休日になると、たま~に料理をします。
いや、違うな。料理というより、家族が
「カレー」
「たこ焼き」
を食べたい時に依頼がボクにかかります。
妻がカレーを作れないというわけでもなく、ボクが作ったカレーの方が妻より美味しいから、というわけではなく、なんとなくこの2品については、ぼんやりと担当付がボクにされているのです。もちろん、喜んで引き受けます。
毎日、義務のように作り続けなくてはならない妻とは違い、たまに作るボクにとっては、ビール片手に料理することが出来るリフレッシュタイムです。楽しいものです。
で、先日、カレーを作ったんですが。以前、友達家族のホームパーティにお呼ばれした時、奥さんが出してくれたカレールウを使わないで、スパイスだけで作った本格カレーにえらく感銘を受けまして。作ったこともないのに、何を血迷ったか、
「よし!あれを作ろう!」
と、家族の休日のディナーを、ボクの実験の犠牲にすることにしたのです。
で、スーパーに行くと、色々とスパイスが小瓶で売られているのですが、毎回作るわけではないのでなんだかもったいない。それで見つけて買ったのがコレ。
必要なスパイスが全て含まれているそうで、
「初めて作るんだし、まあこれでいいかな」
と。
で、下準備を行い、コトコトと鍋で煮込んでからドバっと投入。うん、本格的な香りがしてきました。
「これは今まで作った中でも最高のカレーが出来るのでは!」
と、一人心踊らせながら味見をしてみると・・・
「味が・・・ない」
そう、これは「ただの」スパイスであって、カレールウのように味が付いている物体ではないのでした。瓶の裏を見れば、入ってるのはスパイスだけだし。
そんな基本的なことも確認せずに、ここまで来てしまい、もはや後戻りは出来ません。しかし、ボクの作るカレーを、楽しみに待っている家族の期待を裏切る訳にはいきません。そこからはもうボクと味のないカレーとの勝負です。ところかまわず、味の付きそうなものを片っ端から投入していきます。
- バー○ントカレー(甘口)
- ジャ○カレー(辛口)
- ソース
- ケチャップ
- パウダーコーヒー
- チョコレート
などなど。まあ、カレールウを入れたこともあり、それなりの味になった気はします。
しかし、味見を繰り返していたので、最後の方は舌が麻痺してしまい、
「果たしてこの味はどうなのか?」
と判断できなくなり、仕方なく妻に味見を恐る恐る依頼。そして一口味見をした妻が一言。
「美味しい!なんかスパイスとか入れてたから、そのせいなのかな。すっごい深みがある!」
と、思いの他好評。
「お、おぅ。良かった。じゃあ食べよう」
ということで、実験場となった休日のディナーは、無事に美味しいと評判のカレーを提供することで、つつがなく過ごすことが出来たのでした。
カレーって、色々なものをなんの考えもなく入れても、それが
「味に深みがあって美味しい」
という言葉で許される、唯一の料理ですよね。