土地活用・不動産活用の傾向と対策

土地活用と言うならばアパート・マンション経営、駐車場経営が真っ先に思い浮かびましたが、価値観が多様化した現在は、様々な選択肢が存在します。土地・不動産所有者にとっては、選択の幅が広がって良いことなのかもしれませんが、選択肢が増えすぎたために「検討・選択しにくい」という声も多く聞きます。なにを選ぶにせよ、各選択肢のメリット・デメリットを充分理解してから行動に移すことが必要です。主要だと思う活用方法を以下に見ていきましょう。

■アパート、マンション経営

土地活用・不動産活用と言うと真っ先に頭に浮かぶのがこれです。ただ、今までのように、ハウスメーカーや工務店の言いなりで建築してしまうのは危険です。「○○年一括借り上げ」などとCMで大々的にうたっているので、

「長きにわたって面倒を見てもらえて安心だわ」

と、どこか他人任せの甘い見通しでは絶対に成功しません。価値観の多様化、少子高齢化で人口が減っていく今の時代、なにもかも放り投げ片手間でアパートやマンション運営していけるほど簡単ではありません。

今はどの地域でも「部屋あまり」の状態が続く、完全な借り手市場です。世にある賃貸物件すべてがライバルで、競合商品となります。その苛烈な競争の中で入居者に選択してもらうためには、どこにでもある物件ではいけません。頭一つ抜け出すような、大きな「武器」であり特徴が物件自体に必要となります。例えば以下に挙げるような特徴を持った物件の出現は、現代の消費者ニーズを反映してのものです。

ペットとの共生マンション

ペットと一緒に暮らすことを目的にしたアパート・マンションです。ワンちゃん・猫ちゃんと暮らすライフスタイルが当たり前となったこともあり、ペット好きを多くひきつけています。共用部分にワンちゃんの洗い場があり、入居者同士のコミュニティが作りやすいのも特徴です。さらに1階部分に動物病院やトリミングサロンなどを積極的に誘致しているところもあります。動物好きなら一度は住んでみたいと思いますよね。

オトコのお城!ガレージハウス

男性の趣味にスポットを当てたものです。車やバイクなどを置くガレージが1階にあり、そこから居住部分に行ける。常に自分の愛車を眺めていたいと願う、男性向けの物件です。

一生賃貸!ニーズを満たす「戸建賃貸」

主にファミリー向けの賃貸物件です。「結婚後しばらくは賃貸。子供が生まれたのをきっかけに駅前のマンションを。子供の手が離れたころ、駅から少し歩く場所に庭付き一戸建て・・・」という、一昔前の人が当たり前のように考えていた「不動産すごろく」が、様々なニーズによって当たり前ではなくなってきています。

「一生賃貸で暮らす」

と考える世帯も増えてきていますが、そうした要求に耐えうるファミリー向けの物件の供給が進んでいません。あってもほとんどがマンション。そうした背景から生まれてきた戸建て賃貸という形態も、人気を集めています。

■社会貢献活動にも。高齢者専用賃貸

人口の半分が高齢者になるとされている超高齢化社会を控え、高齢者が快適に住むことが出来る賃貸住宅が圧倒的に不足しています。オーナーの負担で、介護施設付の建物を建築し、運営事業者が日々の運営管理を行う・・・という事業形態が主流です。入居待ちが続く老人ホームや、入居時に何千万単位の費用が発生する介護付き有料老人ホーム以外の受け入れ先として、今後こうした形態の建物はどんどん増えてくるはずです。

■差別化はやはり必要、駐車場経営

「とりあえず駐車場にでもしておこう」

若者の車離れが進んでいるため、車自体の数が減っています。それが原因か、駐車場が全く埋まらず、土地の固定資産税分ももたらさない不良資産となっているところが都内でも多いです。確かに初期費用は掛からないかもしれませんが、まずはそのエリアにおいて駐車場の需要があるのかどうかの市場調査が必要です。周辺に駐車場が多数あり、空がないようであれば需要は十分あると思われます。

ただ、多数駐車場が存在し需要があったとしても、それらライバルを押しのけて選んでもらうための努力が必要なのは前述のアパート・マンション経営と同じです。たかが駐車場とはいえ、例えば、

  • スペースに余裕があり駐車しやすい
  • 車を雨ざらしにしないための簡易的な屋根がついている
  • どこよりも安い

など、他にはない抜きんでた「武器」はもっておくべきです。

車通りが活発なエリアやビジネス街であれば、通常の月極めではなく、コインパーキング業者に一括して貸すことも選択肢の一つしてあります。場所によっては月極めで個人に貸すより、高い金額で借りてくれる可能性もあります。駐車場が利用されてもされなくても、常に一定の収入があるので、リスクはありません。

最近では月極めやコインパーキングの「上」の空間を有効活用しようと考えている会社も増えてきています。鉄骨で駐車場の上に足場を組み、その上に屋上緑化の技術を利用して公共スペースを作ります。そこにちょっとした屋台やカフェスペースなどを設置しようというものです。住宅街にある駐車場では、近隣住民からの反対なども予想されるので難しいかもしれません。しかし、オフィス街の大規模駐車場には今後増えてくるかもしれません。

ただ、駐車場にしておくと土地の相続税評価額が高くなるので、その辺りを含めて考える必要があります。

■使い道がなかった土地が一転!?太陽光パネル

東日本大震災以後、電力供給の一つの方法として、太陽光発電などの自然エネルギーが脚光を浴びていることは周知の事実です。地方都市の野放しにされている広大な土地に、太陽光パネルを設置、売電することで収益を上げる活用方法が現れてきています。

アパート・マンションの賃貸収入のように大きな収益を期待することはできませんが、太陽の光が一定時間当たる場所であれば、設置費用も安いため低リスクで土地の活用をすることができます。使い道がなかった広大な土地が収益をもたらす「資産」に化ける可能性も。なによりも天然エネルギーを利用して電力を供給し、社会貢献をしているという行為に大きな意味を見出す人も多いのではないでしょうか。

■社会にどれだけ貢献できるのか?

上記の高齢者専用賃貸にしろ太陽光パネルにせよ、今後の土地活用を考えるうえでの大きなヒントになる気がします。自己の利益の為に土地を活用する時代は終焉を迎え、

「他人や社会のためにどのように自己の資産を活用することができるのか?」

を考えることが、土地という資産を持つ人にとっての今後大きな役割になってくるのではないかと予想します。

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