不動産の売買を考えた時に、一般の方が、まず何を感じるかというと、何もわからないことから来る
「不安」
です。
年に何度か必ずしも経験することであれば、そうした不安に対する耐性も作られると思いますが、不動産売買となると、そう何度もする経験ではありませんし、人によっては一度も経験しない人もいます。まず最初に何をするか、何から始めたら良いのか、取引全体の流れなど、分からないことのオンパレードです。
「大手」という看板の大きさで「安心」を担保する
では、このように何もかも分からない「不安」な状態を、どのように解決するのかというと、「大手」という看板で「安心」を担保しようとします。大手には圧倒的な看板の大きさから、
「大手ならおかしなことはしないだろう」
という心理が働きます。私自身、大手で働いてきましたが、
「家を売ることになって・・・とりあえず何からお願いしたら・・・」
という、
「手取り足取り教えて欲しい」
といった感じのお客様が非常に多かったです。
大手をみんな選ぶワケ
不動産の売買は大きなお金が動き、権利移転が発生するため、失敗は許されません。非大手の中小・零細不動産会社が、仲介手数料半額・無料と謳ったとしても、どこの馬の骨とも分からない不動産会社に頼むのは、やはりリスクがあると感じてしまうのは致し方ありません。
「不動産会社の知り合いがいる」
「良い営業マンを知人が紹介してくれた」
など、「大手」というワード以外に「安心」を担保出来ない人にしてみたら、
「とりあえずネームバリューがある大手に依頼する」
という選択をすることは、おかしくはないと思いますし、大手にお客様が集まるのは当然といえば当然です。
大手ならば万事OK?
しかし、大手に任せておけば、それで万事オーケーかというと、そんなことはありません。大手とはいえ、全ての営業マンが均一の実力を持っているわけではありません。誰しもトップ営業マンややり手に担当して欲しいと思いますが、残念ながら自分の希望で担当者を選ぶことはできません。トップ営業マンもいれば、入って数ヶ月の新人もいます。
「大手だと思って依頼したのに、こんな程度の仕事しか出来ないなんて!」
と、大手ゆえの高いハードルを設定して、不満を募らせるお客様は一定数現れます。実力にでっこみひっこみは存在することを理解しなくてはなりません。
中小・零細企業の経営者に依頼
大手にいるトップ営業マンは、もちろん人によっては社内で出世していくことを目指す人もいますが、独立する人も多いのです。つまりやり手・デキル営業マンに依頼をしたいのであれば、大手という選択肢だけではなく、非大手の不動産会社の社長や役員に依頼する、という方法もあるのです。そうした零細企業の社長や役員は、プレイングマネージャーのことがほとんどですから、直接実務も行ってくれるでしょう。前述したように、
「どこの馬の骨とも分からない・・・」
などの心配はあるでしょう。しかし、信頼できる知人から紹介を受けたなど、「安心」を担保できるのであれば、非大手に依頼するという方法もあるのです。