新規に建物を建築することができない物件のこと
文字通り、再び建築物を建てることができない物件をいいます。現存する建物を使用・利用することはできますが、古くなったからといって立て替えることはできません。
再建築できない理由
建物を建築するための原則として、
- 道路法上の道路に
- 2m以上接していなければならない
というルール(法律)があります。
再建築できない物件というのは、上記2点のいずれかに該当しているため、再建築ができないのです。
以下写真に写る「道」は、一見すると道路のようですが、実は道路ではなく「ただの空き地・通路」であり、この通路に面して建っている建物は、道路未接道となり、再建築不可の物件となります。
道路の種別については以下の記事をご覧ください。
再建築不可物件を購入するメリット
メリットその1.安い
通常の再建築が出来る物件と比べ、金額が大幅に安いことがメリットです。ですから建物がまだ十分利用できるのであれば、希望のエリアに安く住めることが可能です。新しい建物を一から建築することはできませんが、リフォームは可能です。
メリットその2.利回りが高い
最初から投資用と考えると利回りは高くなります。なぜなら賃貸に住む入居者にとって、その物件が再建築できる物件なのかそうではないのかは関係ないからです。
再建築できる物件Aが3,000万。再建築不可の物件Bが1,000万だとします。築年数、大きさ、立地共に同程度の戸建て賃貸があったとして、賃料を15万と仮定します。するとそれぞれの利回りは・・・
- A 利回り6%
- B 利回り18%
となります(*税金などを除いた単純利回りです)。再建築はできませんが、投資効率は高いことが分かります。
再建築不可の物件が安い理由
金融機関の融資が使えないから
一般的に再建築不可の物件への融資はNGです。そうしたクセのある物件に積極的に融資をする金融機関もあるにはありますが、金利が通常の金利に比べて高くなります。メガバンクやネット銀行などが提供する低金利で融資を受けることはできません。
流通性が低いから
再建築ができず融資も利用しづらいため、売りにくく、流通性が低いため、販売価格を下げざるを得ません。とあるエリアの物件を調べていると、他の物件と比べて極端に安い物件を見かけますが、そのほとんどは再建築不可の物件です。
ただ、流通性が低いため、通常の再建築可能の物件より時間がかかるかもしれませんが、売れないわけではありません。
まとめ
再建築不可 = 無価値
と思われている節があります。当然、そのような物件もありますが、実際に値段を付けて販売しているわけですから、価値がないわけではありません。使い方によっては利用価値はあるのです。
個人的には建物がまだ利用でき、少しの手直しで賃貸に出せるのであれば、投資用として購入するのがよいと思っています。
また、賃料の支払いがもったいないと思うのであれば、安い再建築不可の物件を購入し、使い倒すのもよいでしょう。使わなくなったら売れますし。
ようは使いようでどのような方法も考えられるのです。再建築不可物件の流通をもっと促進したいですね。