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物元(ぶつもと)~物元業者の業務内容と重要性などについて~

 

物元(ぶつもと)とは?

売主と媒介契約を交わし、物件の販売窓口となっている不動産会社のことを「物元」と呼ぶ。不動産業者間で使われる用語で、一般に使用されているわけではない。

【使用例】私が買い手側の仲介として、金額交渉を物元業者に依頼しているが、思うようにいかない状況を上司に報告するケース

物元の担当いわく、こちらのお客さんの要望を売主さんがなかなか承諾してくださらないようです。。。
上司
力のない物元だな

物元業者の業務内容

物件の調査

登記簿謄本を法務局で取得し、物件の権利関係を調べることからはじまり、前面道路の種別(*道路種別)・幅員・接道距離、上下水道・ガス管の埋設状況。マンションであればこれらに加え、管理会社から重要事項調査報告書を取り寄せ、マンション管理状態を調査します。その他、物件近隣に嫌悪施設がないかや、都市計画情報を調べるなど、調査内容は今挙げたもの以外、多岐に渡ります。

図面作成

調査した内容を踏まえて販売図面を作成します。

各種媒体へ情報掲載

スーモやアットホームなどのポータルサイトへの掲載や、新聞折込広告、レインズで広く物件の情報を拡散させ、広く購入希望者を募ります。

契約書、重要事項説明書の作成

ただ、大手仲介業者は、例え買い手側の仲介であっても、自社フォーマットで作成した契約書書類で契約を交わしたがる傾向が強いため、必ずしも物元業者が書類を作成するわけではありません。

成約に至らない場合の価格変更の提案

売れない場合の多くは金額の場合がほとんどです。販売していく中で得た情報(*問い合わせ状況や内見数の数や内見時のお客さんの反応)をもとに、販売価格の見直しを提案します。

以上がメイン業務。

なぜ物元業者になりたがるのか?

専属専任専任媒介で媒介を受け物元業者になることができれば、直接自社で買い手を見つけることができなくとも、レインズを介して他社が買い手さんを連れてきてくれます。

買い手・売り手双方から仲介手数料をもらう(*両手)ことはできませんが、売主からの報酬は最低限確保出来るので、どこの不動産業者も物元になりたがる。

ただ、現状は湯水のように広告宣伝費を使える大手にいきがち。

囲い込みを行うのは物元業者

物元業者(特に専属・専任)は取引を左右する司令塔。他業者が誰よりも早く買付を出していたとしても、物元業者が見つけてきたお客さんがあっさり優先されたり、自分のところのお客さんの結論が出るまで、案内をさせてもらえなかったりすることもあり。悪い言い方をすると独裁者のよう。囲い込みを行うのは物元業者。

物元業者の重要性

物元業者の重要性については、こちらの記事をご覧ください。

不動産の査定を受ける時の注意点

不動産を売却したいというお客さんから、査定の依頼を受けると、不動産会社は専属専任専任媒介売却の依頼を受けたいがために、明らかに相場を無視した、高すぎる価格を提示することがあります。こうしたことに対する不動産会社への批判は以前からあります。

「当社であればこの価格で売って見せます!だから専任下さい」

高い金額をもっともらしい理由で伝えられて、悪い気のするオーナーさんはいません。良い気分で売却に出してみますが、結果、案内もほとんどなく、結局売れに金額を下げさせるのはある種、詐欺みたいなもんです。

今回は、査定を受ける際の注意点や心構えについて解説していきます。

 

 

査定は「後だしじゃんけん」が最強!

一括査定サイトなどで複数の不動産会社が一度に査定に呼ばれると、それぞれ他社の伝える金額を気にして、中々本当の査定価格を言いません。なぜなら一番最初に訪問した不動産会社は、自社が伝えた金額が、他の会社の叩き台になってしまうのを恐れているのです。

引っ越しの一括査定を利用された方なら経験あるかもしれませんが、ネットの送信ボタンを押した直後から電話が鳴り響きます。あれは一番最初にお客さんとコンタクトを取った会社が最強だからです。なぜかというと

「今当社で決めて頂ければ、あと○○万、特別に割り引かせて頂きます!」

という必殺の殺し文句があるからです。お客さんとしては

「これを逃して他がここより高い金額だったら・・・」

と葛藤に迫られ、引っ越しの準備で慌ただしいなか、他社と時間をかける煩わしさから

「まあ当初の金額より値引きしてくれるならここでいいや」

と考え、他社の引っ越し会社がコンタクトを取れたときにはすでに決めてしまっているのです。それをひっくり返すのはほとんど不可能です。

上記のようなやりとりが、不動産の査定時には起き得ないからです。

「当社に売却の依頼を出して頂ければ、あと○○万円高く売りに出します!」

と言われても、オーナーとしては

「はあ!?」

となるでしょう。他社がどれくらいの金額を伝えているのかある程度聞き出したうえで、一番最後に一番高い金額を伝えようとするのです。つまり「後出しじゃんけん」が一番強いのです。ですから、

「調査して再度お伺いさせて下さい」

といって、回答を避けるのです。

車の買取査定や引っ越し査定とは別物

当然二番目に訪問した不動産会社は、自社が何番目に来たのかを把握したうえで、

「他社さんはどの位のこと言ってました?」

と聞きだそうとします。一番目の不動産会社が金額を伝えていないので、ここで二番目の不動産会社が金額を伝えてしまうと、その価格がたたき台となってしまいます。それを避けるために二番目の不動産会社も、調査する時間が欲しいとか適当なもっともらしい理由をつけて、

「後日またご報告にあがります」

となります。イタチごっこのようで笑ってしまいますが、これって本当に現場で行われていることです。仮に一番目の不動産会社が既に金額を伝えていたら、その金額を確認したうえで、

「へ~~~、その価格はずいぶん安いですね~。普通にやればあと○○万は高く売れると思うんですけどね~」

と、言えば済むのです。オーナーが喜ぶであろう高い金額を伝えて、有無を言わさずその場で媒介を取得しようとするから、こういうことが起きてしまうのです。オーナーとしても、不動産会社の査定というものが、引っ越し会社や車の買取査定とは全くの別物だという強い認識を持つ必要があります。

高い査定金額を提示されてもよいケースは?

しかし、高い金額で査定することが必ずしもいけないという訳ではありません。周辺物件の売出・成約状況を提示して、

「現在の状況や過去の事例から、相場として恐らくこの辺りではないでしょうか」

と適正な金額を伝えた上で、売主さんの売却事情を踏まえ、

「急いで売る必要はないようですから、最初はご希望の金額で出してみたらいかがですか?」

と提案するのはまっとうな行為で、それが本来あるべき不動産査定であり、不動産会社の役目です。仮に売れずに金額の見直しを提案する際も、違和感なく受け入れてくれると思います。

本当の査定価格を知る

問題なのは適正な金額を伝えないで、あたかも

「自社に任せてもらえれば他社より高く売れる」

とだけしか言わないことです。オーナーが「本当の査定価格」を知らされないから、後々問題になるわけです。本当の価格を言ったら断られる、と思っているからこうした不毛なやりとりが行われているのでしょうが、真実をしっかりと伝えて信頼してもらえれば、例え他社より金額が低かったとしても選んでくれると思うのです。

オーナーとしては、不動産会社が査定で伝える耳触りの良い価格は、いったん疑問に持った方が良いと思っておきましょう。不動産会社によって、金額が何百万も差が出ることなんて、おかしな話なのですから。

まとめ

不動産の査定を受けるときの注意点、いかがだったでしょうか?色々書きましたが、ポイントは一つ。この点だけ知っておけば、不動産会社の査定に振り回されることはなくなります。

「車の買取査定や引っ越しの査定とは別物」

ということだけです。

査定という同じワードが使われていますが、中身は全く別物です。上記の車の買取査定や引っ越し査定は、査定した側が

「この金額であればあなたの車を買います」

「この金額であればお引越しを請け負います」

と、約束されたものですから、提示された金額に間違いはありません。しかし不動産の査定は、

「この位であれば売れると思います」

という「予想」に過ぎないのです。他の不動産会社より予想する金額が高かったとしても、その金額で売れることが約束されたわけではないのです。この点を、十分理解するようにしてください。

専属専任媒介契約、専任媒介契約のメリット・デメリット

不動産会社にとって、売主から売却の依頼をもらい、自社の取り扱い物件を増やすことは、小売店が品ぞろえを充実させるに等しい行為です。それも出来れば、独占して(専属専任専任)商品(不動産)を並べたいのです。

媒介契約を結ぶ際には、どこの不動産会社も必ずと言っていいほど、専属専任もしくは専任媒介契約を締結しようとします。ただ、ご存知のように、売主には複数の不動産会社に依頼できる、一般という選択肢もあるのです。専任以上で契約を結びたいのだから、不動産会社の説明が、専属専任専任寄りの説明になってしまうのは、致し方ないところです。

専任以上で結ぶことのメリットとデメリットについてみていきます。

 

メリット

業者が必死になる

売却活動を一社限定で委任するので、当然、その業者が売却活動をさぼったりすると売れません。その不動産会社の責任は非常に大きいのです。必死にならざるを得ません。

また、成約に至らないと仲介手数料ももらえませんし、それまでにかかった売却活動の費用も回収出来ません。なかなか売れなかったり、動きが悪かったりすると、媒介契約を余所に切り替えられてしまうかもしれません。販売活動にも力が入って当然です。

これがメリットの一つとなります。

対応が一対一

販売の窓口が一つということは、その会社に様々な情報が集まります。つまり、

  • お客さんからのお問い合わせの数
  • 他業者からの問い合わせの数
  • 案内した時のお客さんの感触
  • 広告の反響結果

です。

こうした情報を不動産会社からフィードバックしてもらうことで、売り手は現在の販売状況を知ることができます。

これらのデータを参考にして、文字通り不動産会社と売主が顔を突き合わせて、成約というゴールまで二人三脚で進めていきます。その物件に力をかけただけ、担当者も売り手と同じく、不動産に対して愛着が増していきます。その分、成約に至る可能性は高まります。

これがもう一つのメリット。

デメリット

一対一の関係が裏目に・・・

これに尽きます。一対一という関係が、悪い方にひっくり返った場合です。もはや一部不動産会社の悪習となっている囲い込みをはじめ、売り手に真実の情報を伝えず、その不動産会社の都合によって情報を捻じ曲げ、売却活動を左右されてしまうのです。

例えばあからさまな両手狙いで、他業者からの問い合わせがあるにも関わらず、一切紹介せず(囲い込み)、

営業マン
いや~案内どころか問い合わせもありませんよ
売主
そうですか、金額が高いんでしょうか・・・
営業マン
適正だと思うんですけどね~、でも試しに少し下げてみます?

で、徐々に金額を下げていくなかで、自社でお客さんを見つけてはい、両手。終了!のような形です。選ぶ不動産会社によっては、こんなふざけたパターンに陥ってしまう可能性がある、というのがデメリットです。

注意点

売り手の考え方や売却するに至った事情などにもよりますが、やはり自分の思いの詰まった不動産を売ってもらうには、一対一で相対してじっくりと腰を据えて売却してもらいたいと思われる人が多いのではないでしょうか?

依頼を受ける不動産会社としても、他業者に余計な茶々を入れられる心配がないので、成約に至るためのさまざまなアドバイスや提案を行うことが出来ます。

上に挙げたような売り手の不利益になるようなことを行う心配がなく、しっかりと販売してくれそうな信頼できる不動産会社と判断できたならば、専属専任もしくは専任媒介でお願いするのが良いと思います。

担当者のやる気と行動力。そしてなにより誠実さを見ていきましょう

ただ、一回二回会っただけでその不動産会社が信頼に足るかどうか判断することが難しいのもまた事実です。その際は、事前に複数の不動産会社に簡易査定や無料査定を依頼して、その会社の対応を見比べておくなどの事前準備もしておくのがよいでしょう。

また、そうした事前準備をすることが時間的に難しいのであれば、いきなり専属・専任で媒介契約を結んだりせずに、とりあえず複数の会社に一般媒介で依頼しておくのも一つの手です。

実際に販売活動をしてもらうことで、その会社の対応力や実行力を把握することが出来ますし、一般媒介だからといって手を抜く会社なのかどうかの判断も出来ます。

不動産会社も営利企業ですから、専属専任・専任媒介で媒介契約を締結出来るなら表面上誠実で信頼出来る姿勢をアピールすることは簡単です。

もちろんサービス業ですから、そうした対応は必要ですが、重要なのは販売を開始したあとの不動産会社の姿勢であり対応力・実行力です。

そのあたりを良く理解した上で、どのような形で売却を依頼するのか、判断することが重要です。

営業活動報告書(えいぎょうかつどうほうこくしょ)

営業活動報告書とは?

業界的には「営活(えいかつ)」と呼んだりします。

売却の依頼を受けている物件のオーナーさんに対して、現在の販売状況を報告する書面です。書面ではなくそれ以外の方法(電話やメール)でも構わないのですが、書面で報告することがほとんどです。特に希望がなければ文書になるはずです。

大手は確実に正確に機械的に発行されますが、地元の業者なんかはそこらへんあいまいで、発行していないところが多いです。

記載内容は?

具体的な報告内容としては以下のようなものがあります。

  • どのような広告活動を行ったか
  • 問い合わせの件数
  • 案内件数
  • お客さんの感想

専任媒介は2週間に1度、専属専任は1週間に1度の頻度で報告義務があります。ちなみに一般媒介には報告義務はありません。媒介契約書には報告頻度や、報告する媒体が記されています。

この書面を見れば、売却中の物件が、今どういう状況なのかが一目瞭然です。依頼を受けている仲介業者としては、売り手に現在の販売状況を知ってもらう為の良い材料となります。報告を行うことで互いに共通認識を持つことができ、スムーズな販売活動を行うことが出来るのです。

売るためのプロセスを知ることが大事

しかし、当たり障りのないコメントだけちょこちょこっと書き、業法で定められた報告義務だけを満たすために、ただ出しているだけという不動産会社が多くあるのも事実です。そうした不動産会社にとっては、

「結果、売れれば文句ないんだろう」

という考えなのかも知れません。確かにその通りかもしれません。

ただ、売るためのプロセスも、売却活動の一つであることに変わりありません。しっかりと報告を受けることで、売り手は自分の物件が置かれた状況を正確に把握することができます。値引き交渉があった際や、値下げの提案を受けるか受けないかといったときの判断材料とすることが出来ます。

まとめ

今まさに販売中の売り手もいらっしゃるかもしれません。この報告書からは様々なことが読み取れます。なかなか売れずに困っている方であれば、一度報告書をチェックして、売却活動を見直してみるのも良いかもしれません。

不動産仲介業者の付属サービス提供合戦!

各大手不動産仲介業者が、良質な売り手(物件)を専属もしくは専任で確保するために、様々な「付属サービス提供合戦」を繰り広げています。以前の二つの記事、「売主が、売却中に出来る効果的なこととは?」「『無料建物メンテナンス付き売却仲介に』について」で詳細を書き、最後に「残された競合他社の動きは果たして?」と締めました。で、残されたうちの一社である住友不動産販売が、12月1日に新しいサービスを発表しました。

住友不動産販売(株)(本社:東京都新宿区)は、「ステップ空家クリーンサービス」および「ステップ空地草刈りサービス」を、首都圏の仲介全145店舗にて、12月1日(月)より開始した。

「ステップ空家クリーンサービス」は、空き家になっている中古一戸建て住宅の売却にあたり、同社と「専属専任媒介契約」を締結した物件について、売主に「ハウスクリーニングサービス」または「庭木のお手入れサービス」のどちらか一つを、同社負担で実施するサービス。空家の水回りや茂った庭木を、「売却前に」メンテナンスすることにより、購入希望者への印象度をアップし、物件のスムーズな売却をサポートする。(引用元:SUUMOジャーナル)

というもの。先日、空き家対策特別措置法が成立し、空き家問題はまさに今が「旬」です。実際問題、特措法で対象となる空き家は「特定空家等」に指定される、ボロボロで倒壊やスラム化など周辺環境に悪影響を及ぼすものをいいます。

なので、ここでいう空き家とは少し趣が違うのですが、特措法の細かい内容を知らない人にとっては、「空き家」というキーワードが入るだけで、「ハッ!まさかうちのこと!?」と思う人が少なからず存在すると思うので、なかなかうまいやり方ではないかと。

「今まで使ってなかった空き家を、売りに出す前にお部屋をきれいにしましょう!」というもので、こういってしまっては身もふたもありませんが、ま、ただの掃除ですよ(笑)。一方、

「ステップ空地草刈りサービス」は、土地の売却にあたり、同社負担で空地の雑草を専門スタッフが刈り取りをするサービス。刈り取りにより環境悪化や不法投棄による被害を防止する。売却前に草刈りで土地をすっきり明るく見せて、購入希望者の印象アップを目指す。(引用元:SUUMOジャーナル)

以前、当社でも売却にあたり雑草を刈ったことがありますが、なんとスズメバチの巣が隠れており、刺された当社のスタッフの手がグローブほどの大きさになったのはつい数年前のことです。専門スタッフにも十分気を付けて欲しいと思います(汗)。

 

空き地の草刈りには要注意(笑)

空き地の草刈りには要注意(笑)

 

結論から言うと、今までに挙げてきた他社のサービスに比べると、見劣りするかなという気がします。土地でも空き家でも、販売前に見た目を良くするのは当たり前のことで、あえて仰々しくアピールする必要もないと思いますけどね。

その割には、サービスの提供を受けるためには、他社同様、

「専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、かつ当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件」

といった制限がありますが、この内容で専属専任で価格規制しようなんて、少し虫が良すぎんじゃないですかね。

というのが、個人的な見解です。

【「ステップ空家クリーンサービス」概要】
●期間:2014年12月1日~2015年3月31日
●対象物件:首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の空家一戸建。※瑕疵担保免責物件や古家付き土地は除く。
●利用条件:住友不動産販売と専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、かつ当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件

 

【「ステップ空地草刈りサービス」概要】
●期間:2014年12月1日~2015年3月31日
●対象物件:首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の100坪までの土地。※空地とは土地上に建物等の建築物の存在しない土地を指す。
●利用条件:住友不動産販売と専属専任媒介契約(媒介期間3ヵ月)を締結し、同社査定価格が2500万円以上でかつ、当初の媒介価格(売出価格)が同社査定価格の125%以内である物件

「無料建物メンテナンス付き売却仲介に」について

先日の記事「売主が、売却中に出来る効果的なこととは?」で紹介したものと似た内容のサービスを、東急リバブルさんが11月1日から行っているそうです。その内容を以下、抜粋します。

東急リバブルは11月1日、『リバブル無料建物メンテナンス』サービスを開始した。マンション・一戸建ての玄関ドアやサッシの異音や隙間、フローリングの傷やクロスのめくれなど、住居の細かな不具合を無料でメンテナンスしてから売却できる。

<中略>

売主が抱える「自宅を売却したいけれど、購入から何年も経っているので細かなところがあちこち壊れている」「気づいてはいるけど売り物件にわざわざお金をかけるのももったいない」「このままで本当に売れるのだろうか」などの悩みに答えるのがこのサービスだ。

『リバブル無料建物メンテナンス』サービスでは、住居の細かな不具合を無料でメンテナンスしてから売却することが可能である。対象物件は、自己居住用のマンションまたは一戸建て(瑕疵担保責任免責不動産および事業用不動産を除く)。(引用元:RBB TODAY)

というものです。

 

悩む

 

2014年8月に実施した「不動産売買経験者へのインターネット調査」の結果、48%売主側が「ちょっとした不具合を理由に値引きを要求されるのではないかと不安だった」とあり、さらに42%買主が「中古住宅を内覧した際に、建具のがたつきや不具合が原因で買うのをやめたことがある」と答えている。

このアンケート結果を踏まえた形で開始した今回のサービスのようですが、「玄関ドアやサッシの異音や隙間、フローリングの傷やクロスのめくれなど、住居の細かな不具合」が原因で、購入を取りやめる人など本当にいるのでしょうか?

個人的な経験ですが、修繕に数百万単位でかかる大がかりなものなら話は別ですが、こうした細かな劣化が原因で、「やっぱり買わない」となることって、そうそう多くはないと思うのです。修繕費用も数万単位です。「その程度の費用」と言ってしまっていいのか分かりませんが、さんざん検討して気に入った物件を、その程度の費用で諦めてしまう人が半分もいるのかと、率直に疑問に思ってしまいました。

もちろん、そうした人もいるのでしょうが、きっと辞める背景にはそれ以前に色々溜めていたものがあったのかもしれません。例えば、仲介業者の態度が気に食わない・・・売り手の対応が気に食わない・・・修繕をお願いしたけどあっさりと断られた・・・などなど。

物件はと~~~~っても気に入っているけど・・・どうしても気持ちがおさまらない!気持ち悪い!もやもやする!と、感情的になってしまうお客さんはいます。きっかけは確かに「中古住宅を内覧した際に、建具のがたつきや不具合が原因で・・・」なのかもしれませんが、感情的になってしまえば、どんな些細なことでも取引を辞める材料になり得ますからね。だから本当に42%の人が「それ」だけの理由で購入を見合わせてしまうのかな?と疑問に思ってしまったのです。

ちなみにこのサービスを受けるための条件ですが、

となります。「タワーマンション限定」という箇所以外は、適用条件は前回ご紹介したサービスと、ほぼ同じですね。要するに、

「売却行為以外にこのような付加価値もつけるので、売りやすい価格(査定価格の125%以内)で当社1社(専属専任or専任媒介)だけに販売させてくださいね」

という、良質な売り手さんを確保するための一つの手段です。

別にこうしたサービスを受けられることをきっかけに、売却に踏み込むことは悪いことではありません。売り手が考えてた希望売却価格が、提示された査定価格の125%以内に収まるのであれば、活用するべきだと思います。余計な費用もかかりませんしね。

問題は売却希望価格と、査定価格にかい離がある場合です。希望価格では相場から比べたら高いかもしれません。だけど、難しいと分かっていても、一度は確かめてみたい!と思うのが売主心理ではないですか?提示された査定価格は確率論で、絶対ではありません。市場にどう受け入れられるかは「やってみないとわからない」というのが正直なところです。

希望する売却価格とどれだけの差があるかを、客観的に認識するため、査定価格を参考にすることは重要です。しかし、こうしたサービスを受けたいがために、売主希望の売却価格を無理に125%以内に収める必要はないと思います。それでは本末転倒です。このようなサービスを提供する背景には、上記のような理由があり、決して「他にはないサービス」ではないという認識だけは持っておいてください。最後に、

対象エリアは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県。建物内部の建具やサッシなど、同社の定める箇所の目視・打診、動作確認などを行い、同社の定める基準に基づきメンテナンスを行う。

ということなので、基本的にどんな物件(マンション、一戸建て)でも適用できるのでしょうが、あんまりにも痛みが激しい物件だと、「同社の定める基準」に基づき、適用できないこともあるんでしょう。

大手2社が同じようなサービスの提供を始めています。その他の不動産仲介業者がどういう対応を取るのか、今後が非常に気になりますね。

売主が、売却中に出来る効果的なこととは?

不動産仲介業大手の、野村不動産アーバンネットがタワーマンションの売主に対して、新しい売却方法の提案を始めていると、SUUMOジャーナルに記事がありました。内容はというと・・・

ホームステージング(Home Staging)とは、売却不動産を家具や小物で演出することで、早期に好条件での売却を目指す販売手法。中古住宅流通量の多いアメリカでは、過去30年以上、不動産売却時に有効な手法として用いられている。ホームステージングは、単にインテリアコーディネートをするのではなく、その住宅の購入を検討する方が、住まう価値と真の住まい心地を実感してもらえるように演出をすることが特徴。

中古住宅の売却においては、買主が内見をする際の第一印象が重要なポイントとなる。ホームステージングにより、良い印象を持ってもらうことが、好条件での売却につながる。また、買主にとっても住みかえ後の生活を具体的にイメージし易くなるなど、住まい選びの手助けとなる。(掲載元:SUUMOジャーナル)

以前、「不動産会社に売却を依頼後、売主が出来ることは何かありますか?」という記事を書きましたが、詳細はそちらを読んで頂くとして、基本的に売却に出してしまえば、売主が行動を起こしたことで早期に売却に至った、ということは絶対と言い切れませんが、ほとんどありません。

ただ、部屋を明るく見せるために室内の照明をすべてつけたり、清潔感を与えるように室内を整理整頓しておくなどの演出をすることは、売主が出来る数少ない行動です。もちろん、それをしたからといって、高く売れる、という訳ではありません。あくまでも、売りやすくするための、一つのスパイスとお考えください。上記のサービスは、部屋を綺麗にし限りなく買い手の印象を良くするという行為に、徹底的にフォーカスしたサービスなんでしょう。

費用は無料らしいですが、このサービスを利用するためには、色々と制限があるようです。まず一つに、このサービスは「タワーマンション限定」です。普通のマンションや一戸建ては適用外。タワーマンションは、どれも築浅のものがおおく、全ての部屋が、とは言いませんが、どの部屋も悪い印象を与える物件はないのではないかと。

 

タワーマンションは見栄えも良く、グレードも高いので、いまだに売れすぎです。

タワーマンションは見栄えも良く、グレードも高いので、いまだに売れ筋です。

さらに以下のような条件があります。

  1. 査定した価格の125%以内に売り出した物件
  2. 専属専任専任媒介締結のお客様

「相場より高いけど、部屋を綺麗に見せれば高く売れるかもしれない。そのためにこのサービスを使ってみようか」

と考える売り手さんが多いと思います。しかし、査定価格の125%以内という制限があるので、査定価格の125%以内に値付けしなければ使うことが出来ません。また、専属選任、専任媒介契約締結が条件です。一般媒介のように、他社に重ねて依頼をすることはできません。

ま、なんでもかんでも希望する人すべてこのサービスを適用していたら、サービスだけ受けて「やっぱりう~らない!」っていう人も出てくるだろうし、どこかで制限をかける必要はあるんのでしょう。

一見すると、売り手に向けてのサービスにみえますが、内容をよく見てみると、売れ筋物件(タワーマンション)を確実に売れる価格(査定価格125%以内)で値付けし、そうした物件の売り手を囲い込む(専属専任or専任媒介締結)、という非常にうまいやり方ですね。

なぜ、ただでできるかというと、タワーマンションはグレード感のあるものが多く高額です。室内を綺麗に見せるためのちょっとした作業など、仲介手数料の中から充分ペイできるから・・・という背景があるのだと思います。専属選任、専任媒介なので、売り手からの手数料は必ず確保できますし、新しい形の(不動産会社にとっての)広告料として考えれば悪くないですね。

さまざまな形のサービスが、手を変え品を変え出てきます。不動産業界だけの話ではないのかもしれませんが、そのサービスを始めるに至った背景にも、不動産オーナーは考えをめぐらせてみても良いのではないでしょうか。

不動産の一括査定をおススメしない理由

引っ越し業者とか車の買取とかで一括査定というものがありますが、不動産にも一括査定というものがあることをご存知ですか?一度に複数の不動産会社に査定依頼が出来るので、一見するととても便利に思えますが、あまり効果的とはいえません。

引っ越し業者にしろ車の買取業者にしろ、彼らの査定価格というのは、「その金額で引っ越しを請け負う」「その金額で車を買い取る」ということです。ですから見積もりを多数に依頼して、一番安い金額・高い金額を把握することに効果はあるのです。一件一件問い合わせる必要がないので、一括査定を依頼する意味は大きいでしょう。

しかし不動産査定の場合、査定する側がその金額で買い取ること、または売れることを保証するわけではありません。あくまでも

「この位の金額であれば売れるでしょう」

と専門的立場からアドバイスするだけなのです。それが不動産の査定です。そしてほとんどの不動産会社がそうですが、「査定媒介契約取得の場」と考えています。複数の不動産会社がバッティングした場合、例え提案する価格が相場を無視した高い金額だと売主自身分かっていたとしても、

「当社にはこの金額で買うと言ってるお客さんがいます!」

と、言われたら、一番高い金額を提案してくれたその不動産会社に依頼したくなるのが心情のはずです。要するに不動産会社にとっての査定とは、適正な価格を提示することではなく、専属専任専任媒介契約を結んでもらえるような高い査定価格を提案することが目的となっています。

以前、一括査定に巻き込まれた売主を訪問したことがありますが、売主さん自身、何がいいのか?どこがいいのか?金額も言ってることもバラバラで混乱してしまっていました。そんな中、私がまともな査定を行ったとしても、却って混乱させてしまうだけなので、以下の2点をアドバイスしました。

  1. 一度リセットして仕切り直す
  2. 接触した不動産会社の中で、フィーリングが合った人や、人柄が良くて安心できる人2,3人に再度コンタクトを取り、慌てずにもう一度査定内容を聞き直す。

このように次から次へ不動産会社が査定に来ては、他社の提案した金額を探り出そうとし、その価格よりも少しでも高い金額を提示しようとする「意味のない査定ごっこ」が繰り広げられる一括査定に意味はあると思いますか?

これが「一括査定をおススメしない」何よりの理由です。

専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?

専属専任専任媒介と、一般媒介のメリット・デメリットについては以下の記事を再度ご覧ください。

双方のメリット、デメリットを把握したうえで、「で、結局どっちがいいんだ?」というと、異論反論、様々な意見があるかと思いますが、私の意見は「専任以上でお願いするべき」だと思います。ただし、

「依頼する不動産会社やその担当者が信頼できるのであれば」

という条件付きですが。

心底信頼できる(できそうな)人に、親切丁寧に膝を突き合わせて売却活動をしてもらって、悪い結果が出ることはまずありません。ただ、信頼できるか出来ないのか、初めて接触した不動産会社やその担当者を、そんなに簡単に品定めすることが出来るのか?というと、難しいというのもまた事実。この場合の「信頼・信用出来る」というのは要するに、

「当たり前のことを全力で行ってくれるのか?」

ということです。裏を返すと当たり前のことさえ出来ない(しない)、不動産会社がまだまだ多いということでもあります。

  • 知り合いに不動産会社がいる
  • 知人の紹介

などある程度信頼できる不動産会社と初期コンタクトが取れるのであれば、専任以上で任せてしまっても問題ないでしょう(*担当者とフィーリングが合わないなら話は違ってきますが)。しかし、不動産会社とつながりがある人たちばかりではありません。一から信頼に値する不動産会社を見つけるにはどうしたらよいのか?ここで一般媒介を利用してみるのです。

つまり一般媒介で多数の不動産会社に依頼をして、実際に販売活動を行ってもらうのです。その動きや対応を観察することで、不動産会社の質を見極めるのです。一般媒介でそのまま決まってしまえば、それで万々歳でしょう。仮に長期戦の様相を呈してきたら、一般媒介の中でも、特に一生懸命動いてくれた会社へ、専任以上へと切り替えるのが良いでしょう。なんでもそうかもしれませんが、実際作業してもらわないことには、不動産会社の実力なんて分かりっこありません。

「基本は専任以上で、不動産会社の質を見極める材料集めとしての一般」

決して一般的な使い方ではないですが、こうした利用方法もありだと思います。ちなみに媒介契約前に、複数の不動産会社に査定をしてもらい、その際の対応を見てどこに依頼をお願いするのか?を検討するというのも一つの手です。信頼できる不動産会社や担当者を見つけるのが一番大変かもしれません。以前こんな記事も書きました。

「安全な不動産業者の見つけ方」

見つける方法や特効薬が書いてあるわけではないので、ご参考程度に。

抜き(ぬき)

専属専任専任媒介で依頼を受けている窓口となる仲介業者を介さずに、物件の所有者に直接、「当社にお客様がいるのでうちにお任せ下さい!」とアプローチを行い、媒介契約を他社から自社へ移させようとする行為をいう。ルール違反だが、未だに当たり前のように横行している。賃貸業界ではそれがまっとうな営業活動だと信じ込まされている会社も多い。

媒介契約の期間は通常3か月なので、レインズなどで契約期間を確認の上、契約満了間近で所有者に飛び込むなど、各社工夫を凝らしているような現状。

抜かれる方が悪いのか?

「売り手さんの信頼を得るような関係をしっかりと築けていれば、なんの連絡もなく他社に媒介を切り替えることなどない」

と思います。いきなり乗り換えられるなんて、よほど信頼されていないことの証明にしかなりません。過激な言い方をすると、

「抜かれた方もちゃんとやっていたのか?」

と思ってしまいます。ただ、抜く方が完璧に悪いのにも関わらず、物元にその責任の一端を押し付けるのはとんでもないことです。事情があって金額の見直しが出来なかったり、物件自体に難があるため販売に苦労したりと、半年、一年と売れないことなどざらです。

「お客さんいますから!」

と言うセリフは、売りたくても売れずにうずうずしてる売り手さんにとっては、天の声にも聞こえると思うのですが、実際はそんな都合の良いお客さんはいません。そもそも拡大解釈すれば、お客さんがいない不動産会社なんかいませんから、詐欺に近いですよ。