「ブラック企業大賞」
で大賞には惜しくも届かなかったものの(笑)、
エステ業界の「業界賞」を受賞した、
たかの友梨ビューティクリニックを経営している株式会社 不二ビューティ。
長時間労働や残業代や休みが適切に取れていなかったことを、
労基に報告した従業員を一室で社長が厳しく詰問。
その従業員は恐怖を感じ、
ストレスで会社に行けなくなってしまった・・・
ということに端を発したことによる今回のノミネート→受賞の流れとなったようだ。
それを「良し」としようとは思わないが、
労働時間が長いとか休みがない、
また残業代が出ないというのは、
別に珍しい話ではなくどこにでも当たり前にある話なんじゃないかな。
個人的な見解で大変恐縮だが、
労基に告発したくなるほど我慢できないというのであれば、
そんな会社はこちらが見限って、
さっさと辞めてしまえば良かったのではないかと思ってしまう。
だが、この従業員はそうせず労基に告発するという選択肢を選んだ。
待遇には不満はあれど、仕事に関しては自分のやりたい仕事ができる、
スキルアップできる環境だと認めていたのだろうか。
もしくは会社をより良い環境にするため立ち上がったのだろうか?
それともただの怒りから故の行動なのか?
そのあたりは分からない。
私も同じような労働状況で働き、労基に踏み込まれ、
その営業所が2週間ほど営業停止に追い込まれたことがある。
しかし、どんな劣悪な環境でも、
私自身が声を上げて労基に告発しようとは思ったことはない。
なぜなら、私のような一従業員が告発したところで、
それをきっかけに労働状況が劇的に改善されるとは思えなかった。
それに間違いなく自分の首を絞めることになると思っていたからである。
現にこの従業員は、密室で社長から詰問されたことがきっかけで、
大きな恐怖を覚え、精神的なストレスで会社に行けなくなってしまったという。
告発したことで、株式会社 不二ビューティはある程度の社会的な制裁を受けることになった訳だが、
告発した本人が精神的に病んでしまっては本末転倒ではないかと私は思ってしまう。
一昔前のように、生涯にわたって雇用を保証されるわけではない。
一つの会社で頑張り続けるということも重要だが、
自分に合う会社、合わない会社は必ず存在する。
合わない環境に強引にアジャストしようとしても様々な形で無理が出てくる。
そのあたりの会社との付き合い方、働き方をドライに考えるスキルが、
これからのビジネス世界を渡るためには必要となってくるのではないかと思ってしまった。
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