不動産業界に入社して、
駆け出しの頃に行う業務は、
大抵どこの会社でも体力勝負のチラシ投函になるはずです。
私も中途採用の業界未経験で入った口なので、
さんざんチラシ投函をやってきました。
ですから多少思うところもあります。
不動産業界のチラシは、やってきた私が言うのもなんですが、
たいへんどぎつくしつこいので評判は最悪です。
大きなクレームになることもあり、
訴訟騒ぎになってしまうケースもあります。
大手の仲介業者には、
「投函禁止リスト」
というものがあり、入ったばかりの新人はそのリストを確認してから投函を行います。
ただ、確認が営業所によっていまいち徹底出来ていないため、
何も知らない新人が、今まさに大クレーム発生中の人の家にチラシを投函してしまい、
笑い話にもならない事態に陥ってしまうなんてこともあります。
なぜ今更そんなチラシ投函のことを書いたのかと言うと、
つい先日こんなものが届いてました。
そうです、ベネッ○コーポ○ーションのしま○ろうですね。
どんなに関心の薄い、ひねくれた幼児でも、
しま○ろうにだけは興味を示すということで、
「しま○ろうには得体のしれない魔力があるのでは?」
というような都市伝説もあったりなかったり。
入ってる内容は毎回似たりよったりで、
勧誘用の漫画冊子とチラシやシールが入っています。
子供の年齢に応じたテーマが決められていて、
今回は上の息子に向けた教材でした。
漫画はお母さん目線で描かれていて、
内容は毎回美しいまでの定型で・・・
- 子供が文字を書けない(読めない)、トイレに行けないなどの問題(?)を抱えていて困っている
- 友達の先輩ママの子供はいともたやすくやってのける
- 「なんで!?」と質問したところ、しま○ろうの教材を勧められる
- 教材の素晴らしさに目覚める
- パパに相談する
- パパ、最初はしぶる
- でもママの説得により結局はやることに
- 教材を手にしたことにより、今まで出来なかったこと、苦手だったことが徐々に出来るよう(完)
それほど害のあるものではないですが、
「人によっては不要なものを、定期的に一方的に送りつけて来る」
という行為は、不動産チラシとそう大差ありません。
ただ、1点違う所は、し○じろうは一度問い合わせをしてきたお客さんが対象になっている点です。
顧客情報(*特に子どもの年齢)を既に手にしているので、
ニーズに沿った提案をすることが出来ますよね。
この場合、子どもの年齢です。
個人差はもちろんありますが、
年齢によってそれぞれ子どもが抱えている問題、
というか課題(*おむつが取れないとか勉強しないとか)に大差はないでしょう?
それを的確についてきます。
我が家では現状入会するつもりはないですが、
不動産の求むチラシのような絨毯爆撃でもないし、
おまけでついてくるシールで子どもは遊べるし、
「もう送りつけてくるな!」
とクレームを言うつもりはありません。
いまは必要なくとも、毎回のように目にしていると、
「塾や習い事に通わせる程ではないけど、
多少は触れさせておきたい」
と思った時には、安いし(月額2,000円程度)ひょっとしたら申し込むかもしれませんし、
やり方としてはとても上手いですよね。
不動産のチラシにはそうした観点がありません。
不動産を売ることを全く考えていない人に、
「売りませんか?」
というチラシを投げ込んでみたり、
買ったばかりの人の家に、
「こんな良い物件が出ました!」
というチラシを投げ込んでみたりと、
まったく的を得ていません。
- 誰が不動産を売りたいと思っているのか?
- 誰が買いたいと思っているのか?
それが分かれば誰も苦労しないのですが、
全く分からないので、
より多くより広範囲にしつこくチラシを投函することで、
問い合わせてくれる可能性を少しでも上げるしかないのです。
そうしたわずかな可能性にかけて、
不動産業者は投函した瞬間そのほとんどが「ゴミ」になるチラシを、
しつこくしつこく投函し続けるのです。
マンションによっては、チラシ投函していた不動産業者を、
「不法侵入だ!」
とおおごとにしているところもありますが、
あまり過剰な反応をせずに、
少し優しく見守ってあげてほしいものです。
チラシをまいている人の大半は、
入ったばかりの新人か、
うだつの上がらない営業マンなんですから。
もちろん確信犯的な嘘八百が書かれたチラシや、
投函頻度が度を過ぎて多いようなら、
解決する良い方法をお教えしますよ。