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空き家管理から物件を収益化したケース

 

特定空家等に指定される空き家は少ない

空き家特措法が成立してからずいぶん経ちます。成立当初は、マスコミでもしきりに空き家問題がクローズアップされたこともあり、空き家所有者の関心は非常に高いものでした。ただ、

  • 固定資産税が減税措置を受けられなくなる
  • 所有者に替わって行政に強制的に解体される(*行政代執行)

など、空き家を放置して課せられるペナルティは、「特定空家等」に指定されてはじめて発生します。

実際のところ、特定空家に指定されるような、保存状態が悪い空き家がどれだけあるかというと、現場レベルでいうとそれほど多くないというのが実感です。当時は心配していた人も、いまは楽観的に考えている人が多いでしょう。

当社に空き家の管理を依頼されているオーナーさんの物件は、特定空き家に指定されるような、保存状態の悪い空き家ではありません。多少放置していたとしても問題ない物件ばかりです。

では、そのような物件は空き家の管理を行う必要はないかというと、そうではありません。これは実際あった事例で、少々イレギュラーなケースではありますが、あくまでも空き家の管理から始まった話です。

空家の管理で分かること

当社が依頼を受けた時、物件は以下のような状態でした。所有者は、相続を受けた後も、なにをするわけでもなく、ただただ放置をし続けていました。

  • 建物はまだ使える
  • 庭は荒れ放題
  • 室内はゴミだらけ
  • 埋設している水道管からは水漏れ

室内を見なければ、どこにでも存在する普通の一戸建てです。特定空家等に指定されるどころか、見方によってはいまだに誰かが住んでいるとも見えます。

前所有者が口約束で1部屋単位で貸していたそうですが、いまや賃料は入ってきておらず、室内には入居者が残していった荷物とゴミが散乱し、足の踏み場もない状態でした。

相続を受けた現所有者は、前所有者と口約束で契約した入居とは全く面識がありません。

対応策

勝手に荷物を処分することはできないため、連絡先をたどることで、入居者を突き止めることができました。滞納していた家賃を督促、回収し、解約の合意書を交わしました。

その後、残置物の撤去を依頼し、ようやく室内は空の状態になりました。

このように文字にしてしまうと、あっさり物事が進んだように思われますが、決着に至るまでには紆余曲折あり、とても数行では表すことができません。

賃貸に出して収益化

オーナーと相談の結果、ただ空き家に放置しているだけではもったいないので、賃貸に出すことにしました。建物外観は問題なかったとしても、室内の状態はゴミの多さ含めてひどい状態でした。

  1. 敷地内の水道管から水漏れ(*放置が原因で気づかず)
  2. お風呂の換気扇は腐食(*放置が原因)
  3. 網戸破れ多数
  4. 窓枠腐食により開閉不能(*放置が原因)
  5. 水道の蛇口腐食(*放置が原因)
  6. キッチン取り換え(*ある意味放置が原因)

壁紙やフローリングは当然交換が必要でしたが、上記1~6は月に1度や2度、巡回管理を行うだけで防止することができる問題です。結局、これら箇所を修繕することで大きな費用がかかることになってしまいました。

とはいえ、修繕費用は数年で回収できるので投資効率としては悪くありません。今までは何ももたらさないどころか、固定資産税が垂れ流されるマイナス資産だったものが、今後は収益を生み出す資産に生まれ変わるわけですから。

まとめ

このように空き家を適正な状態で維持し続けることのメリットは大いにありますし、空き家の管理をしていくなかで、収益化できる提案が可能となります。

空き家は構造物ですが、生き物でもあります。利用・使用されることで、いつまでも適正な状態を維持し続けることが出来るのです。

事情によって、すぐに利用・使用できないのであれば、多少の費用を払ってでも、きたるべきその時のために管理を依頼し、建物を維持しておくことが、長い目で見れば結果的に最も出費が少ない方法になるはずです。