基本的にボクはマジメです(笑)
やれ!と言われたことは必ずやるし(あ、家のことは別)、
遅刻もしたことはないし、
サボったりもしていなかった(過去形)。
ボクの著書の中で、
不動産会社のルーティンワークともいえるチラシのポスティングを、
マジメに毎日行っていたにも関わらず、
一向にお客さんからのお問い合わせはなく→
したがって不動産の仕事は出来ず→
結果上司には詰められる、
とう負のスパイラルにはまり、
日々、疲弊していくさまが描かれている。
あのままはまりこんでいたら、
上司からのプレッシャーに耐えきれず、
わずか入社半年で間違いなく辞めていただろう。
そんな、結果が出ず悩んでいたときある時、
(心無い?)ある上司が何気なくボクにこう言った。
「お前、運が悪いんだよ」
「お祓い行って来い」
聞いた直後は笑顔で、
「そうっすねえ・・・ははは・・・」
と乾いた作り笑いを浮かべていたのだが内心は、
「運の良い悪いだけの問題か!?」
「バカにすんなよ!」
と反骨心をむき出しにした。
しかし、そんな立派な反骨心も、
やってもやっても成果がない不毛な日々に、
もろくも崩れ落ちつつあった。
そして疲れ果てていたボクは、
「もうどうにでもなれ!」
という破れかぶれな気持ちで、
バカバカしさ満載で仕事をサボってお参りに行ったのだ。
実は仕事をサボったのはこのときが初めてだった。
「ポスティングに行ってきます!」
と、アリバイのために用意した、
投函するはずもない大量のチラシをリュックに背負い、
朝礼を終えた直後、
事務所を飛び出たボクが向かった先は、
片道1時間はかかるとある神社。
「何の成果も結果も出していないのに、
こんなことしてて果たして良いのだろうか・・・?」
「結果は出なくても、
いつも通りチラシを撒いていた方が良かったのではないか・・・?」
と、ボクは罪悪感と不安と後悔でいっぱいだった。
そんな焦りもあったので、お参りを済ませたら、
寄り道もせずそそくさととんぼ返りするつもりでいた。
・・・ところが、
人間というのは弱い生き物。
お参りを終え、久しぶりにゆっくりとお昼を食べ終わったころには、
いつのまにか罪悪感や不安はなくなっていて、
「もう半日サボっちゃったし、どうせここまで来たんだから・・・」
「今更1日サボったくらいで、なんも変わらないよ」
と思うようになっていた。
結局その日は、お昼を食べた後、
近くの映画館で数年ぶりに映画を見て、
カフェでおいしいコーヒーを飲みながらうたたねをし、
忙しく読めていなかった本を2,3時間読みふけった。
「ひょっとしたら・・・サボっているのがバレているのでは?」
と、上司が千里眼を備えているかもしれないという、
ありもしない不安に内心ドキドキしながら営業所に戻ったが、
恐れていたようなことがあるはずもなく、
いつも通りの一日が粛々と過ぎていった。
「なんだ・・・こんなもんなんだ。」
と少し安心した自分がいたと同時に、
「今日一日何もしなかったんだから明日は頑張ろう!」
と、結果が出ずになんとなく後ろ向きになっていたのだが、
今まで以上に気持ちが前向きになり、
明日への意欲に溢れたのだ。
翌日、そんな前向きな気持ちでチラシを投函しているところ、
携帯に電話が鳴った。
上司:「おい、チラシの反響が来てるから戻ってこい!」
ボク:「え?・・・・はい!!」
ただの偶然かもしれないし、
神様の気まぐれかもしれない。
だけどサボってお参りをした翌日に、
今まで散々やってきたのになかったお客さんからのお問い合わせがあった!
この日を機会にして、
ボクはサボることに抵抗を感じることはなくなり、
自分自身、なんとなく行き詰まりを感じるようなときには、
気分転換をかねてサボることにしたのだ!
多くのトップ営業マンを見てきたのだが、
彼らが毎日朝から晩までず~~~~~~~~~~~~っと働いているかといったら、
そうではない・・・人が多い。
働くときの集中力と、
息を抜くときのタイミングが絶妙なのだ。
中には、朝から彼女と平日のディズニーランドに行ったツワモノもいた。
ボクはそこまでのサボる技術も度胸もなかったが、
ボク自身、トップセールスになったときは、
周りに比べてもだいぶサボり方が上手だったように思う(笑)
行き詰って仕事が息苦しくなっても良い結果が出ない。
多少サボったところで現状はさほど変わらないし、
息抜きすることでボクのように前向きに仕事に取り組めるようになるなら、
どんどんサボった方が良いと思うのだがどうだろう?
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