他業者の内見に立ち会う理由

賃貸だけに限らず、売却もですが、当社が管理してる物件に他業者から内見依頼が届くことが多くあります。カギを現地に設置して、現地対応にすることもできるのですが、当社では時間があえば極力、他業者の内見に立ち会うことにしています。

案内をしてくれた他業者には後日、内見がどうだったのかをヒアリングし、その結果をオーナーに報告しています。他業者の内見に立ち会っていないと、内見の結果が

「ダメでした」

の一言で済まされてしまうことが多いのです。実際、箸にも棒にもかからなかったのかもしれませんが、オーナーから依頼を受けている側としては、ダメならダメなりの詳細な理由を知りたいのです。

「賃料はピッタリなんだけど、部屋の設備がちょっと古臭いなあ・・・」

「家賃は安いくていいんだけど、収納がもう少しあれば・・・」

「値段の割には狭く感じるなあ」

など、他社の内見に立ち会うことで、お客さんからはたくさんの「素」のコメントを聞くことができます。

「不動産業者」

という濁った(苦笑)フィルターを通して物件を見ることがない人の率直な意見は、その他大勢の意見の代弁者でもあるのです。そうした率直な情報を知ることで、オーナーに報告や提案するための材料になるのです。

当社が依頼を受けている物件は、会社近くの物件ばかりではありません。車で30分かけて行く場所もあれば、電車を乗り継いでたどり着く物件など、立地はさまざまです。非常に面倒な作業であることに違いはありません。

しかし、以上の理由によって時間が許す限り、お客さんの生の意見を聞くために、日々他業者の内見に立ち会っているのです。

・・・30分かけて行った内見が、入った瞬間で判断され、わずか1分で終了になることもたまにあります。そうした際に感じるなんともいえない挫折感・無力感は決してお客さんに知り得ない感情です。がしかし!心の中ではがっくりと膝をついている真摯な不動産会社もあるということを、頭の片隅にほんの少し置いておいてくださると嬉しいです。

物元業者としての立場と、内見する立場とでは少し異なるんですけどね。もし案内する立場からすると、気楽に内見することが出来る「現地対応」がいいです。

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