買い替えの定義
「住み替え」と同義語のような気もしますが、部屋を借りている人が、他の部屋を借りて引っ越すことも住み替えと言えます。ですからここで解説する買い替えは、
- ローンを借りて購入している
- まだ住宅ローンが残っている
- 売ってもローンを返済できない(*ローンが残る)
- だけど住み替えたい
と定義します。
買い替えする理由とは?
買い替えをする主な理由としては
- 部屋が手狭になった
- より良い条件の物件に住み替えたい
- ローンの返済が厳しいので、安い物件に住み替えたい
上記の3点があります。
このような理由で今の住居を一旦手放し、新しい住居に住み替えを希望するとします。しかし、まだローン残っていて、売却をしても完済できないこともあります。分かりやすく例を挙げると以下の様なケースです。
- 現在のローン残高は3,500万
- 査定価格(売却価格)は3,000万
この場合、3,000万以上で売れなければローンを完済できないため、売却するには足らない500万を別途用意する必要があります。
不足する分を現金で用意できれば売却することはできますが、まとまった現金を用意できないのであれば、売却することはできません。返済計画を検討し直すなどして、コツコツと元金を減らしていくしか手はありません。
売却が可能なケース
しかし、上記のようなケースでも売却が可能な場合もあります。
購入する物件が4,000万だとして全額融資を受けるとします。その4,000万に、売却で生じる不足分500万を上乗せし、4,500万のローンを新たに組み直すことで「売却 → 購入」の買い替えをすることが出来るのです。
上図は現在より高い物件、より条件のよい物件への住み替えケースです。
そして以下は少し事情は異なりますが、借入金圧縮(*だけではないですが)が目的の買い替えの図です。
売れば現金が残る場合
売却価格 ≧ 残債
の場合、売却単独で考えることが可能です。
売却すればローンは完済、リセットできます。
仮に新規物件を購入する前提の売却で、契約を既に済ませてしまっていたとしても、欲しい物件が見つからなければ、無理に購入する必要はありません。しばらくは賃貸に住んで、ゆっくりと購入物件を探すことができます。
もちろん、賃貸でしばらく住むとはいえ、契約金や毎月の家賃、引っ越しにかかる労力など、色々とパワーが必要です。そのため賃貸物件は経由せず、
売却物件 → 購入物件
のようにダイレクトに移転したければ、買い替えのレールに乗るしかありません。
買い替えのデメリット
売却価格 < 残債
の場合、売却しようとすると、単独では売却できない(*売却してもローンを完済できない)ため、新規物件の購入と絡めなければなりません。
残債が多すぎて売却できなかったものが売ることができ、なおかつ新居に移り住むことが出来るのですから、ありがたい仕組みなのかもしれません。
しかし、売却も購入も互いに連動することになります。売却しなければ購入できませんし、購入しなければ売却もできません。
仮に希望の物件が見つからなかったとしても、売却の契約を済ませてしまっていれば、必ず購入しなければいけません。
「良い物件が見つからなかったら売るのはやっぱりやめた」
というのは基本できませんし、購入の契約を済ませてしまっていて、
「希望の金額で自宅が売れそうもないからキャンセルで」
と都合よくキャンセルすることはできません。
このように売りと買いが密接に関連するので、利用する方は不動産会社任せではなく、仕組みや流れを充分理解しておくことが必須です。