マンションと戸建て、果たしてどっちがいいのだろうか?
語られることが多い永遠のテーマですが、日々不動産取引に携わる当事者からすると、
「好きな方、気に入った方を買えばいいんです」
という結論にいきつきます。いつからか不動産を「資産価値」という新しい基準で評価することが増えたため、
「どっちが得でどっちが損か?」
と損得勘定で考えてしまう人が増えたのが要因かと考えます。
どのようなライフスタイルを描くのか?
「どのような家族構成でどのような人生設計を考えているか」
によって、マンションと戸建て、どちらの選択が「よりベター」かは違ってきます。しかし、ベターだとは分かっていても、
「戸建がベターかもしれないけど、私はマンションに住みたい!」
「分かっているけど、やっぱり一戸建てがいい!」
と個人の嗜好によっても選択肢は違ってきます。ですから損得勘定で考えるのではなく、単純に
「住みたいほう」
「欲しいほう」
という自分の願望・直観で選ぶべき、至極簡単な問題だと私は考えます。
マンションと戸建ての特徴
前書きが長くなりましたが、マンションと戸建て、双方の特徴を以下に書いていきます。
マンション
- ほぼコンクリート造(*古いものは「鉄骨」というのもある)
- フラットな空間で生活ができる
- 管理費・修繕積立金がかかる=管理と修繕(*含む計画)は気にしなくてよい
- 気密性が高い
- 組合活動は必須(*管理組合理事は持ち回り)
戸建
- 木造が多い
- 建て替えが可能
- 修繕費がかからない=修繕費は自力で貯めておかなければならない
- 1階と2階で生活を区切れる
- 階段の上り下りが必須
まとめ
いかがでしょうか?それぞれの特徴には良い面もあれば、反面悪い面もあるのです。例えば
「フラットな空間で生活できる」
というのは、マンションの大きな特徴ですが、戸建てのように1階、2階と生活を明確に区切ることはできません。反対に一戸建ては1階、2階の上り下りが必須です。ご高齢のご夫婦が長年住んだ一戸建てからマンションへ引っ越す(買い換える)理由の一つが、
「足腰が弱くなって、1階と2階の日常的な行き来がしんどくなった」
というものです。
- 生活を区切りたいのか?区切る必要がないのか?
- (足腰が弱くなる)将来のことを今から考えるのか?その時になってから考えるのか?
- そもそも何年そこに住むつもりなのか?
この1点だけを取り上げて考えてみても、描くライフスタイルによって選択肢は全く違うということが分かると思います。つまり
「どっちがいいのか?」
という質問は不毛で、明確な答えはないが、あえて答えを出すとするなら、
「描くライフスタイルによって違う」
ということに尽きます。冒頭に書いた
「好きな方、気に入った方を買えばいいんです」
というのがこの質問に対するもっとも簡単かつ最適な答えだと私は思います。
- あっちが得
- こうすると損
- こうすべき、ああすべき
で考えてしまう不動産購入はつまらないです。もっと自由に楽しむ「べき」だと思います。