土地活用としてのトランクルーム経営

遊休土地でトランクルーム事業を始めようとした場合、以下の2つの方法があります。

 

土地を貸す

1.は10年単位で事業会社に貸しに出します。オーナーは地代を毎月受け取ることになります。基本的には契約中の途中解約はできません。ですから

「計画が変わって、アパートを建てたいので解約してください」

と途中解約を申し出ても原則はできません。

オーナーが建築

オーナーがコンテナルームを建築し、事業会社が運営します。運営方式には2種類あり、毎月定額が運営会社から振り込まれるケースと、コンテナルームの稼働率によって振り込まれる金額が変動する売り上げ連動方式があります。

コインパーキング同様、1年もしくは2年契約が多いですが、途中解約は可能です。オーナーが建築・設置したコンテナは、解体し廃棄しなければなりません。しかし、最近では設置したコンテナを買い取ってくれる事業者もあるそうですので、契約をする前にその点については確認するようにしましょう。

どちらで行うにせよ、トランクルームを始める際には、最低80坪程度の土地面積が必要となります。

トランクルームのメリットは?

  1. (賃貸アパートより)安定した収益
  2. (賃貸アパートより)初期投資が少ない
  3. (賃貸アパートより)ランニングコストが少ない
  4. (コインパーキングと比べて)地型を選ばない

主に上記4点がメリットです。一つずつ解説していきます。

1.(賃貸アパートより)安定した収益

通常アパートは、築年数が経てば経つほど、稼働率が下がります。しかし、トランクルームの場合は、トランク自体経年して古くなったとしても、それが原因で賃料が安くなることはありません。

2.(賃貸アパートより)初期投資が少ない

賃貸アパートは、収益も大きいですが、その分かかる費用とリスクも大きくなります。土地の大きさ、建築する建物の規模によってかわりますが、賃貸アパートとなると、少なくとも1億程度はかかるはずです。

トランクルームの場合、事業者によってかかる費用は異なりますが、目安として100坪で1,200万ほどの建築費用で済みます。

3.(賃貸アパートより)ランニングコストが少ない

賃貸アパートは、建てたあとも修繕費用がかかります。入居者が退去した後にはメンテナンスが必要ですし、経年が進めば進むほど室内や共用部を適切に修繕しなければなりません。

トランクルームのトランクが何かの拍子で壊れる可能性はゼロではないですが、基本的にはただの「箱」です。修繕する必要はほとんどありません。

4.(コインパーキングと比べて)地型を選ばない

コインパーキングの場合、車が通行できる広い道路と、入りやすい地型が必須です。変形の地型や敷地延長の土地だと、止められる台数が少なくなり、収益も少なくなってしまいます。

しかしトランクルームの場合、敷地延長だろうが変形の土地だろうが関係ありません。もちろん、トランクルームは建築物ですから、行動に面している必要はあります。しかし、コインパーキング事業程、土地の形や立地に収益が左右されることはありません。

ミドルリスク、ミドルリターンの活用方法

上記のことを踏まえて考えてみると、以下のような公式が成り立つかと思います。

  • 初期費用・・・賃貸アパート > トランクルーム > コインパーキング
  • 収益・・・・・賃貸アパート > トランクルーム > コインパーキング

土地の評価額は下がらない

ちなみに賃貸アパートを建築すると、土地は「貸家建付け地」となり、評価額が下がり相続税対策として有効です。しかし、トランクルームの場合は、「貸家建付け地」とはならず土地の評価額は下がりません。相続税対策としてはあまり有効ではないということを理解しておきましょう。

最も重要なポイントは・・・

トランクルームだけの話ではなく、土地活用全般で言えることですが、そもそも需要があるところで事業を行わない限り、魚がいないところで釣をやるようなもので、効果はありません。上記にミドルリスクと書きましたが、立地によってはローリスクにもハイリスクにもなり得ます。

トランクルームはあくまでも土地活用の一つの手段であり目的ではありません。その土地の市場性や特性を踏まえて、トランクルーム以外の活用方法も同時に検討しなければなりません。

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