タグ別アーカイブ: 購入申込書

不動産売却の流れ

不動産を売却しようとしたら、以下の順番で進んでいきます。

  1. 査定
  2. 媒介契約
  3. 販売活動
  4. 条件交渉
  5. 売買契約
  6. (*住宅ローン利用中なら)金融機関に一括返済の申し出
  7. 決済

査定

まず最初に査定を受けてください。自分の不動産がどのくらいで売れるのかを把握しておく必要があります。以下に査定に関する記事をまとめてあります。査定を受ける前には必ず読んでおきましょう。

ポイントは・・・

  • 一括査定はお勧めしない
  • 不動産の売却査定は、車の買取査定や引っ越し業者の見積もり査定とは別物
  • ↑だから高く査定されたとしても喜ばない

ということです。査定で最も重要なことは、正確な査定金額を把握することです。正確な査定金額というのは、3か月以内に7割8割の確率で売却できる金額のことです。

この金額を把握することが出来、販売期間に時間をかけられるのであれば、

「最初は少し高めに出して様子をみる。売れればラッキー」

という戦略を取ることができます。

不動産の売却査定に関する記事~まとめ~

媒介契約

査定を受けた不動産会社の中から、実際に販売を依頼する不動産会社を選び媒介契約を結びます。

媒介契約とは?

媒介契約を交わすときには、媒介契約書に署名・捺印をします。仰々しく「契約書」とありますが、売却の依頼申し込みという認識で問題ありません。契約期間の記載もありますが、期間中でも契約を破棄することも可能です。

媒介契約書とは?

媒介契約の期間

媒介契約の解除

媒介契約には

という3種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、以下の記事をご覧になって、最適なものを選ぶようにしてください。

媒介契約の種類とその説明

専属専任媒介・専任媒介・一般媒介契約のまとめ

専属専任&専任媒介と一般媒介、どちらが良いのか?

また、査定にも言えることですが、不動産会社の規模で選ばないようにすることです。

不動産会社の規模で依頼先を決めてはいけません

大手であれば間違いないと考えるかもしれませんが、必ずしも実力のある担当者かどうかは分かりません。かといって規模の小さい不動産会社がいいのかといったら、それもそうとはいえません。あくまでも売却業務を実行してくれる担当者をベースに考えましょう。

販売活動

媒介契約を結んだら、次は実際に販売をしていくことになります。既にお住まいでなければ問題はないですが、売却の場合、賃貸と違って居住中でも内見をしてもらいます。どんなに良い物件だったとしても、内見してもらわないことには成約に至りません。内見希望があれば、予定が合う限り積極的に内見に協力するようにしてください。

Q 不動産会社に売却を依頼後、売主が出来ることは何かありますか?

Q 売主が売却中にやってはいけないことはなんですか?

条件交渉

内見の結果、買い手に購入の意思があれば、購入申込書を出してもらいます。条件交渉など、ないに越したことはないですが、金額含め交渉が入ってくることが大半です。販売活動を開始して1週間後で入ってきた交渉と、半年販売した結果の交渉とでは全く違います。

金額だけが交渉ではないですが、多くの人の関心は金額です。では、入って来た金額交渉に応じるか否かの判断はどうつけたらいいでしょう?

その答えは、査定の段階で正確な査定金額を把握しているかどうかにかかっています。その金額が分かっていれば、入って来た条件交渉が良い金額なのかどうなのか?を判断することができます。

だから査定は重要なのです。

売却中に金額交渉があった場合の考え方

売買契約

売買金額含め引き渡し日の条件などがまとまれば、実際に不動産会社で契約を行います。通常は売却の依頼を受けた不動産会社の事務所で、売り手・買い手・仲介業者が集まって、重要事項説明書、契約書の読み合わせを行います。

その後、署名捺印し、手付金を受け取って領収書を発行し売買契約は終了となります。

(*住宅ローン利用中なら)金融機関に一括返済の申し出

住宅ローンを利用中ならば、引き渡し日に全額返済する旨を、金融機関に連絡します。金融機関によっては、手続き時に時間がかかることもあります。引き渡し日(決済日)が確定したらすぐに金融機関に連絡をしておきましょう。

また、確定していなくとも、何日前までに連絡をすれば良いのかを、予め確認しておくとよいでしょう。

決済

引き渡し日、決済日ともいいます。買い手が住宅ローンなど、ローンを利用する際には、通常融資を受ける金融機関の支店で行います。

住宅ローン利用時の決済当日の流れ

住宅ローン利用時の決済について

所有権移転登記に必要な書類を司法書士に手渡し、残代金を受け取り領収書とすべてのカギを買い手に発行し、終了です。基本的にこの時をもって今まで自分のものだった不動産は、他人のものとなり、当然のことながら自由に出入りすることはできません。荷物などは前日までにすべて搬出しておかなければなりません。

以上、不動産売却の流れでした。

物件を購入するとき内見は何件くらいするのがいいですか?

今日はこちらでマンションの決済がありました。

当社から近いのですが、あまり駅前に何があるのか把握してませんでした。予定より30分近く到着し、本でも読みながらコーヒーでも飲んでようと思ったのですが、思いのほか何もなく、結局金融機関で30分ほど時間をつぶすことになってしまいました。なぜ30分前行動を取っているかは下記の記事をご覧ください。

今回決済を行った金融機関は信用金庫でしたが、ここではお茶が出てきました(笑)

給料の受取口座が都市銀行指定とか、そのようなしがらみがなくて、近隣に支店があるなら、信用金庫はおススメですよ。住宅ローンの金利も、都市銀行と差異はほとんどありません。

店舗の数が全国的ではないため、使い勝手は都市銀行に比べると劣るかもしれませんが、その分、都市銀行などと比較すると顧客と信金の関係が親密です。

今回の売主さんと、信金の担当者の間柄は、互いに軽口を叩きあえる、そんな緩い雰囲気が漂います。いろいろと個別に相談にも乗ってくれます。そのような対応を望まれるなら、信用金庫での融資も検討してみてもいいと思いますよ。

で、本題。

「物件を購入するとき内見は何件くらいするのがいいですか?」

という質問です。

難しい質問、というか人によって全然違うので、なんともいえません。何百件見ても決めない人は決めないし、最初に見た1件目で決めてしまう人もいますし。とはいえ、必ずどこかで決断というか結論を出さなくてはいけない時がやってきます。

だからむやみやたらに見ればいいのかというと、そういうわけではありません。決断しなければならないときに、迷わず決断できるように、見た物件の解答は一つ一つ出していくことが必要です。

「何が気に入らなかったのか?」

「購入するためには何がネックとなるのか?」

「なぜ自分はこの物件を買おうと思えなかったのか?」

こうした答えを地道に一つ一つ出していくことで、徐々に自分の求めるものが浮かび上がってきて、そうした物件が現れた時、すぐにパッと結論を出すことができるのです。

こうした作業をしていかないと、いつまでもダラダラと物件を見るだけが目的(*趣味になってしまっている人もいます)の、いつまでもたっても物件を買えない人になってしまいます。

ちなみに今回マンションを購入して頂いたお客様はこれだけ見ました。

もちろん、すべて内見したわけではありません。紹介しただけで終わった物件も含まれています。しかし、それでも一つ一つ解答を出していくことで、これだ!という物件が出てきたときには、迷わず結論を出すことが出来たのです。

このお客様が今回購入した物件、実は内見時には既に2回見ていた他のお客様がいました。そのお客様のことを直接知っているわけではありませんが、かなり迷われていたようです。そんな事情を知っていたので、その時の状況(*既に2回見た他のお客様がいる)を今回購入したお客様に伝えたところ、即決で「買う!」と。

その後、既に2回見ていたお客様も、自分たち以外が申し込みを入れたことを知り、慌てて2番手として購入申込書を出してきたようですが、時すでに遅し。

勝手な推論ですが、今回買いそびれた方は、本当に買っていいのかどうか、自分達だけでは評価できなかったのだと思います。他の方(*今回購入したお客様)が申し込みを入れた事実を知って、はじめて

「自分たち以外にも評価している!この物件は買った方がいいんだ!」

と、他人が評価したことで、初めて自分たちの評価を信じることが出来たのです。

何件見てきたのか分かりませんが、今まで見てきた物件の解答を一つずつ出しておけば、ひょっとしたら2回内見したときには買うという結論を出すことが出来たのかもしれません。

ですから何件見たらいいのか?という質問に対して答えはなく、何件見てもいいけれど、その都度、解答を出す作業をしなければ、全てが無駄になってしまうということです。

不動産業者は案外このようなことを教えてはくれません。ですから、内見した物件や紹介を受けた物件の図面の下にでもいいので、一言でもいいのでコメントを書いておくことをお勧めします。

住宅ローンの本審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査(*住宅ローンの事前審査とは?
  2. 本審査

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は事前審査後に行う本審査について解説していきます。

 

住宅ローンの本審査とは?

事前審査が通過し、無事売買契約が済めば、次は融資の本申込みです。通常、契約から決済までは、売主・買主の引き渡し希望日に特殊な事情がなければ、1か月から長くても1か月半となることが通常です。

1か月もあるので、時間があるように思えますが、意外にそうではありません。印鑑証明書や課税証明書など、行政で取得しなければならない書類があり、融資承認を取らなければいけない期日もあります。いつまででもよいというわけではないのです。意外にのんびりしている暇はありません。

  1. 物件を内見
  2. 購入物件が決まり仲介業者を通して売主と条件交渉
  3. 事前審査
  4. 売買契約

と、バタバタしてきたでしょうから、ホッと一息付きたくなる気持ちは十分わかります。しかし、そのままの勢いで、一気に動いてさっさとローンの承認を取ってしまった方が、結果的に楽です。

本申込み時に必要な書類

融資本申込み時に必要な書類は次の通りです。下記は一般的なもので、借入希望者の内容によって、若干の差異はあります。

住民票や印鑑証明書は、金融機関とのお金を借りる契約である

金銭消費貸借契約

時にも必要となります。まとめて取ってしまえれば手間が一度で済んで楽なのですが、金銭消費貸借契約時には、通常新住所での住民票、印鑑証明書が必要です。ですから別々に取得しなければなりません。

事前審査の金額を減らしても大丈夫

5,000万融資希望の事前審査の内諾を取ったからといって、本審査の際、必ず5,000万の融資を申し込まなければならないわけではありません。返済計画が変わり、借入金を500万減らして、4,500万の融資で本申込みを行っても、内諾を取った5,000万の枠内であれば、減額する分にはなんら問題ありません。ところが、

「返済計画が狂ってしまって、追加であと300万追加して、5,300万で申し込みたい」

となると話は違ってきます。その際には、事前審査から改めて申し込みしなおさなくてはなりません。返済計画がまだ固まり切っていないのであれば、実際に借りる・借りないは別にして、希望融資額より少し多めに事前審査を通しておくのが良いでしょう。

まとめ

住宅ローンの本審査についての記事でしたが、いかがだったでしょうか?基本的には事前審査を通しておけば、審査通過後に新規の借り入れを行うなどしなければ、そのまますんなり通るのが通常です。我々不動産会社も、事前審査が通るまでは、購入申込書を書いてもらっていても安心できませんが、事前審査が通過し、契約日が設定できれば、ひとまずは安心です。

ただ、健康状態などを聞かれる団体信用生命保険の内容によっては、否決になる可能性もあります。事前審査の段階では、借入希望者の健康状態までは把握しませんし、仲介業者もそこまで聞くことはありません。持病や、継続して服用している薬がある場合。また、大病の経験や直近の手術歴などがある場合は、十分ご注意ください。

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住宅ローンの事前審査とは?

金融機関の融資の流れは、通常、

  1. 事前審査
  2. 本審査(*住宅ローンの本審査とは?

という2段階のステップを踏んだうえで、融資可否が決定されます。今回は住宅ローンの事前審査について解説していきます。

 

事前審査とは?

事前審査は仮審査とも呼ばれています。

「住宅ローンを申し込んだ場合、融資可能かどうかを事前に審査する」

といった認識で概ねOKです。

仲介業者が審査に出す金融機関は、ほとんどが

  • 三菱東京UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行

などの大手メガバンクで、その他、お客様の内容によっては横浜銀行やりそな銀行などに事前審査を出します。事前の審査とはいえ、これら金融機関の審査精度は非常に高く、事前審査で通ったものが、本審査で否決になるということは、よほどのことがない限りありません。事前審査の結果が出てくるのも早く、遅くとも2,3営業日後です。

また、Aという物件の事前審査を通した人が、物件Bに変えて再度申し込む際には、最初からやりなおさなくてはいけません。一度通しているとはいえ、直接本審査(*本申し込み)をすることはできません。

事前審査は完全ではない

事前審査で通ったものが、本審査で一転否決されることは、基本的にはあまりないと上記で書きましたが、かといって100%本審査が通るというわけでもありません。

例えば、本審査時には本申込書と一緒に、団体信用生命保険「団信」への申込も行います。一種の生命保険ですから、自身の健康状態や手術歴の告知が必要です。告知事項によっては団信に入れないこともあります。団信加入が必須の金融機関としては、融資をするわけにはいかないため、結果として否決されてしまいます。

また、事前審査の段階ではなかった借り入れが、新規の借り入れ時に発覚した場合は、否決になることもあります。

事前審査時に必要な書類

事前審査時に必要な書類は次の通りです。

  1. 源泉徴収票
  2. 健康保険証の裏表コピー
  3. 免許証などの身分証明書
  4. 仮審査申込書
  5. 同意書

となります。その他、購入する物件の登記簿謄本や公図などの物件資料が必要となりますが、そうした資料は仲介業者が用意してくれます。

事前審査実施のタイミング

契約前に行うことが多いです。しかし、仲介業者や買い手の考え方によって見解は異なりますが、個人的には購入申込書(*買い付け)を出す際には、事前審査の承認を取っておくべきだと思います。

なぜかというと、住宅ローンを利用して購入する場合、審査が通るまでは本当に購入できる人かどうかは分かりません。契約後融資が通らなかった場合、契約締結までに費やした時間や労力は全て無駄になってしまいますし、言いかたを変えるとその間、売り手の物件は塩漬けにされてしまうのです。

そのような売り手側のリスクもあるので、以前は事前審査が通っていなくとも、契約の段取りは出来ることが多かったのですが、最近は審査を通してからでないと、契約日の設定や交渉さえしないところが増えました。

「金額交渉含め、契約の段取りは事前審査が通ってから」

がスタンダードになっています。

審査結果が否決された場合

審査結果が残念ながら否決となった場合、

「今回は総合的判断で」

という理由で断られます。なぜ否決になったかの理由は教えてくれません。仲介業者と融資担当者の関係性によっては、

「他に借り入れはありませんか?」

などと、ぼんやりと聞かされることはあります。他にも

「希望した5,000万は無理だけれど、4,000万なら・・・」

と、条件を変えて回答してくれるところもあり、金融機関によって回答方法は違います。

事前審査の出しすぎに注意

「どこかの金融機関にひっかかればいい」

など、審査が通りにくいと認識している人や、

「一番融資条件の良い金融機関を探しましょう」

など知識のない仲介業者の誤ったすすめなどによって、一度に複数の金融機関に審査を依頼する人がいますが注意が必要です。なぜなら事前審査時に金融機関は、借入希望者の個人信用情報を開示します。個人信用情報には

「金融機関が個人信用情報を開示した」

という履歴が残ります。以前ほどではないですが、個人信用情報の開示履歴がありすぎると、審査にマイナスに働く可能性があるからです。

まとめ

住宅ローンの事前審査についての解説でしたが、いかがだったでしょうか?事前審査は住宅ローンを利用する人は必ず行わなければなりません。契約前、事前審査に出して初めて、自分が融資を受けられるかどうかが分かります。するとそれまで物件探しに費やした時間や労力は全て無駄になってしまいます。

ですからまずは物件を探し始めた初期段階で、仮の物件で事前審査を出して、融資が出るのかどうかを確かめてみるのがいいでしょう。

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事前審査(じぜんしんさ)

「これだけ借りてこの物件を購入したいのだが、この内容で申し込んだら希望通りに借りることは出来ますか?」

ということを、融資本申し込みの前に金融機関に審査してもらうことです。売買契約締結前に行うのが通常で、事前審査を通した金融機関で絶対借りなければいけないわけでも、その物件を絶対買わなければいけないわけでもありません。

「融資OK!」

と金融機関からの承認が得られ、売買契約後の本申し込みで結果がひっくり返ることは余程のことがない限りありませんが、まったくのゼロではないので注意が必要です。

 

事前審査はどこを審査しているのか?

事前審査は以下の3つの側面から審査を行います。

  • 物件の内容(*担保評価)
  • 借り主の内容(*年収や勤務先)
  • 借り主の個人信用情報(*過去の借り入れ事故歴等)

そのため、金融機関によって事前審査に必要な書類は若干異なりますが概ね以下の通りです。

  • 事前審査の申込書
  • 物件の登記簿謄本
  • 源泉徴収票の写し
  • 健康保険証の写し
  • 身分証明証の写し

その他、別の借り入れ(*キャッシングや車のローン)がある場合などは、借り入れ明細や支払明細、残高証明書。勤続年数が3年未満の場合は簡単な職歴書が必要となります。

事前審査は最初の入り口

不動産購入希望者が物件を探し、気に入ったものが見つかったとします。誰か他の人に取られたくないので、そうなる前に契約したいと考えました。ところが、

「金融機関がお金貸してくれるかはまだ分からないけどこの物件が欲しい!契約したい!!」

と言ったとしても、融資を受けられるかどうかはまだ不確定です。そんな状況で、仲介業者も売り手も取引を前に進めることはできません。不動産会社が今以上にイケイケだった一昔前は、契約ベースで売上計上するところが多いため、月のノルマをどうにか達成させるため、

「融資が通るかどうか分からないけど、とりあえず契約じゃあ~~!!」

というところが多く、契約後、融資が通らないことが原因であっさり解約なんてことが良くありました。しかし、現在は契約前に事前審査を通してから契約、というところが多いです。

事前審査をするためには、上記に上げた源泉徴収や健康保険証などの公的な書類を提出する必要があります。購入前で何も話が進んでいないにも関わらず、こうした公的書類を提出することに抵抗を感じる人がいますが、事前審査は物件を購入するための第一歩です。これをしないことには何も始まりません。

事前審査の承認を取っておくことが武器になることも

物件購入は基本的に早いもの勝ちの世界です。一つの物件に同じタイミングで購入希望者が購入申込書を出すこともあります。事前審査の通しておけば、資金面の裏付けが取れている(*購入資金を借りられることが内定している)ことなので、(*条件次第ではありますが)競合した場合、優先して話が進むこともあります。

また、一度事前審査を通しておけば、借入金額が変わらなければ、物件が変わったとしても、(*例外はもちろんありますが)審査はほぼ通ります。

「一度審査を通した」

というのは、大きな武器にもなるのです。

「融資手続き代行手数料」なんてありません

事前審査を通しておくのはよいことです。ほとんどのケースで仲介業者が営業の一環として事前審査申し込み手続きをしますが、代行手数料などというものは一切かかりません。事前審査をA社経由で通したとしても、本当にA社を通して不動産を購入するかどうかまでは分かりませんし、A社で購入しなければいけないというわけでもありません。あとから出てきたB社経由で購入することはできるのです。

しかし、事前審査を通したにも関わらず、A社ではなくB社で購入されてしまうと、A社はタダ働きとなってしまいます。

「それは嫌だ、少なくとも代行した分の費用だけは取りたい」

という仲介業者の思惑から、代行手数料なんてものが出てきたのではないかと思います。

もしそうした手数料を請求されたとしても、払う必要はないですし、いくら担当者が良い人であっても、そのような仲介手数料以外の費用を請求する会社とのお付き合いは避けた方がよいでしょう。全力で逃げて下さい。

アドバイスの聞きすぎには要注意

当事者が多くなればなるほど、物事がスムーズに進まなくなることは良くありますが、不動産取引にも同じことが言えます。不動産の購入や売却時に、親類縁者、または友人に相談する人がいます。別に相談すること自体悪いことではありませんし、そうした助言は時に、結論を出す際の重要な判断材料となるはずです。大いに相談してもらって構いません。

しかし意見を聞くのは良いですが、なんでもかんでもその意見を受け入れてしまうのは問題です。意見する人達を悪く言うつもりはありませんが、アドバイスというのはあくまでもアドバイスです。

  • 「これいいんじゃない!」
  • 「お勧めだよ!」
  • 「絶対売った方がいいよ!」

当事者は自分の決断が正しいことを、周りから評価されることで認識したいのです。だから、自分の意見を受け入れてくれるアドバイスを、心の奥では待っているです。しかし、そういう時に限って、当事者の背中を押してくれるような、積極的な意見を言う人は残念ながらそう多くいません。

当事者ではないので発言に責任が伴いません。そうしたアドバイスをする人達にとって、自分の意見が元で、物事が進んでしまうのが怖いのです。売却や購入が結果的に上手くいくかもしれませんが、万が一悪い方に転がった場合、勧めた自分にも責任が生じてしまうと考えてしまうのです。人は人から頼りにされるのが好きです。しかし、変な責任は背負いたがりません。だから、自分に意見を聞いてきた相談者のことよりも、「自分自身のための」意見を言うのです。

とりあえず気になることやマイナスなこと、もしくははっきりとは言わないけど、

「あんまり勧めないな~」

というようなニュアンスを伝えることが出来れば、一通りアドバイスに乗ったことにもなり義理も立ちます。仮にそのアドバイスを参考に、取引を見合わせたとしても、物事は前に進まないので良いも悪いも結果は出ません(*前に進まないことが悪い結果に結びつくことはよくありますが)。人は責任がない立場で、ああだこうだいうのが好きなのですが、「アドバイスしたがる人」ほど、そうした傾向が強いように思います。

相談するのは大いに構いませんが、紆余曲折を経てご自身が出した結論を、もっと尊重して欲しいですし、もっと信じて欲しいですね。

意見に振り回されていませんか?

人の意見を聞きすぎた例ですが、以前こんなことがありました。

他業者が、私が依頼を受けて販売していたマンションに購入検討者を連れてきました。そのお客さんは、当初から不動産仲介会社ではない、「不動産コンサルタント」に色々と相談に乗ってもらっていたようです。物件の内見時にも一緒に来てましたから、当然私も知っていました。この時点で、相手に意見することが商売の人が入って、話がうまく進むとはあまり考えてもいませんでしたが。。。つまり、最初から期待していませんでした。

ただ、少し難のある物件だったので、契約後クレームになったりしないよう、もし万が一話が進むようであれば、慎重に判断してもらいたいと思っていました。ですから中立な立場の人がいることは都合が良いとも考えていました。

要求された資料は提出しましたし、出せるだけのものは全て出しました。取り寄せることが出来るものは可能な限り取り寄せました。決して契約を推し進めることもしませんでしたし、検討段階で断られてしまっても別にかまわないと考えていました。ノルマに追われる営業マンとしては失格かもしれませんが、私のスタンスは毎回こうです。

結局、かなり時間がかかりましたが、大幅な金額交渉が条件で購入申込書をもらったのです。売り手が希望する金額との差は小さいものではありませんでしたが、無理を言ってその条件で承諾して頂き、無事話はまとまり契約日のセッティングも行うことができました。結論を出すまでに、これだけ時間がかかっているのだから、当然、依頼しているコンサルタントにも良く相談した上での結論に違いなかったのでしょう。

「これで間違いない」

私もお客さんを連れてきた不動産会社もそう思っていました。

ところが、契約書類の準備や物件の調査も済み、売主さんにも忙しい中時間を作って頂き、金融機関への手続きも始めてもらっていた最中、翌日が契約というところで突然、

「キャンセルしたいそうです・・・」

と相手の不動産会社から沈んだ声で連絡が入りました。さすがにこの段階でのキャンセルに怪訝に思った私は、理由を聞いたところ、

「依頼していた例の不動産コンサルタントがあまり勧めなかった」

んだそうです。は!?契約日前日に何を言ってるんですか?

「直前にこうなっては困るので、そうならないように慎重にやってきたんですけど?」

「判断材料は充分過ぎる位出してますよね?」

「それを元に事前に相談して購入申込書を出したんじゃないんですか?」

「あれだけの金額交渉をして飲んでもらったのに?」

「こんな間際にならないと判断出来ない不動産コンサルタントなんて、コンサルタントじゃないですよ?」

相手の不動産会社を問い詰める声にも熱がこもります。相手に不備はないのですが・・・。

購入申込書には法的拘束力はありませんから、キャンセルしてもペナルティはありません。ここまで話が進んだ状態でなければ、私もここまで腹を立てることもありません。キャンセルなんてそう頻繁にはありませんが、たまにあるので慣れてますし。でも契約日前日のこのタイミングでのキャンセルは、明らかにマナー違反・ルール違反です。

第三者の立場の意見を参考にするのは良いですが、その人の意見に振り回されてしまってはいけません。誰のための結論なのか、それを十分考えてもらいたいものです。

購入申込書(こうにゅうもうしこみしょ)

買付証明(かいつけしょうめい)」、単純に「買付(かいつけ)」とだけいうこともあります。「こういう条件であなたの物件を買いたいのですがご検討頂けませんか?」という買主からの明確な購入の意思表示です。

申込書

申込書の見本です

 

意思表示に過ぎませんから、極端な話、5,000万の物件に対して2,500万で買いたいとメッセージを送ることは可能だし自由です。ただ、売主または売り手側の仲介業者が、その申し込みを受け付けてくれるかどうかは別問題です。提示した金額によっては交渉のテーブルにも付けません。

今の時代、ほぼ100%の人が金額含めて条件交渉を前提に申し込みを入れてきますが、売主の交渉の余地などを予め探っておくなど、事前に売り手サイドの感触を確かめておく必要があります。受け付けてくれるであろうギリギリの線で購入申込書を出すというのが非常に重要です。

また、購入申込書には法的な拘束力は一切ありません。ですから条件通りになったとしても、絶対に買わなければいけないという訳ではありませんし、条件が整った段階でキャンセルしたとしても、金銭的なペナルティは一切ありません。

しかし、購入申込書を提出するということは、条件がまとまれば、「必ず買う!」という正式な意思表示で、本来非常に「重たい」ものです。話がまとまった後でのキャンセルはルール違反であり、マナー違反にあたります。決して簡単に書いてよいものではありません。

キャンセルする際によく見受けられるのが、以下のようにお客さんが全然煮詰まっていないケース。

「こういう条件になれば買うよ~(ま、ダメもとで、どうせ無理でしょ)」

「え?通った!?あ、そう・・・」(まいったな、まさか通るとは。まだそこまで思ってなかったんだけどな。ま、いいか。今回は適当な理由をつけて断っちゃえ!)

「すいません、実は家族から反対があって・・・」

この場合お客さんにも多少の責任はありますが、「一度購入のレールに乗せてしまえば、簡単にはキャンセルしないだろう」と考えて、購入申込書を出すという行為の理由と重みを説明を怠った不動産業者の責任でもあります。