金融機関の融資の流れは、通常、
- 事前審査(*住宅ローンの事前審査とは?)
- 本審査
という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は事前審査後に行う本審査について解説していきます。
住宅ローンの本審査とは?
事前審査が通過し、無事売買契約が済めば、次は融資の本申込みです。通常、契約から決済までは、売主・買主の引き渡し希望日に特殊な事情がなければ、1か月から長くても1か月半となることが通常です。
1か月もあるので、時間があるように思えますが、意外にそうではありません。印鑑証明書や課税証明書など、行政で取得しなければならない書類があり、融資承認を取らなければいけない期日もあります。いつまででもよいというわけではないのです。意外にのんびりしている暇はありません。
- 物件を内見
- 購入物件が決まり仲介業者を通して売主と条件交渉
- 事前審査
- 売買契約
と、バタバタしてきたでしょうから、ホッと一息付きたくなる気持ちは十分わかります。しかし、そのままの勢いで、一気に動いてさっさとローンの承認を取ってしまった方が、結果的に楽です。
本申込み時に必要な書類
融資本申込み時に必要な書類は次の通りです。下記は一般的なもので、借入希望者の内容によって、若干の差異はあります。
- 本申込書
- 団体信用生命保険申込書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 課税証明書
住民票や印鑑証明書は、金融機関とのお金を借りる契約である
「金銭消費貸借契約」
時にも必要となります。まとめて取ってしまえれば手間が一度で済んで楽なのですが、金銭消費貸借契約時には、通常新住所での住民票、印鑑証明書が必要です。ですから別々に取得しなければなりません。
事前審査の金額を減らしても大丈夫
5,000万融資希望の事前審査の内諾を取ったからといって、本審査の際、必ず5,000万の融資を申し込まなければならないわけではありません。返済計画が変わり、借入金を500万減らして、4,500万の融資で本申込みを行っても、内諾を取った5,000万の枠内であれば、減額する分にはなんら問題ありません。ところが、
「返済計画が狂ってしまって、追加であと300万追加して、5,300万で申し込みたい」
となると話は違ってきます。その際には、事前審査から改めて申し込みしなおさなくてはなりません。返済計画がまだ固まり切っていないのであれば、実際に借りる・借りないは別にして、希望融資額より少し多めに事前審査を通しておくのが良いでしょう。
まとめ
住宅ローンの本審査についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?基本的には事前審査を通しておけば、審査通過後に新規の借り入れを行うなどしなければ、そのまますんなり通るのが通常です。我々不動産会社も、事前審査が通るまでは、購入申込書を書いてもらっていても安心できませんが、事前審査が通過し、契約日が設定できれば、ひとまずは安心です。
ただ、健康状態などを聞かれる団体信用生命保険の内容によっては、否決になる可能性もあります。事前審査の段階では、借入希望者の健康状態までは把握しませんし、仲介業者もそこまで聞くことはありません。持病や、継続して服用している薬がある場合。また、大病の経験や直近の手術歴などがある場合は、十分ご注意ください。