両親やおじいさん、おばあさんのころから続く代々の地主さんではなく、
「初めて収益物件を購入した」
「自宅を相続したけど使わないから貸しに出したい」
など、新規にオーナー業を始める方が当社でも多くいます。そんな新規オーナーさんに対して、我々のような不動産管理会社が提供する一番のサービスはなんでしょうか?
「入居者を早く見つけることに決まってる!」
もちろん、それも大切な業務のうちの一つです。ですが、その一点にフォーカスを与えてしまってはいけません。(当社が考える)一番のサービス、それは非常におこがましい言い方かもしれませんが、一人前のオーナーになって頂くための「教育」であり「指導」です。
「ワンルームマンションの一室を貸す」「使わなくなった自宅を貸す」に過ぎないと軽い気持ち始めたとしても、れっきとした「不動産賃貸業」というサービス業を営む一事業主となるわけです。
勉強熱心なオーナーさんもいますが、一朝一夕に不動産賃貸業の商慣習や通例などを学べるはずはありません。何組もの入居者と取り引きを交わす中で、少しずつ学んでいけるものです。一つの書類を入居者と取り交わす必要性や、その行為の意義、賃貸オーナーとしての考え方や入居者に対するベストな対応をその都度ひとつずつ教えていくことが、オーナーさんに対しての一番のサービスだと考えています。
例えば入居希望者から申込書が入ってきたとします。オーナーが何も知らないのをいいことに、申込書をオーナーに送ることなく勝手に審査を通してしまう不動産会社・管理会社があるようです。
「空室を埋める」という、不動産会社の数ある業務のたった一つにフォーカスを与え過ぎてしまうと、「空室を埋めてくれたんだから」「来月から賃料が入ってくる!やったー!!」と喜んで、「どうぞどうぞ!」と、申込書の内容も理解せず、ろくな審査もせずに素通りしてしまいがちですが、それではいけません。
まずは申込書の重要性と、その内容をよく把握してもらい、入居希望者から申し込みが入ったら、最初にどこに注意して見たら良いのか?を不動産会社がアドバイスしないと、新規オーナーはどこを見たらいいのかさっぱり分かりません。
勤務先は?年収は?連帯保証人はいるのか?連帯保証人に支払い資力はあるのか?そもそも連帯保証人とはなにか?賃料発生日は?などなど。。。オーナーがチェックするべき個所や、重要なところを理解してもらうよう情報提供を行うのです。
もちろん、取引はそれだけでは終わりません。契約、更新、退去、クレーム対応、督促など、「人に不動産を貸す」という行為は、非常に多くの業務が伴うものです。例え実作業を行うのが管理会社だったとしても、オーナーが何も知らなくても良いという訳ではありません。
「こういう時にはどういう対応をすれば良いのか?」
「そのように行動する意味と意義は?」
を一つ一つ不動産会社が、一人前のオーナーになるべく教育・指導していくことが重要なのです。新規オーナーが何も知らないのをいいことに、自社の都合の良いように振る舞う不動産会社や管理会社も未だ多くあります。
そうした会社にとって、何も知らないオーナーさんに、情報を与えて素人から玄人にしてしまっては都合が悪いのです。いつまでも一段上からオーナーさんと相対していきたいんですね。
しかし、そのようなオーナーと不動産会社の付き合い方では、どこかで必ず無理が出てくるはずです。オーナーを不動産会社と同じ目線まで引き上げ、対等にビジネスを行う。これが一番健全だと考えます。