マイホーム購入に「資産価値」という要素を含むべきではない
人はマイホームを購入しようとすると、その時の自分(*世帯)で買える金額の、最大の力を発揮して(*全力で)購入しようとします。
もちろんそれが悪いというわけではありません。
「自分の気に入った街や生まれ育った街で、生涯に渡って家族生活を行っていきたい。家族も出揃い、今後20年近く家族構成が変わることがないのなら、なるべく良い住まいで生活していきたい」
と望むことは正しいです。それを理解したうえで、返済比率いっぱいで融資を組んで、全力で購入するのは問題ありません。
ただ、そこに「資産価値」というあいまいなものを絡めようとするから話がおかしくなります。
資産価値の高い物件を買う = 資産を持つ、ではない
「資産価値が高い物件を」
と言われる方が多いのですが、自宅として購入したマイホームを、「資産」に出来る人もいれば出来ない人もいます。
例えば、いわゆる資産価値の高いエリアの、1億円のマンションを、9,000万円の融資を受けて10年前に買った場合。10年後の現在、相場で売れる金額が8,000万で、なおかつ残債が8,000万以上あった場合、それは「資産」ではなく「負債」です。
逆にそれほど資産価値の高いわけではないエリアで、10年前に2,000万円の物件を購入し、10年間で全額返済していたとしたら、その時の相場で売れる金額の「資産」を持つことを意味します。
つまり、
「資産価値の高いエリアにある物件」
「人気のある物件」
を購入することが、「資産」を手にすることではないということです。
マイホームを資産にしていくには?
もし、マイホームとして購入した物件を、人生の資産設計に組み込んでいきたいと思うのなら、全力で購入することはなるべく控え、5年、10年という短いスパンで返済していける手頃な物件を、若い時から買い揃えていくことをオススメします。家族の要求をすべて叶える理想の我が家は後回しです。
「資産として物件を持つこと」
と、
「理想の我が家」
2つの夢を同時に叶えることは難しいのです。
住宅ローンのしくみを理解しましょう
金利とか変動とかそのような話だけではなく、住宅ローンのしくみ・本質を理解しておくと、住宅ローンを利用して、資産形成を行っていくことも可能です。ぜひ資産形成のお供にどうぞ。