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【不動産売却】レインズ(REINS)~不動産売却時に利用する物件情報ネットワーク、レインズについての解説~

レインズとは?

一般的になった不動産業界のネットワークシステム、「レインズ」についてです。

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英語で「Real Estate Information Network System」と表記され、その頭文字を取って「REINS」です。

世の中にはたくさんの不動産会社があり、それぞれの不動産会社が、不動産を売りたい人から売却の依頼(媒介契約)を受けています。

少し前ならば、物件の情報は売却依頼を受けた不動産会社から先へは流れず、依頼を受けたそのお店に偶然立ち寄らない限り、その物件を目にする機会はありませんでした。

そのようなアナログ的な手法から、不動産業者にもネットワーク技術が導入され早数年。物件情報が不動産業者共通のデータベースで管理されるようになり、インターネットを介してどこの不動産業者でも、それこそ極端な話、沖縄にある会社でも、東京にある物件を探すことが出来るようになりました。

そのデータベースの管理をしているのが「不動産流通機構」という機関で、そのデータベースのことを「レインズ」と言います。

レインズへの登録義務がある

ちなみに媒介契約を結び、売却依頼を受けたら、不動産会社は期限内に速やかに物件の情報を、データベース(レインズ)に登録しなければなりません。

つまりどこの不動産会社に問い合わせても、探す条件が同一であれば、(*担当者がどの程度お客さんの希望条件を踏まえるかによって違ってきます)どこでも同じ物件が紹介されるということになります。

情報を共有出来るようになったため、

  • 不動産会社 → どこの不動産会社の情報も扱える
  • 売り手 → たくさんのお客さんの目に触れる為、早期の売却が実現できる
  • 買い手 → 物件ごとに不動産会社へ問い合わせる必要がなくなる

誰にとっても良い仕組みのように思えます。

ただ、以下に挙げるような不動産業者では、正確に運営されていないのもまた事実です。

  1. 地元で長く営業している、ネットワークのことなど分からない、今までと同じ古い方法で営業している地元業者
  2. 物件情報は公開するが、自分のところで買い手も見つけたい(*売主と買主双方から仲介手数料がもらえる両手取引)ために、「契約予定」と称して物件を他社に紹介しない会社(*囲い込み

どちらの行為もそれぞれの会社の都合でしょうから、とやかく言う立場ではありません。

しかし、その会社を頼って依頼をした売主さんにとっては、間違っても良い選択とは思えません。こうした不動産業界の「自分勝手」な部分を是正していくことこそが、不動産業界全体のイメージアップや、社会的地位の向上につながるはずだと思います。

ちゃんと「登録」されているかの確認を忘れずに

両手取引を行いたいため、レインズに登録しない不動産会社も存在します。これは自分の物件を広く一般消費者、つまりエンドユーザーに紹介し、少しでも早く、良い金額で売りたいと願う売主さんにとっては大きな不利益です。

そこで売り手は、自分の物件がちゃんとレインズに登録されているか、確認することができます。本来、決められた義務さえ守れない不動産会社の不手際を、売却を依頼している売り手が目を光らせるなんておかしな話なのですが・・・。

では確認するにはどうしたら良いのか?答えは

「登録証明書を見せて下さい」

と言ってみることです。不動産会社がレインズに登録すると発行される証明書のことで、登録日や金額など物件の詳細が記載されています。このような書類です。

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「変更登録証明書」とありますが、書式や記載内容は同じです。本来は営業活動報告書と同時に送られてくることが多いのですが、この書類が問題なく出てくれば、間違いなく登録されていることの証明になります。

また、登録日をごまかすことは出来ないので、媒介契約締結日から逆算して、登録期限がしっかりと守られているかの確認にもなります。

ただ、一度登録を行い証明書だけ発行し、その後すぐに削除する。また登録はしているけど、一切他の不動産会社に紹介していない。ということを行う会社も残念ながら存在しますので、証明書の提出があったから絶対に大丈夫・・・という訳でもありません。

販売を依頼してから案内が1件も入らない、いつもお客さんを連れてくるのは媒介契約を結んでいる不動産会社だけ・・・など、ちょっと怪しいなと思ったら、

「私の物件レインズに登録されてます?」

と、率直に他社に聞いてみるのが実は一番早いかもしれません。ひょっとしたら、

「当社から問い合わせしてるんですけど、全然ご紹介してくれないんですよ。」

といったような告発も聞けるかもしれません。

【不動産売買】媒介契約(ばいかいけいやく)

 

媒介契約とは?

不動産を売りたいという人が不動産会社と交わす契約のことを、媒介契約といいます。

また、売却の依頼を受ける際、取り交わす契約書のことを

「媒介契約書」

といいます。「契約」とありますが、そんなに仰々しいものではなく、要するに

「不動産の売却を依頼する」

ことです。

口頭で販売活動を始めてしまう会社もありますが、ほとんどの不動産会社は、媒介契約を結んだ証として、媒介契約書に署名・捺印をしたうえで販売活動にとりかかります。

媒介契約を結んだ不動産会社が行うこと

売却の依頼を受けた不動産会社は、その物件の売却担当企業として、主に以下のような業務を行います。

  • 物件の調査
  • 販売図面の作成
  • 販売状況を分析しての価格変更の提案
  • 他業者の案内の立ち会い

媒介契約書の種類

媒介契約には以下のように3種類の形式があります。

  1. 専属専任媒介
  2. 専任媒介
  3. 一般媒介

専属専任」という文字面がなんだか、「独占販売」のようなイメージを受けますが、そうではありません。売却の窓口を1つしか作れないということです。一見すると不利のように思えますが、実際そんなことはありません。なぜなら物件の情報は、

「東日本不動産流通機構(通称:レインズ)」

を通して市場に情報が流れます。依頼を受けた不動産会社しかお客さんに物件を紹介しないわけではありません。全国の不動産会社がレインズを通して物件資料を取り寄せ、お客様に物件を紹介することができるのです。

専属専任媒介

専属専任媒介は、自分で見つけてきたお客さんと売買契約を交わす際(*自己発見取引)にも、依頼をした不動産会社を通して契約を交わさなければなりません。

【不動産売買】専属専任媒介契約とは?

専任媒介契約

考え方は専属専任媒介契約とほぼ同じです。

【不動産売買】専任媒介契約とは?

違いは自己発見取引が認められていることと、営業活動報告の頻度と、レインズに登録しなければならない期限です。

専属専任媒介と専任媒介の違い

一般媒介契約

専属専任媒介、専任媒介との大きな違いは、複数の不動産会社に重ねて売却の依頼をできます。

媒介契約の一つ「一般媒介」で交わすメリットと注意点。専任媒介への切り替えについて

みんな欲しがる専属・専任媒介契約

どの不動産会社も「専属」もしくは「専任」で売却を任せてくれないかと言ってきます。

なぜなら専属専任で売却の依頼を受けておけば、仮に自社で買い手を見つけることが出来なくても、他の不動産会社が連れて来てくれるからです。最低限、売り手からの報酬は確保できます。つまり絶対商売になるのです。

もちろんお客さんが来るのをただ待っているだけではありません。販売の窓口としての責任が生じますし、適正な情報発信能力や交渉力。提案力、不動産のことはもちろんのこと、税金の知識も必要となり、高い専門性が要求されます。

しかしながらちゃんとマジメに販売活動をしておけば、必ず(*もちろん例外あり)報酬と言うかたちで報われます。

専属もしくは専任で媒介を取得する = 売り上げが計算出来る」

ので、どの不動産会社も、売却の依頼は専属か専任媒介で受けたいのです。

媒介契約の説明はちゃんと受けましょう

初めて不動産の売却を行うお客さんは、一般媒介のように、多数の不動産会社に売却の依頼をできるとは知りません。それが媒介契約書の説明を受けてみると、どうやら「一般」という種類があり、複数の不動産会社にも依頼が可能だと、その時初めて知るのです。

専任以上で媒介契約を締結したいと思っている不動産会社は、

「媒介契約書の説明はサラッとすませて、専任以上で締結してしまいたい」

というのが本音です。注意しましょう。

途中解約も可能

一般的に媒介契約の期限は3か月とありますが、生真面目に契約期限を全うする必要は全くありません。期限前でも媒介契約を打ち切ることはできます。

  • 話が違う
  • 一向に決まらない
  • 全く報告がない
  • 担当者の動きが悪い

などの理由で媒介契約を途中で打ち切ることもできますし、専属&専任から一般に媒介の種類を切り替えることも可能です。

売り手から要求した特別な広告などを行っていなければ、媒介契約の破棄・切り替え時に、違約金やペナルティなどかかりません。

担当者の力量を見極めるチャンス

何度も不動産の売却をしていて慣れているのであれば別ですが、ほとんどの人がそうではありません。対応した営業マンが信用出来そうな人だったとしても、必ず媒介契約書の説明は受け、不明点や疑問点はその場で解決しておきましょう。

売却を担当する不動産会社が大きかろうが、小さかろうがやることにそれほど違いはありません。要は担当者の質によってすべてが全く違ってきます。

契約書を説明する担当者の姿勢や、あなたの疑問に答える態度から、力量を推し量ることができるチャンスでもあるので、色々と質問してみるのが良いと思いますよ。

専属専任媒介契約、専任媒介契約のメリット・デメリット

不動産会社にとって、売主から売却の依頼をもらい、自社の取り扱い物件を増やすことは、小売店が品ぞろえを充実させるに等しい行為です。それも出来れば、独占して(専属専任専任)商品(不動産)を並べたいのです。

媒介契約を結ぶ際には、どこの不動産会社も必ずと言っていいほど、専属専任もしくは専任媒介契約を締結しようとします。ただ、ご存知のように、売主には複数の不動産会社に依頼できる、一般という選択肢もあるのです。専任以上で契約を結びたいのだから、不動産会社の説明が、専属専任専任寄りの説明になってしまうのは、致し方ないところです。

専任以上で結ぶことのメリットとデメリットについてみていきます。

 

メリット

業者が必死になる

売却活動を一社限定で委任するので、当然、その業者が売却活動をさぼったりすると売れません。その不動産会社の責任は非常に大きいのです。必死にならざるを得ません。

また、成約に至らないと仲介手数料ももらえませんし、それまでにかかった売却活動の費用も回収出来ません。なかなか売れなかったり、動きが悪かったりすると、媒介契約を余所に切り替えられてしまうかもしれません。販売活動にも力が入って当然です。

これがメリットの一つとなります。

対応が一対一

販売の窓口が一つということは、その会社に様々な情報が集まります。つまり、

  • お客さんからのお問い合わせの数
  • 他業者からの問い合わせの数
  • 案内した時のお客さんの感触
  • 広告の反響結果

です。

こうした情報を不動産会社からフィードバックしてもらうことで、売り手は現在の販売状況を知ることができます。

これらのデータを参考にして、文字通り不動産会社と売主が顔を突き合わせて、成約というゴールまで二人三脚で進めていきます。その物件に力をかけただけ、担当者も売り手と同じく、不動産に対して愛着が増していきます。その分、成約に至る可能性は高まります。

これがもう一つのメリット。

デメリット

一対一の関係が裏目に・・・

これに尽きます。一対一という関係が、悪い方にひっくり返った場合です。もはや一部不動産会社の悪習となっている囲い込みをはじめ、売り手に真実の情報を伝えず、その不動産会社の都合によって情報を捻じ曲げ、売却活動を左右されてしまうのです。

例えばあからさまな両手狙いで、他業者からの問い合わせがあるにも関わらず、一切紹介せず(囲い込み)、

営業マン
いや~案内どころか問い合わせもありませんよ
売主
そうですか、金額が高いんでしょうか・・・
営業マン
適正だと思うんですけどね~、でも試しに少し下げてみます?

で、徐々に金額を下げていくなかで、自社でお客さんを見つけてはい、両手。終了!のような形です。選ぶ不動産会社によっては、こんなふざけたパターンに陥ってしまう可能性がある、というのがデメリットです。

注意点

売り手の考え方や売却するに至った事情などにもよりますが、やはり自分の思いの詰まった不動産を売ってもらうには、一対一で相対してじっくりと腰を据えて売却してもらいたいと思われる人が多いのではないでしょうか?

依頼を受ける不動産会社としても、他業者に余計な茶々を入れられる心配がないので、成約に至るためのさまざまなアドバイスや提案を行うことが出来ます。

上に挙げたような売り手の不利益になるようなことを行う心配がなく、しっかりと販売してくれそうな信頼できる不動産会社と判断できたならば、専属専任もしくは専任媒介でお願いするのが良いと思います。

担当者のやる気と行動力。そしてなにより誠実さを見ていきましょう

ただ、一回二回会っただけでその不動産会社が信頼に足るかどうか判断することが難しいのもまた事実です。その際は、事前に複数の不動産会社に簡易査定や無料査定を依頼して、その会社の対応を見比べておくなどの事前準備もしておくのがよいでしょう。

また、そうした事前準備をすることが時間的に難しいのであれば、いきなり専属・専任で媒介契約を結んだりせずに、とりあえず複数の会社に一般媒介で依頼しておくのも一つの手です。

実際に販売活動をしてもらうことで、その会社の対応力や実行力を把握することが出来ますし、一般媒介だからといって手を抜く会社なのかどうかの判断も出来ます。

不動産会社も営利企業ですから、専属専任・専任媒介で媒介契約を締結出来るなら表面上誠実で信頼出来る姿勢をアピールすることは簡単です。

もちろんサービス業ですから、そうした対応は必要ですが、重要なのは販売を開始したあとの不動産会社の姿勢であり対応力・実行力です。

そのあたりを良く理解した上で、どのような形で売却を依頼するのか、判断することが重要です。

営業活動報告書(えいぎょうかつどうほうこくしょ)

営業活動報告書とは?

業界的には「営活(えいかつ)」と呼んだりします。

売却の依頼を受けている物件のオーナーさんに対して、現在の販売状況を報告する書面です。書面ではなくそれ以外の方法(電話やメール)でも構わないのですが、書面で報告することがほとんどです。特に希望がなければ文書になるはずです。

大手は確実に正確に機械的に発行されますが、地元の業者なんかはそこらへんあいまいで、発行していないところが多いです。

記載内容は?

具体的な報告内容としては以下のようなものがあります。

  • どのような広告活動を行ったか
  • 問い合わせの件数
  • 案内件数
  • お客さんの感想

専任媒介は2週間に1度、専属専任は1週間に1度の頻度で報告義務があります。ちなみに一般媒介には報告義務はありません。媒介契約書には報告頻度や、報告する媒体が記されています。

この書面を見れば、売却中の物件が、今どういう状況なのかが一目瞭然です。依頼を受けている仲介業者としては、売り手に現在の販売状況を知ってもらう為の良い材料となります。報告を行うことで互いに共通認識を持つことができ、スムーズな販売活動を行うことが出来るのです。

売るためのプロセスを知ることが大事

しかし、当たり障りのないコメントだけちょこちょこっと書き、業法で定められた報告義務だけを満たすために、ただ出しているだけという不動産会社が多くあるのも事実です。そうした不動産会社にとっては、

「結果、売れれば文句ないんだろう」

という考えなのかも知れません。確かにその通りかもしれません。

ただ、売るためのプロセスも、売却活動の一つであることに変わりありません。しっかりと報告を受けることで、売り手は自分の物件が置かれた状況を正確に把握することができます。値引き交渉があった際や、値下げの提案を受けるか受けないかといったときの判断材料とすることが出来ます。

まとめ

今まさに販売中の売り手もいらっしゃるかもしれません。この報告書からは様々なことが読み取れます。なかなか売れずに困っている方であれば、一度報告書をチェックして、売却活動を見直してみるのも良いかもしれません。

Q 専任媒介から一般媒介に変えた方が有利なのでしょうか?


A 特に有利ではありません

お付き合いがあって信頼できる不動産会社なのであれば、専任媒介のままがいいでしょう。

基本的に不動産会社によって行うことにそれほど違いはありません。今のお客さんはいきなり不動産会社へは行きません。まずはスーモやホームズなどのポータルサイトで物件を探します。

そのようなポータルサイトにちゃんとした情報を、市場相場に適した条件で物件を載せていれば、時期的な問題も対象ありますが、通常は決まります。

もちろんポータルサイトだけでなく、不動産会社専用のネットワークにも出回るので情報は拡散します。一般媒介で複数の不動産会社に依頼するということは、同様の作業をする不動産会社がその分だけ増え、同じ情報が各メディアに出回るということになります。同じ物件がが会社を変えてネットに出ているのを見たことはありませんか?そのような状況は決して格好の良い状態ではありませんし、見る人によっては

「決まらないからたくさんの不動産会社に依頼している売れ残り物件である」

と見られてしまいます。

依頼した不動産会社が当たり前にやるべきことをしっかりとしてくれていて、かつ特段不満がなければそのまま依頼しておいていいでしょう。逆に、当たり前のこともやらず、対応に不満があるなら専任媒介から一般媒介への変更。また契約期間満了を待たずして解約し、その後、他の不動産会社に改めて依頼し直す選択も考えましょう。

専任媒介と一般媒介の違い

専任媒介から一般媒介への変更

専属専任媒介・専任媒介・一般媒介契約のまとめ

不動産売却時に不動産会社と交わす媒介契約のまとめです。

 

専属専任媒介契約

専任媒介契約

専属専任媒介契約、専任媒介契約のメリット・デメリット

専属専任媒介契約と専任媒介契約の違い

一般媒介契約

専任媒介と一般媒介の違い

 

専任媒介と一般媒介の違い

専任媒介契約(*専属専任媒介契約含む)と一般媒介の違いは、以下の通りです。

専属専任媒介&専任媒介

  1. レインズへの登録義務あり
  2. 複数の不動産会社には依頼できない
  3. 営業活動の報告義務あり

一般媒介

  1. レインズへの登録は任意
  2. 複数の不動産会社に依頼が可能
  3. 営業活動の報告義務はなし

専任媒介から一般媒介への変更

媒介契約の期間は3か月です。しかし、契約期間を全うする必要はありませんし、媒介契約の種類も期間内で変更が可能です。別途費用がかかる特別な広告を依頼したなどがない限り、ペナルティがかかることもありません。万が一、請求する不動産会社があれば、間違いなく違法ですので、早々に距離を取りましょう。

Q 専任媒介から一般媒介に変えた方が有利なのでしょうか?

媒介契約の期間

媒介契約の契約期間は3か月です。媒介契約の種類によって異なることはなく、すべて3か月となります。契約期間満了が近づけば、契約期間を更新するか、新たな期間の媒介契約を新規に結びなおすことになります。

ちなみに媒介契約の契約期間を満了する必要はありません。しばらく販売した結果、自分が希望する額では売れそうにないと判明した場合、いつでも解除することができます。

また、専任媒介だったものを一般媒介に変更するのも自由です。いつでもできますし、専任媒介契約の期間を満了する必要はありません。

「契約」

とあるので、拘束力が強い印象を受けてしまうかもしれません。

契約に間違いはありません。しかし、売るつもりがなくなったのに、契約満了まで売り続けなければいけないなんて、全くのナンセンスですし、媒介種類の変更も同様です。意外に知らない人が多いので、この機会に必ず覚えておきましょう。

「契約期間がありますから」

と食い下がってくる不動産会社を、返り討ちにしてください(笑)

売主が、売却中に出来る効果的なこととは?

不動産仲介業大手の、野村不動産アーバンネットがタワーマンションの売主に対して、新しい売却方法の提案を始めていると、SUUMOジャーナルに記事がありました。内容はというと・・・

ホームステージング(Home Staging)とは、売却不動産を家具や小物で演出することで、早期に好条件での売却を目指す販売手法。中古住宅流通量の多いアメリカでは、過去30年以上、不動産売却時に有効な手法として用いられている。ホームステージングは、単にインテリアコーディネートをするのではなく、その住宅の購入を検討する方が、住まう価値と真の住まい心地を実感してもらえるように演出をすることが特徴。

中古住宅の売却においては、買主が内見をする際の第一印象が重要なポイントとなる。ホームステージングにより、良い印象を持ってもらうことが、好条件での売却につながる。また、買主にとっても住みかえ後の生活を具体的にイメージし易くなるなど、住まい選びの手助けとなる。(掲載元:SUUMOジャーナル)

以前、「不動産会社に売却を依頼後、売主が出来ることは何かありますか?」という記事を書きましたが、詳細はそちらを読んで頂くとして、基本的に売却に出してしまえば、売主が行動を起こしたことで早期に売却に至った、ということは絶対と言い切れませんが、ほとんどありません。

ただ、部屋を明るく見せるために室内の照明をすべてつけたり、清潔感を与えるように室内を整理整頓しておくなどの演出をすることは、売主が出来る数少ない行動です。もちろん、それをしたからといって、高く売れる、という訳ではありません。あくまでも、売りやすくするための、一つのスパイスとお考えください。上記のサービスは、部屋を綺麗にし限りなく買い手の印象を良くするという行為に、徹底的にフォーカスしたサービスなんでしょう。

費用は無料らしいですが、このサービスを利用するためには、色々と制限があるようです。まず一つに、このサービスは「タワーマンション限定」です。普通のマンションや一戸建ては適用外。タワーマンションは、どれも築浅のものがおおく、全ての部屋が、とは言いませんが、どの部屋も悪い印象を与える物件はないのではないかと。

 

タワーマンションは見栄えも良く、グレードも高いので、いまだに売れすぎです。

タワーマンションは見栄えも良く、グレードも高いので、いまだに売れ筋です。

さらに以下のような条件があります。

  1. 査定した価格の125%以内に売り出した物件
  2. 専属専任専任媒介締結のお客様

「相場より高いけど、部屋を綺麗に見せれば高く売れるかもしれない。そのためにこのサービスを使ってみようか」

と考える売り手さんが多いと思います。しかし、査定価格の125%以内という制限があるので、査定価格の125%以内に値付けしなければ使うことが出来ません。また、専属選任、専任媒介契約締結が条件です。一般媒介のように、他社に重ねて依頼をすることはできません。

ま、なんでもかんでも希望する人すべてこのサービスを適用していたら、サービスだけ受けて「やっぱりう~らない!」っていう人も出てくるだろうし、どこかで制限をかける必要はあるんのでしょう。

一見すると、売り手に向けてのサービスにみえますが、内容をよく見てみると、売れ筋物件(タワーマンション)を確実に売れる価格(査定価格125%以内)で値付けし、そうした物件の売り手を囲い込む(専属専任or専任媒介締結)、という非常にうまいやり方ですね。

なぜ、ただでできるかというと、タワーマンションはグレード感のあるものが多く高額です。室内を綺麗に見せるためのちょっとした作業など、仲介手数料の中から充分ペイできるから・・・という背景があるのだと思います。専属選任、専任媒介なので、売り手からの手数料は必ず確保できますし、新しい形の(不動産会社にとっての)広告料として考えれば悪くないですね。

さまざまな形のサービスが、手を変え品を変え出てきます。不動産業界だけの話ではないのかもしれませんが、そのサービスを始めるに至った背景にも、不動産オーナーは考えをめぐらせてみても良いのではないでしょうか。

専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?

専属専任専任媒介と、一般媒介のメリット・デメリットについては以下の記事を再度ご覧ください。

双方のメリット、デメリットを把握したうえで、「で、結局どっちがいいんだ?」というと、異論反論、様々な意見があるかと思いますが、私の意見は「専任以上でお願いするべき」だと思います。ただし、

「依頼する不動産会社やその担当者が信頼できるのであれば」

という条件付きですが。

心底信頼できる(できそうな)人に、親切丁寧に膝を突き合わせて売却活動をしてもらって、悪い結果が出ることはまずありません。ただ、信頼できるか出来ないのか、初めて接触した不動産会社やその担当者を、そんなに簡単に品定めすることが出来るのか?というと、難しいというのもまた事実。この場合の「信頼・信用出来る」というのは要するに、

「当たり前のことを全力で行ってくれるのか?」

ということです。裏を返すと当たり前のことさえ出来ない(しない)、不動産会社がまだまだ多いということでもあります。

  • 知り合いに不動産会社がいる
  • 知人の紹介

などある程度信頼できる不動産会社と初期コンタクトが取れるのであれば、専任以上で任せてしまっても問題ないでしょう(*担当者とフィーリングが合わないなら話は違ってきますが)。しかし、不動産会社とつながりがある人たちばかりではありません。一から信頼に値する不動産会社を見つけるにはどうしたらよいのか?ここで一般媒介を利用してみるのです。

つまり一般媒介で多数の不動産会社に依頼をして、実際に販売活動を行ってもらうのです。その動きや対応を観察することで、不動産会社の質を見極めるのです。一般媒介でそのまま決まってしまえば、それで万々歳でしょう。仮に長期戦の様相を呈してきたら、一般媒介の中でも、特に一生懸命動いてくれた会社へ、専任以上へと切り替えるのが良いでしょう。なんでもそうかもしれませんが、実際作業してもらわないことには、不動産会社の実力なんて分かりっこありません。

「基本は専任以上で、不動産会社の質を見極める材料集めとしての一般」

決して一般的な使い方ではないですが、こうした利用方法もありだと思います。ちなみに媒介契約前に、複数の不動産会社に査定をしてもらい、その際の対応を見てどこに依頼をお願いするのか?を検討するというのも一つの手です。信頼できる不動産会社や担当者を見つけるのが一番大変かもしれません。以前こんな記事も書きました。

「安全な不動産業者の見つけ方」

見つける方法や特効薬が書いてあるわけではないので、ご参考程度に。