い好きで好きで仕方がない。
毎日会っていたいし、毎日話をしていたい。
寝る間も惜しんで会い、電話をする。
誕生日にはプレゼントを用意し洒落たレストランでディナー。
クリスマスにはホテルで甘いひと時を過ごす。
なんの用事もないのに花束を贈ったり、手紙を書いたり・・・
(*決してボクのことではない)
・・・しかし、そんな二人が甘い時間を過ごすのも期間限定だ。
いつしか二人の間には隙間風。
あれほど一生懸命にイベントを企画しては、
彼女を連れ出していったあなたも、
めっきり自分からはデートに誘わなくなった。
どこかに出かけるお誘いはいつも彼女から。
用がなければ会ったりしないのに、
なぜだか、
「あいつには俺が必要なんだ」
「俺が振られるなんてありえない!」
と、自分が振られることなど微塵も予想しない。
そんな都合の良い勘違いをするのが男性なんですよ、
女性のみなさん。
(*ボクの実体験ではない)
で、そんな都合の良い思い込みはあっさり裏切られ、
ある日、なんの前触れもなく(そう思っているのは男性だけ)、
「他に好きな人が出来たの」
と愛想を尽かされてしまうのだ。
(*ボクの実体験では(以下略))
女性との関係を長続きさせるためには、
付き合い初めに全力を尽くすよりも、
(魚に例えて女性には大変恐縮だが)釣った後も、
他の魚も食べたがるような高級なものでなくても良いから、
長きに渡って与え続けることが大切なのだ。
付き合い初めは、多少のお粗相があったとしても、
女性は見て見ぬふりをしてくれるのだから。
男女関係にまで脱線しながら、
結局何が言いたいのかというと、
瞬間最大風速で100%の実績を残しても意味がなく、
80%のパフォーマンスを長期にわたって維持し続けることの方が、
よほど重要だということ。
というわけで、ボクも夫婦関係を良好に維持するため、
ケーキを買って帰ることにしよう♡
男女のことについては書かれていませんが
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