私ごとで恐縮ですが、投資用のワンルームマンションを一つ所有しています(*平成30年9月時点では既に売却済み)。
前の会社にいた時に不動産投資を思い立ち、勢いに任せて立地も確認せず、利回りだけを参考に購入致しました(今だったら絶対そんな無茶な買い方はしません)。なぜ急に不動産投資をしようとしたかのいきさつについては、こちらの記事をお読みください。
ワンルームマンションに必須の条件は?
以下の3点は必須です。
- 風呂、トイレ別
- 25㎡以上の広さ
- ターミナル駅至近
投資用ワンルームマンションを選ぶ際、少なくとも上記3点が満たされているかどうかを判断材料にしてください。賃貸経営のことなどなにもわからずに購入した私のマンションは、上記3点の全てに反していました。
- 3点ユニット
- 約16㎡の狭小
- 郊外の駅
今の賃貸トレンドを一切満たしておりません。
とはいえ、買ってしまったことをいまさら後悔しても仕方がありません。大切な資産の一つとして、日々手をかけている我がマンションです。
全く決まらない入居者
オーナーチェンジ物件として購入した私のマンションですが、その時から入居していた方が退去したことがあります。
「少し賃料を下げればすぐに決まるだろう」
と楽観的に考えておりました。
しかし、そんな私の予想をあざ笑うかのように、半年近く新規の入居者は決まらず、月々の返済が家計をむしばんでいきました。
その時は、賃料を大幅に下げることで、賃貸市場が一番にぎわうと言われている3月末に駆け込みでどうにかこうにか決まったのです。
ところがホッとしたのも束の間、さんざん苦労してようやく決まった入居者が、更新もせずわずか2年弱で退去してしまったのです。
「またか・・・」
半年もの間、家賃が入ってこず、返済だけが無慈悲に続いたヒリヒリした感覚を思い出しました。
「何か手を施さなければ前回の二の舞になる!」
と考えた私は、新しい入居者を募集するにあたり、ちょっとしたリフォームを行うことにしたのです。
もちろん、大幅なリノベーションなど行う資金的な余裕はありません。総額で賃料3か月分くらいの費用でした。3か月間、空室になるよりは・・・と考えての出費です。以下はその時施したリフォーム箇所です。
- 浴槽に大きな鏡を設置
- シャワーヘッドや蛇口をグレード感のあるメタル調に変更
- ダウンライト設置
- 壁の一部をアクセントクロスに貼り替え
- 手触りの良いアンティーク調のフローリングに変更
あくまでも「見た目」をデザイン性の高いものに変えるだけの簡単な内容の工事で、決して大がかりなものではありません。しかし、部屋に入った印象は、同じ室内とは思えないほど異なっていました。
あっさり決まった入居者!
工事も終了したところ、さっそく募集の準備をしていたところ、なんと!前回は決まるまでに半年近くかかったというのに、わずか数週間であっさり決まってしまったのです!
勝因は他物件との差別化が効いたこと。つまり同じ価格帯の物件にはない
「ちょっとしたデザイン性の良さ」
をアピールポイントとしたことです。これにつきます。早く決まってくれたので、リフォームに要した費用はすぐに回収できたのです。
賃貸経営の難しさを実感
賃貸経営を甘く考えていた私は、実地でその厳しさを学ぶことができました。このように自ら苦労した経験を持っているので、安易に賃貸経営を始めたいというお客さまには、厳しいことを申し上げることが多々あります。
今や完全に賃貸は借り手市場です。探そうと思えば、いつまででもインターネットを通して、物件を探し続けることができます。
溢れる情報の中で、自分の物件に目を止めてもらうためには、他の物件にはないキラリと光る「なにか」が必要なのです。つまり他との差別化ということです。賃料を相場より多少下げただけでは消耗戦に巻き込まれるだけですし、お客さまも振り向いてくれません。
「でも差別化するほどお金はかけられないし・・・」
とお考えのオーナーさんもいます。
しかし、多くのお金をかけることが、必ずしも差別化につながるわけではありません。
多大な費用をかけなくても差別化は図れますし、オーナーの自己満足で大きな費用をかけたとしても、費用対効果が合わないこともケースも多くあります。他との差別化が出来るのならば、私が今回行ったような程度のリフォームでもよいのです。
まとめ
今のご時世、競合物件はたくさんありますし、インターネットを使えば恐らくいつまでも物件を探すことが出来る状況です。消費者の目は厳しくなる一方です。
その中で選ばれるオンリーワンの物件になるためには、その他大勢から抜け出さなくてはなりません。相場の賃料を設定して、物件情報をさらしておけば、いずれは決まった時代はもはや過去の話です。
他が相場で並んでいる中、頭一つ二つ突出する「強み」を作り出すことが出来れば、必ずその物件は選ばれます。
今回のように、頭一つ抜け出すのに大きな費用は必要ありません。
- 室内の状態をアピールポイントとするのか?
- (どこよりも安い)金額で頭一つ抜け出すのか?
- はたまた違った視点で強みを作り出すのか?
何も手を施さず、募集を依頼した不動産会社や管理会社からの吉報をただ待つだけではダメなのです。自らの大切な資産として、少しでも物件を気にかけてあげる意識が必要です。