「買付証明(かいつけしょうめい)」、単純に「買付(かいつけ)」とだけいうこともあります。「こういう条件であなたの物件を買いたいのですがご検討頂けませんか?」という買主からの明確な購入の意思表示です。
意思表示に過ぎませんから、極端な話、5,000万の物件に対して2,500万で買いたいとメッセージを送ることは可能だし自由です。ただ、売主または売り手側の仲介業者が、その申し込みを受け付けてくれるかどうかは別問題です。提示した金額によっては交渉のテーブルにも付けません。
今の時代、ほぼ100%の人が金額含めて条件交渉を前提に申し込みを入れてきますが、売主の交渉の余地などを予め探っておくなど、事前に売り手サイドの感触を確かめておく必要があります。受け付けてくれるであろうギリギリの線で購入申込書を出すというのが非常に重要です。
また、購入申込書には法的な拘束力は一切ありません。ですから条件通りになったとしても、絶対に買わなければいけないという訳ではありませんし、条件が整った段階でキャンセルしたとしても、金銭的なペナルティは一切ありません。
しかし、購入申込書を提出するということは、条件がまとまれば、「必ず買う!」という正式な意思表示で、本来非常に「重たい」ものです。話がまとまった後でのキャンセルはルール違反であり、マナー違反にあたります。決して簡単に書いてよいものではありません。
キャンセルする際によく見受けられるのが、以下のようにお客さんが全然煮詰まっていないケース。
「こういう条件になれば買うよ~(ま、ダメもとで、どうせ無理でしょ)」
「え?通った!?あ、そう・・・」(まいったな、まさか通るとは。まだそこまで思ってなかったんだけどな。ま、いいか。今回は適当な理由をつけて断っちゃえ!)
「すいません、実は家族から反対があって・・・」
この場合お客さんにも多少の責任はありますが、「一度購入のレールに乗せてしまえば、簡単にはキャンセルしないだろう」と考えて、購入申込書を出すという行為の理由と重みを説明を怠った不動産業者の責任でもあります。