4月5月よりは減りましたが、毎日さまざまな営業マンがアポなしの飛び込み営業にやってきます。
当社は不動産会社なので、買取業者やマンションデベロッパー、賃貸業者、保証会社、引っ越し業者や通信機器会社が多いですが、こうした人以外にも、コピー機や証券会社、先物や金なんかの営業マンがやってきます。
この日も、月末・月初に発生するルーティンワークをとろとろ作業している私のところへ、マンションデベロッパーのまだ入社間もないであろう女性営業マンがやってきまして、
と、消え入りそうなか細い声でこう言いました。
基本、人の時間を強引に奪っていくアポなしの飛び込み営業は嫌いです。
とはいえ前途ある新人さんを邪険に扱うのも気の毒なので、自分なりに最低限の対応を心がけてはおりますが、
というようなそっけない対応になってしまいます。
こちらは作業中なので、ペースを崩されることなく少しでも早く自分の作業に戻りたい一心から生じるこうした対応ですが、勇気を振り絞って飛び込んだ会社でそっけない対応をされ、すごすごと引き下がる若手営業マンの後姿を見ると、どうか気を落として欲しくないなと、切に思います。
ということで、そんな飛び込み営業を頑張る若手営業マンに向けて、日々、営業を受けている側からのアドバイスをさせて頂こうと思いました。飛び込む側からのアドバイスは、先輩や同僚から聞かされることが多いでしょうが、飛び込まれる側からのアドバイスは貴重なのではないかと思いますよ。
対応する人の態度はその日の気分と状況次第
対応する人の対応はさまざまです。
私のような塩対応の人もいれば、話を最後まで丁寧に聞いてくれる人。はたまた
「てめえ、こら!もう二度と来るな!」
と怒鳴り返す人などさまざまです。
そっけない人や怒鳴り返してくる人なんかに当たってしまったら、もうそこの会社は見込みないと思うかもしれません。しかし、そんなことはないのです。
営業を受ける側も人間です。その日の気分や仕事の立て込み状況によって、営業マンに対する対応は当然異なります。
「飛び込み営業されるのは嫌い」
と上記しましたが、じゃあ飛び込み営業の人から物を買ったりサービスを受けたり、取引をしたことがいままでに一度もないかといったらそんなことありません。
飛び込み営業に来た営業からきっかけで、いろいろな会社と取引を始めていますし、いきなり飛び込んできた営業の人の話を聞いて仕事をしたこともあります。
営業に来た人が凄腕だったとか、人の懐に入るのが抜群にうまかったとか、若い女性だった(笑)とかそういうのではありません。単純にその日の気分や仕事が落ち着いていて、興味はないけどどんな営業に来たのか、ヒマつぶしを兼ねて少し話を聞いてみたとかそんなんです。
飛び込み営業成功の可否は、飛び込む側の技量ではなく、受ける側のその日の気分次第です。あなたのせいではありません。
気分次第だから落ち込む必要は一切ない
飛び込まれる側のその日の気分によって結果は異なるのですから、そっけない対応で追い返されても気にする必要は全くありません。あなたの営業力がないわけでも対応が悪かったせいでもありません。
ただただ、
その日の気分があなたの話を聞く体制ではなかった
というだけです。
日を改めてまたふら~っと立ち寄ったら、前回とはまったくことなる対応をされるかもしれませんし、違う担当者の人が話を聞いてくれるかもしれません。落ち込む必要は全くありません。
とはいえ、再訪しても問題ないかそうではないかの見極めだけはしておくべきです。怒鳴るようなところは差し控えた方がよいでしょうね。気分とかそういう問題ではないので。
再訪したらマズイ会社かどうかの認識だけはしっかりしましょう。
まずは嫌われないこと
会社の方針なのかもしれませんが、妙に元気のよいあいさつでノリノリの対応で飛び込んでくる人もいます。
そういう体育会系のノリが好きな担当者ならよいかもしれませんが、私のように苦手な人もいます。見ず知らずの人に、仕事中アポなしで訪問されて、いきなり陽気なノリであいさつされても困りますし、なによりデリカシーを感じないのでイラっとします。
統計を取ったわけではなく、個人的見解が多く含まれますが、私と同様に感じる人の方が多いと思いますよ。まずはそれを認識してください。
会社の方針や自分なりに考えた結果でそうしているのかもしれませんが、あなたはあくまでも飛び込みの営業マンです。仲良くなった担当者がいる会社に出入りするときであれば元気溌剌で訪問してもいいでしょうが、まずは始めの一歩です。
多くの人に好感とはいえないまでも、イヤなイメージを持たれないような態度や身だしなみを心がけた方がよいでしょう。まずは嫌われないことが重要です。
仕事ができる営業マンの特徴
あなたより飛び込み営業が得意な同僚もいるでしょう。あなたは
「あいつはオレよりも営業が上手でいいなあ」
と思うかもしれませんが、能力に差はないと私は考えています。
その同僚があなたより優れている部分があるとすれば、
「自分と相性が合う人を見極める能力」
です。得意なこと・苦手なことがあるように、対人間でも得意な人・苦手な人が絶対にあります。私にももちろんあります。
あなたより飛び込み営業で実績を上げている人がいるなら、この人は自分が得意な相手を見極めて、そこに集中しているのです。やみくもに飛び込んでいるように見えて、実は自分な得意な相手がいないか探っているのです。
飛び込み営業をしていくなかで、自分が得意なタイプはどういう人なのか?をぜひとも探していってください。
どうしてもイヤなら辞めちゃえば?
飛び込み営業がうっとうしがられるのは仕方がありません。だから断られることが前提条件です。
「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」
といいますが、まさにそのとおりなんです。だからどうしたって数を多く打たないといけないのです。
人間は断られることが大嫌いで、すごくストレスが溜まります。断られるたびに、自分が否定されたようになってしまって、自己嫌悪に陥ってしまいます。
行く先行く先で断られていると、精神的にしんどいと思いますが、断られることが当然なので傷つく必要はありません。いちいち傷ついていたらやっていけません。でも、いくらそうだと思っていても、やっぱり断られると辛いですよね。
人間、向き・不向きがあります。飛び込み営業を続けていく中で、契約を取れたとします。そこでいままでとは違った仕事のやりがいや楽しさを実感できて、それがきっかけで前向きに飛び込み営業を頑張れる人もいるでしょうが、頑張れない人もいます。
例えどんな仕事をしていたとしても、頑張らなければいけないときは必ず現れます。それがどのタイミングなのかはその人次第ですが、もし嫌で嫌で仕方がなく、体調を崩すようならさっさと辞めた方がいいですよ。若いんだから、次の仕事なんていくらでも見つかります。
辞めてしまうのは、あなたの頑張りが足りないのではなく、単純に飛び込み営業に向いていなかっただけなんですよ。
自分の向いていないことが分かってラッキー
と思って、次へ行きましょう。
偉そうに書いてる私も、いまから飛び込み営業やるかといったら、ゼッタイやらないし、続けられない自信はあります。
まとめ
以下、まとめです。
- 担当者の気分次第で決まる
- 落ち込む必要は一切ない
- 自分の得意なタイプを探す
- まずは嫌われないこと
- どうしても無理ならさっさと辞める
頑張ってください。応援しています。