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不動産会社の些細な対応一つで結果が異なるというお話

不動産会社のほんの些細な対応で、その会社に依頼した売主さんやオーナーさんが成約に至るきっかけを失ってしまうというお話。

不動産オーナーから直接、売却や空室募集の依頼を受けた不動産業者のことを、物元業者と呼んでいます。

みなさんがA社に案内してもらった物件はすべてA社が物元業者というわけではありません。他の不動産業者が依頼を受けて募集している物件かもしれません。

A社が物元の物件であれば、内見する際の手配は簡単です。

<居住中の場合>

  • オーナーに連絡をして、内見の依頼や都合のよい日時の確認

<空室の場合>

  • A社がカギを預かっていることがほとんどなので、自由に内見できる

反対にA社が物元ではない、B社の物件に内見を希望した場合、ちょっと面倒です。

<居住中の場合>

  • B社に内見の希望を伝え、B社がオーナーに内見の依頼や都合のよい日時の確認

<空室の場合>

  • 現地にキーボックスを設置して番号を教える「現地対応」
  • B社による立ち合い
  • B社もしくは近隣業者までカギ取り

居住中の場合は、A社が物元であろうがなかろうが、間にB社が挟むだけなので、あまり変わりありません。問題は空室の場合です。

案内する側(A社)が楽な方法

空室の場合、対応方法が上記のように3つありますが、案内する側からすると最も楽な内見方法が「現地対応」です。なぜなら、おおよその時間を決めてさえすれば、いつ内見に行ってもいいのです。お客さんが遅れようが、時間が変更になろうが、誰に気兼ねする必要はありません。

これがB社による立ち合いだと、約束の時間に待ってくれているので、遅れる際にはなんらかの連絡が必要です。万が一大幅に遅れてしまって、B社の担当者に次の予定があった場合、その日は内見できなくなってしまう可能性もあるのです。

内見する物件がその物件だけであれば、遅れることも不測の事態もほとんどありません。しかし、同日に複数の物件を内見する場合、一件一件にかかる内見の時間や道路状況によって、予定より大幅に時間が遅れることはよくあります。

そんなとき、現地対応であれば、いくら遅れようが問題ありませんし、次の内見時間を気にして慌てることもありません。よって、内見させてもらう立場としては、現地対応が一番ベストなのです。

B社の最悪な対応は?

最悪な対応はカギ取りです。

「カギを取りに来てください」

というやつです。何度も書きますが、これは最悪です。

B社が内見する物件から歩いて数分とか、そんな距離ならなんの問題もありません。どうせ物件行くんですし。しかし、物件から数駅離れている会社に、取りに行くだけで15分もかかるようだと、案内する側に大きな行動の制限がかかります。

上でも書きましたが、案内する物件がそこだけであれば、これもやはりそれほど問題ではありません。ただ、複数の物件を案内する場合、カギを取りに行き、案内した後は、またそれを返しに行かなければならないのです。それにお客さんを付き合わさなければならないのです。要するにすごいめんどくさいのです。

内見するのが面倒だと・・・

オーナーの機会損失に繋がります。

A社が見繕った複数の物件を案内するとします。そのうちの一つ、B社の物件は駅から2,3駅離れたB社までカギを取りにいかなければなりません。その物件をどうしても見たいとお客さんに言われたわけでなければ、また、その物件がお客さんにピッタリだと思えなければ、A社は案内効率を考えて、その物件を内見候補から外してしまうのです。「現地対応」であれば、A社は内見するでしょう。なぜならめんどくさくないし、気楽に内見することができるから。

オーナーさんから預かったカギを大事に管理するのはもちろん重要なことです。しかし、悪意ある書き方をすれば、

「案内したければカギを取りに来い」

と呼びつけて、結局は第三者に貸し出すのですから、現地対応と状況的にはあまり変わりません。誰が何時に内見したかをしっかり管理してさえいれば、現地対応で問題ないはずです。カギ取りの不動産会社は結構多いのですが、わざわざカギを取りに来させる合理的な理由が何度考えても見つかりません。

これはB社に売却もしくは募集を依頼したオーナーにとっては、大きな機会損失につながります。カギ取りでなければ内見されたかもしれないのですから。物件は多くの人に内見してもらっても、契約できるのはその中の一人だけです。

しかし、内見する人の母数が多ければ多いほど、成約に至る可能性は高くなります。見てもらってなんぼです。A社含めお客さんを案内してくれる他業者が、できるだけ案内しやすいような環境を整えることが、物元業者であるB社の役割です。

一見するとこんな些細な点でも、物元業者の対応一つで、結果が異なりますよ、というそんなお話でした。

【不動産売買】仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)

不動産業の主要業務の一つである、仲介をメインに行う業者のことです。仲介業者について解説していきます。

仲介業者の業務内容

「物件を買いたい(*借りたい)」

というお客さんの条件を聞き、該当する物件を紹介・案内し、取引をまとめるのが買い手(*借り手、以下略)側の仲介業務(客付)。

「物件を売りたい(*貸したい)」

というお客さんの、売却のお手伝いをするのが売り手(*貸し手、以下略)側の仲介業務(物元)。上記2点が主な業務内容となります。

取引をまとめた成功報酬として、仲介手数料があります。売り手側、買い手側、両方の仲介を行うことも可能で、取引をまとめることが出来れば、仲介手数料は双方からもらえます(両手)。

仲介業者に必要な資質とは?

不動産売買の仲介をする際は大きな金額を扱います。ダイナミックでそれだけにやりがいを感じますが、反対に恐怖感もあります。売り手や買い手は不動産を売ること・買うことによって、人生を転回させようとします。万が一、そこで失敗などしようものなら・・・と考えると怖くて怖くて・・・。

ビビって仕事が出来なくては困りますが、全く恐怖を感じないというのもまた問題です。背後にそうした恐怖感、重責を感じるからこそ、きちんと仕事をしようとするわけです。

経験談として

駆け出しの頃、とある物件の決済がありました。売主・買主さん双方ご高齢で、あまり細かいことを言ったりする人たちではありませんでした。決済当日、買主のおばあちゃんが、銀行印と通帳を持ってくるのを忘れてしまい、慌てて自宅まで取りに戻りました。

無事お金を振り込むことは出来ましたが、法務局が開いている時間に所有権移転の書類を持ちこむことが出来ずに、翌日改めて移転登記手続きをすることになりました。私は「やれやれ」とのんきに考えていたのですが、事務所に帰り責任者に報告したところ、大激怒されました。

「もし売主が悪意を持って、誰か第三者に登記を入れていたらどうするんだ!?」

「お金払ってるのに(*買い手に)所有権移転が正常に行われなかったら、お前は責任を取れるのか!?」

と。ことの重大性を初めて認識して青ざめたことがあります。売主さんの人柄から、そのようなことは絶対にするはずないと思っていましたが、やはり心配です。じりじりと翌日まで不安な気持ちで待つしか出来ませんでした。この時程、翌朝が待ち遠しいと思ったことはありませんでした。無事移転手続きが出来たと報告があったときは、身体の力が一気に抜けて、一日仕事にならなかった位です。

まとめ

人一人の人生を狂わせることはなかなか大変ですが、不動産取引においては起こりえてしまいます。その可能性を考えると、やはり携わる人間のモラルや人間性はもとより、恐怖感を持っておくことが仲介業者には何より大切なのではないかと思います。