宅建免許が取り消される悪徳不動産会社

先日、業界新聞に、とある不動産業者が免許を取り消しになったというニュースがありました。運転免許がなければ車を運転してはいけないように、宅建免許がなければ不動産業を行ってはいけません。

運転免許は違反をすれば点数が引かれていき、なくなると免許停止、免許取り消しとなります。宅建免許も同じです。点数はありませんが、悪いことばかりしていると、今回のニュースのように免許が取り消されます。なぜ取り消されたのか?ちょっと見てみましょう。

『複数の顧客との間でマンションの売買の仲介業務を行ったが、その中で、

  1. 媒介契約書を売主に遅滞なく交付していない
  2. 重要事項説明書に必要な記載がない(手付金の額、私道負担など)
  3. 物件の購入希望者がいないにもかかわらず、希望者がいると不実のことを告げて媒介契約を締結させ、その後転売差益を取得することを目的として代金を減額させた上で、取引態様を変更し、自ら買主として売買契約を締結した』

まあ不動産業者として、当たり前に行わなければいけないことをやっていない、ということです。文面を読んでもらえればなんとなく理解出来ると思います。しかし一般の方にイマイチ伝わらないと思うのが3.です。ざっくりと要約するとこうなります。

『実際にはお客さんなどいないのに、

「当社にはお客さんがいます!だからお任せ下さい!」

とウソを言って売却の依頼を受けました。その後、お客さんがいると言ったにも関わらず、売れないと伝え、徐々に販売価格を下げていきましたが、それでも中々売れません(正当な販売活動を行っていたかは疑問です)。売主さんが大分弱ってきた所で、すかさず、

「ここまで金額を下げても売れないとなれば、お客様の物件は需要があまりないのかもしれません。こうなるとさらに金額を下げていくしかありません。・・・だけどそれだとお客さんも気の毒ですし、困ってしまうでしょう?お客さんを助けると思って、特別に!この金額で当社が買わせて頂きますが、いかがですか?特別ですよ!」

仲介業者だったはずが、いつの間にか「買主」になりました(取引態様を変更)。ここまで不動産業者のいいなりになっていた売主さんは、

「これ以上安くなってしまうなら・・・買ってもらえるんなら・・・」

ということで、言い値で売買契約を結びました。』

ということです。

「転売差益を取得することを目的として」

とありますから、その会社は言い値で買った不動産を、後日、正当な価格で売りに出し、差額を手にすることが当初からの目的です。実際に売主と不動産業者の間で、上記のようなやりとりがあったのかどうかは謎です。いずれにせよ、売主の弱みに付け込んだ、恐らく詐欺的な似たようなやり口だったのでしょう。怖いですね。良い取引は良い不動産業者選びから!気をつけましょう。

その他にも色々悪徳行為はあり、以下のようなものがありますのでご参考に。

■悪徳業者A

  • 賃貸物件の仲介を行うに当たり、ポータルサイトに物件を掲載したが、そのどれもが契約済みで取引出来ない物件だった(おとり広告)。また、賃料、管理費、礼金、敷金を実際より安く表示

■悪徳業者B

  • 賃貸の仲介を行って契約をしたものの、貸主に渡すべき敷金を支払わなかった

■悪徳業者C

  • 買主とマンションの売買契約を結んだが、午後8時から深夜1時半までの長時間にわたり勧誘をした
  • 「買わない!」と断っているのに、しつこく勤務先にまで電話をかけてくるなどした

■悪徳業者D

  • 戸建ての売買契約を行ったが、売主に媒介契約書を交付しなかった
  • 限度額を超えて報酬を受け取った
  • 不当に高額な報酬を要求した
  • 売主と合意していないのに、「企画料」名目で金銭を要求

■悪徳業者E

  • マンションの売買契約を行ったが、重要事項説明書・契約書に、日付や売買金額や手付金の額を記載しなかった
  • 融資申し込みの際、買主の預金通帳を改ざん。預金残高を多く見せそれを使用して融資手続きを行った

最後なんかもう完全に犯罪ですね。仮にみなさんが今後、これらの行為を不動産業者にされたら、それは業務停止処分をされるほどの悪徳行為だということですよ。

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